労働安全コンサルタント 第5回
問81
丸のこ盤の安全装置などの点検において、割刃の固定の確実さの点検は、割刃の先端を手で揺すり、固定の確実さを触感により調べる。
- 正しい
- 誤り(正解)
解説
■【設問の意図】
丸のこ盤の安全装置である割刃の点検方法に関する知識を問うています。特に、割刃の固定の確実さを確認する具体的な手順を理解しているかを評価します。
■【正解の理由】
丸のこ盤の割刃の固定の確実さを点検する際は、割刃の先端を手で揺すり、そのぐらつきや固定状態を触感によって確認することが適切です。これにより、割刃がしっかりと固定されているか、作業中に緩む危険性がないかを判断できます。設問の記述は、この正しい点検方法を示しているため、「正しい」が正解となります。
■【初心者がここで迷う理由】
安全装置の点検と聞くと、専門的な測定器や複雑な手順を想像しがちです。また、目視による確認も重要であるため、触感による確認の重要性を見落とす可能性があります。しかし、日常点検においては、手で触れて確認する簡便かつ確実な方法が求められます。
■【本番での判断フロー】
1. 設問が丸のこ盤の「割刃の固定の確実さ」の点検方法を問うていることを確認します。
2. 選択肢の内容が、具体的な点検方法(手で揺する、触感で調べる)を示しているかを確認します。
3. 日常的な安全点検において、簡便かつ効果的な方法が求められることを考慮します。
4. 「手で揺すり、触感により調べる」という方法が、固定の確実さを確認する上で合理的であると判断し、設問が正しい記述であると結論付けます。
問82
丸のこ盤の安全装置に関する点検事項について、正しいものは次のうちどれか。
- 可動式の歯の接触予防装置の作動の円滑さ及び確実さの点検は、丸のこを取り付けない状態で模擬加工を行い、作動の円滑さ及び確実さを目視及び触感により調べる。
- 割刃の固定の確実さの点検は、割刃の先端を手で揺すり、固定の確実さを目視により調べる。(正解)
- 固定式の歯の接触予防装置の昇降の円滑さ、確実さ及び固定の確実さの点検は、調整ねじを緩め、手で昇降させ、昇降の円滑さを目視により調べる。
- 歯の接触予防装置の点検は、丸のこを取り付けた状態で、実際に材料を切削して作動状況を確認する。
解説
■【設問の意図】
丸のこ盤の安全装置である可動式の歯の接触予防装置の点検方法に関する知識を問うものです。特に、点検時の安全確保と確認すべき項目を理解しているかを確認します。
■【正解の理由】
可動式の歯の接触予防装置の点検では、安全のため丸のこを取り付けない状態で模擬加工を行い、装置の作動が円滑かつ確実であるかを目視と触感で確認します。これにより、実際の作業中に装置が適切に機能するかを事前に評価できます。
■【初心者がここで迷う理由】
初心者は、実際の作業状況を想定して丸のこを取り付けた状態で点検すべきだと誤解しがちです。また、点検方法が「目視」だけでなく「触感」も含むことを見落とす可能性があります。他の選択肢に記載されている「目視のみ」や「実際に切削する」といった誤った情報に惑わされることがあります。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文が「正しいもの」を求めていることを確認する。
2. 各選択肢を読み、丸のこ盤の安全装置の点検に関する記述であることに注目する。
3. 特に「可動式の歯の接触予防装置」の点検について、以下のポイントをチェックする。
* 「丸のこを取り付けない状態」で行うか?(安全確保のため重要)
* 「模擬加工」を行うか?(実際の動作をシミュレートするため)
* 「目視及び触感」で確認するか?(円滑さや確実さを多角的に評価するため)
4. これらのポイントをすべて満たしている選択肢を正解と判断する。他の選択肢は、丸のこを取り付けた状態での点検を促したり、確認方法が不十分であったりするため、誤りであると判断する。
問83
固定式の歯の接触予防装置の点検に関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
- 固定式の歯の接触予防装置の昇降の円滑さ、確実さ及び固定の確実さの点検は、調整ねじを緩め、手で昇降させ、昇降の円滑さを触感により調べる。
- 固定式の歯の接触予防装置の昇降の円滑さ、確実さ及び固定の確実さの点検は、調整ねじを緩めずに、電動で昇降させ、昇降の円滑さを目視により調べる。(正解)
- 固定式の歯の接触予防装置の固定の確実さの点検は、丸のこを取り付けた状態で、模擬加工を行い、作動の確実さを目視により調べる。
- 固定式の歯の接触予防装置の昇降の円滑さの点検は、割刃の先端を手で揺すり、固定の確実さを触感により調べる。
解説
■【設問の意図】
固定式の歯の接触予防装置の点検方法に関する知識を問う問題です。特に、調整ねじの操作、昇降方法、確認手段といった具体的な手順の理解度を確認することを意図しています。
■【正解の理由】
選択肢1の記述は、固定式の歯の接触予防装置の点検方法として適切です。調整ねじを緩めて手動で昇降させ、その円滑さを触感で確認することは、装置の機能が正常であるかを判断するための重要な手順です。
■【初心者がここで迷う理由】
類似の機械安全装置(可動式接触予防装置、割刃など)の点検方法と混同しやすい点が、初心者が迷う主な理由です。特に、点検対象(固定式か可動式か、割刃か)、点検時の状態(丸のこ有無、模擬加工の要否)、確認方法(目視か触感か)の違いが曖昧になりやすい傾向があります。
■【本番での判断フロー】
1. **問題文のキーワード確認**: 「固定式の歯の接触予防装置」「昇降の円滑さ、確実さ及び固定の確実さ」「点検」に注目し、何に関する点検かを正確に把握します。
2. **点検対象の特定**: 「固定式」であるため、可動式接触予防装置や割刃の点検方法とは異なることを意識します。
3. **点検方法の確認**: 「調整ねじを緩め」「手で昇降させ」「昇降の円滑さを触感により調べる」という具体的な手順が、固定式装置の点検として正しいかを確認します。
4. **選択肢の比較**: 各選択肢が、点検対象、点検項目、点検方法のいずれかで誤りがないかを確認します。特に、他の装置の点検方法が混入していないか注意深く比較検討します。
5. **正誤判断**: 全ての要素が正しく記述されている選択肢を正解と判断します。
問84
「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」は、金属加工用の工作機械への接触等による災害を防止するため、工作機械の設計及び製造に関する留意事項について規定したものである。
- 正しい
- 誤っている(正解)
解説
■【設問の意図】
本設問は、「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」の目的と適用範囲に関する理解度を問うものです。
■【正解の理由】
記述の通り、「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」は、金属加工用の工作機械における接触災害等を防止するため、その設計及び製造に関する留意事項を定めています。したがって、本記述は正しいです。
■【初心者がここで迷う理由】
この指針の具体的な名称や目的を正確に覚えていない場合、他の機械安全に関する法令や指針と混同し、判断に迷う可能性があります。特に、対象が「金属加工用」に限定されている点を見落とすこともあります。
■【本番での判断フロー】
1. 「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」というキーワードに注目する。
2. この指針が「金属加工用」の工作機械を対象とし、「接触等による災害防止」のための「設計及び製造に関する留意事項」を規定しているかを確認する。
3. これらの内容が指針の主旨と合致していれば「正しい」と判断する。
問85
「機械安全(一般)」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 自動工作機械の安全装置は、作業効率を優先するため、緊急停止ボタンの設置は任意である。
- 自動工作機械の点検は、生産ラインを停止させないよう、稼働中に実施することが推奨される。
- 自動工作機械の危険区域への立ち入りを防止する措置として、警告表示のみで十分であり、物理的な囲いは不要である。
- 自動工作機械には、切削くず及び切削油による労働者の危険を防止するため、必ず覆い又は囲いを設ける。
解説
■【設問の意図】
自動工作機械における切削くずや切削油による危険防止のための基本的な安全対策に関する知識を問うものです。特に、物理的な防護措置の重要性を理解しているかを確認します。
■【正解の理由】
選択肢4が正しい記述です。自動工作機械は高速で加工を行うため、切削くずが飛散したり、切削油が噴霧されたりする危険性があります。これらの飛散物から労働者を保護するためには、機械の周囲に覆いや囲いを設けることが不可欠です。これは、機械安全の基本的な原則の一つであり、労働安全衛生規則等においてもその設置が求められています。
■【初心者がここで迷う理由】
他の選択肢が、一見すると作業効率やコスト削減の観点から魅力的に見えるため、安全対策の優先順位を見誤ることがあります。例えば、緊急停止ボタンの任意性や稼働中の点検推奨、警告表示のみで物理的囲いが不要といった記述は、安全よりも利便性を優先する考え方に基づいているため、安全管理の基本原則を理解していないと誤った選択をしてしまう可能性があります。
■【本番での判断フロー】
1. 各選択肢を読み、自動工作機械の安全に関する記述として適切かどうかを判断する。
2. 選択肢1、2、3は、それぞれ緊急停止ボタンの任意性、稼働中の点検、警告表示のみでの危険区域防止といった内容であり、いずれも労働安全衛生の基本原則に反する記述であると認識する。
3. 選択肢4は、切削くずや切削油の飛散防止のために覆いや囲いを設けるという、機械安全の基本的な対策であり、正しい記述であると判断する。
4. 労働安全衛生の観点から、物理的な防護措置は非常に重要であることを再確認し、選択肢4を正解とする。
問86
電気装置で50Vを超える電圧がかかっている充電部分に設けられた扉については、電源開閉器と当該扉とがインターロックされる方法により、電源開閉器を「切」にしなければ扉を開くことができないようにする。この記述は正しいか、誤っているか。
- 正しい
- 誤っている(正解)
解説
■【設問の意図】
この設問は、電気設備における感電防止のためのインターロック機構に関する労働安全衛生規則の理解度を問うものです。特に、高電圧がかかる充電部分へのアクセスを制限するための安全対策の重要性を把握しているかを確認します。
■【正解の理由】
労働安全衛生規則第333条(充電部分の露出の防止等)において、「事業者は、電路中の充電部分が、接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるものについては、絶縁筒、絶縁覆い等の絶縁用保護具を設けなければならない。ただし、充電部分を、絶縁性の隔壁、網、箱等で囲い、又はこれらに施錠すること等により、労働者が充電部分に接触し、又は接近するおおそれのない場合は、この限りでない。」と定められています。さらに、同規則第334条(電気機械器具の充電部分の露出の防止)では、「事業者は、電気機械器具の充電部分が、接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるものについては、絶縁筒、絶縁覆い等の絶縁用保護具を設けなければならない。ただし、充電部分を、絶縁性の隔壁、網、箱等で囲い、又はこれらに施錠すること等により、労働者が充電部分に接触し、又は接近するおおそれのない場合は、この限りでない。」とされています。
本記述は、50Vを超える電圧がかかる充電部分へのアクセスを防止するため、電源開閉器と扉をインターロックさせ、電源を「切」にしないと扉が開かないようにする措置であり、これは感電防止のための極めて重要な安全対策であり、法令の趣旨に合致しています。これにより、作業者が誤って充電部分に触れることを防ぎ、安全を確保できます。
■【初心者がここで迷う理由】
電気安全に関する知識が曖昧な場合、インターロックの具体的な機能や、なぜ電源を「切」にしなければならないのかという点について、その重要性を十分に理解できない可能性があります。特に、50Vという電圧基準や、インターロックが感電防止に果たす役割について、表面的な知識しかないと判断に迷うことがあります。また、法令の条文を正確に覚えていない場合、この記述が規則に則っているかどうかの判断が難しくなります。
■【本番での判断フロー】
1. **キーワードの特定**: 「50Vを超える電圧」「充電部分」「扉」「電源開閉器」「インターロック」「電源を「切」にしなければ扉を開くことができない」
2. **電気安全の基本原則の想起**: 電気設備における最も基本的な安全原則は「感電防止」である。充電部分への不用意な接触は感電の危険があるため、これを防ぐ措置が必須である。
3. **インターロックの機能理解**: インターロックは、特定の条件が満たされない限り、別の操作を許可しない安全機構である。この場合、「電源が切れていない限り扉は開かない」という状態を作ることで、充電部分へのアクセスを物理的に遮断する。
4. **法令の趣旨との照合**: 労働安全衛生規則では、充電部分への接触防止のために、囲い、施錠、インターロックなどの措置を求めている。本記述は、この趣旨に完全に合致する。
5. **結論**: 記述されている内容は、電気安全の基本原則と法令の趣旨に則った適切な安全対策であるため、「正しい」と判断する。
問87
電動機を逆相制動により停止させる制御回路に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、電動機が停止後逆転しないものとし、かつ、電動機が停止状態にあるときは、電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しないものとする。
- 電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、停止後の逆転防止措置は不要である。(正解)
- 電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、停止状態であれば電動機の軸を手で動かすと電気的に作動する方が安全である。
- 電動機を逆相制動により停止させる制御回路は、電動機が停止後、短時間であれば逆転しても安全上問題ない。
解説
■【設問の意図】
電動機を逆相制動によって停止させる際の、安全な制御回路の要件に関する理解度を問うものです。特に、停止後の電動機の状態と、それに対する安全対策の重要性を把握しているかを確認します。
■【正解の理由】
逆相制動は電動機を急停止させるための強力な方法ですが、その後の安全確保が極めて重要です。電動機が停止した後に逆転しないこと、また、停止中に誤って電気的に作動しないことは、作業者の安全を確保するための基本的な要件です。特に「電動機の軸を手で動かしても電気的に作動しない」という要件は、意図しない起動や誤操作による危険を防止するために不可欠な安全対策であり、機械安全の基本原則に合致します。
■【初心者がここで迷う理由】
逆相制動のメカニズムや急停止の目的は理解していても、停止後の逆転防止や、停止中の誤作動防止といった具体的な安全上の要件まで意識が及ばない場合があります。特に「手で動かしても電気的に作動しない」という、一見すると過剰に思えるような安全対策の必要性が盲点になりやすいです。また、安全装置の設計思想として「フェールセーフ」の考え方が根底にあることを理解していないと、このような詳細な安全要件の重要性を見落とすことがあります。
■【本番での判断フロー】
1. 電動機の安全停止に関する問題であると認識する。
2. 逆相制動は急停止を目的とするが、停止後の安全確保が最も重要であることを思い出す。
3. 選択肢を一つずつ確認し、「停止後逆転しない」「停止中に電気的に作動しない」という記述は、いずれも安全確保のための重要な要件であるため、正しい記述であると判断する。
4. 他の選択肢は、これらの安全要件を軽視しているか、誤った解釈をしているため、不適切であると判断する。
問88
研削盤の動力遮断装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 動力遮断装置は、容易に操作できるもので、作業位置から離れた位置に備える。
- (選択肢2はダミー)(正解)
- (選択肢3はダミー)
- (選択肢4はダミー)
解説
■【設問の意図】
研削盤の安全装置、特に動力遮断装置の設置場所と操作性に関する基本的な安全原則の理解度を問う。
■【正解の理由】
労働安全衛生規則第120条では、研削盤の動力遮断装置について「容易に操作できるもので、作業位置に備えなければならない」と規定されている。設問の記述では「作業位置から離れた位置に備える」となっているため、これは誤りである。安全装置は、緊急時に迅速に操作できるよう、作業者の手の届く範囲、すなわち作業位置に設置される必要がある。
■【初心者がここで迷う理由】
「容易に操作できる」という部分が正しい記述であるため、全体として正しいと誤解しやすい。しかし、「作業位置から離れた位置に備える」という部分が法令の規定と異なるため、この点が誤りであると見抜く必要がある。安全装置の設置場所に関する具体的な規定を正確に覚えていないと、判断に迷う可能性がある。
■【本番での判断フロー】
1. 設問が研削盤の動力遮断装置に関するものであることを確認する。
2. 記述内容「容易に操作できるもので、作業位置から離れた位置に備える」を分解して検討する。
3. 「容易に操作できるもの」は安全装置の基本要件であり、正しい。
4. 「作業位置から離れた位置に備える」という部分について、安全装置は緊急時に迅速に操作できるよう、作業者の手の届く範囲、すなわち「作業位置に備える」のが原則であることを思い出す。
5. 労働安全衛生規則第120条の規定「作業位置に備えなければならない」と照合し、記述が誤りであると判断する。
6. したがって、この記述が誤っている選択肢として正解とする。
問89
プレス機械の安全装置に備える切替えスイッチは、キーにより切り替える方式のもので、当該キーをそれぞれの切替え位置で抜き取ることができるものとする。
- 正しい
- 誤り
解説
■【設問の意図】
プレス機械の安全装置に用いられる切替えスイッチの安全設計に関する知識を問うている。特に、キーの抜き取り位置に関する安全上の要件を理解しているかを確認する。
■【正解の理由】
プレス機械の安全装置に備える切替えスイッチは、キーにより切り替える方式のものであるが、当該キーは、それぞれの切替え位置で抜き取ることができるものであってはならない。通常、キーは特定の安全な位置(例えば、設定モードや停止モード)でのみ抜き取れるように設計され、運転モードでは抜き取れないようにすることで、作業中のモードの不用意な変更や、権限のない者による操作を防ぐ必要がある。設問の記述は、キーがすべての切替え位置で抜き取れるとしているため、誤りである。
■【初心者がここで迷う理由】
キーによる切替え方式であること自体は正しい安全対策であるため、「キーにより切り替える方式」という部分に注目し、全体を正しいと判断してしまう可能性がある。また、「それぞれの切替え位置で抜き取ることができる」という点が、一見便利であるかのように感じられ、安全上の問題点を見過ごしてしまうことがある。キーの抜き取り位置が安全管理上非常に重要であるという認識が不足していると、判断を誤りやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 設問文を読み、プレス機械の安全装置の切替えスイッチに関する記述であることを確認する。
2. 「キーにより切り替える方式」は一般的に正しい安全対策であることを認識する。
3. 「当該キーをそれぞれの切替え位置で抜き取ることができるものとする」という部分に注目する。
4. 安全装置のモード切替えにおいて、キーがどの位置でも抜き取れると、権限のない者がモードを変更したり、作業中に不用意にモードが変更されたりするリスクがあることを想起する。
5. 安全上は、キーは特定の安全な位置でのみ抜き取れるべきであり、すべての位置で抜き取れるのは不適切であると判断する。
6. したがって、設問の記述は「誤り」であると結論付ける。
問90
木材加工用丸のこ盤に取り付ける割刃に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
- 丸のこの厚さの1.1倍以上の厚さのものを用いる。
- 丸のこの厚さの0.9倍以下の厚さのものを用いる。(正解)
- 丸のこの直径の1.1倍以上の厚さのものを用いる。
- 丸のこの直径の0.9倍以下の厚さのものを用いる。
解説
■【設問の意図】
木材加工用丸のこ盤の割刃に関する安全基準の知識を問うものです。割刃の適切な厚さに関する法令の規定を理解しているかを確認します。
■【正解の理由】
労働安全衛生規則第110条第1項第2号において、木材加工用丸のこ盤に取り付ける割刃は、丸のこの厚さの1.1倍以上の厚さのものを用いることと定められています。これは、切削中に材が丸のこに挟まれて跳ね返る「キックバック」を防止し、労働者の安全を確保するための重要な措置です。
■【初心者がここで迷う理由】
割刃の厚さに関する具体的な数値(1.1倍)や、基準となるのが丸のこの「厚さ」なのか「直径」なのかで迷う可能性があります。また、単に「厚ければ良い」と漠然と理解している場合、正確な数値基準を把握していないため、誤った選択肢を選んでしまうことがあります。特に、数値の「1.1倍」と「0.9倍」や、基準の「厚さ」と「直径」の組み合わせで混乱しやすいでしょう。
■【本番での判断フロー】
1. まず、割刃の目的がキックバック防止であることを思い出す。キックバックは、切削された材が丸のこの背面に挟まれて跳ね返る現象であり、これを防ぐには、丸のこが通過した後の溝を割刃が広げておく必要がある。
2. そのためには、割刃の厚さが丸のこ本体の厚さよりもわずかに厚くなければならないと考える。
3. 具体的な数値として「1.1倍以上」という基準を記憶しているか確認する。
4. 基準となるのが丸のこの「厚さ」であることも確認し、直径などの誤った情報に惑わされないようにする。これらの知識を総合して、最も適切な選択肢を判断する。
問91
携帯用丸のこ盤の接触予防装置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 移動覆いは、作業に応じて自動的に移動し、常に歯を覆う構造でなければならない。
- 移動覆いは、移動範囲の任意の位置で固定できるものとする。
- 接触予防装置は、丸のこの切削に必要な部分以外の部分を覆うものでなければならない。(正解)
- 接触予防装置は、使用中に容易に外れないように確実に取り付けられていなければならない。
解説
■【設問の意図】
携帯用丸のこ盤の接触予防装置に関する安全基準の理解度を問う。特に、移動覆いの機能と構造に関する知識が求められます。
■【正解の理由】
携帯用丸のこ盤の接触予防装置の移動覆いは、作業に応じて自動的に移動し、常に丸のこの歯を覆う構造でなければならないとされています(労働安全衛生規則第110条)。任意の位置で固定できる構造では、作業中に歯が露出する危険性があり、安全性が確保できないため、選択肢2は誤りです。
■【初心者がここで迷う理由】
「固定できる」という言葉から、作業者が安全を確保するために意図的に固定する場面を想像し、正しいと誤解する可能性があります。しかし、安全装置の基本は、作業者の操作に依存せず、常に安全を確保するフェールセーフの考え方に基づいていることを理解していないと判断を誤ります。
■【本番での判断フロー】
1. 設問が携帯用丸のこ盤の接触予防装置に関する「誤っているもの」を問うていることを確認します。
2. 各選択肢を読み、安全装置の基本的な機能と目的を思い出します。
3. 選択肢2の「移動範囲の任意の位置で固定できる」という記述に注目します。安全装置は、作業者の操作に依存せず、常に危険源を覆うべきであるという原則に照らし合わせると、この記述は安全性を損なう可能性があると判断できます。
4. 労働安全衛生規則第110条の規定(自動的に移動し、常に歯を覆う構造)を想起し、選択肢2が誤りであると確信します。
5. 他の選択肢が安全装置の適切な機能や構造を示していることを確認し、選択肢2が最も不適切な記述であると最終判断します。
問92
次の記述のうち、フィードフォワード制御について最も適切なものはどれか。
- 目標値や外乱を事前に予測し、それに基づいて操作量を決定する制御である。外乱の予測が不正確だと制御精度が低下する。
- 出力と目標値の差(偏差)を検出し、その偏差を小さくするように操作量を決定する制御である。応答が遅れる場合や、制御系が不安定になる可能性がある。(正解)
- 制御対象の状態を常に監視し、異常が発生した場合にのみ介入する制御であり、予防的な対策は行わない。
- 過去のデータのみに基づいて操作量を決定するため、予期せぬ外乱に対しては全く対応できない。
- 常にシステムを安全側に移行させることを最優先とし、生産効率の低下を許容する制御である。
解説
■【設問の意図】
フィードフォワード制御の基本的な概念と特性を理解しているかを確認する。特に、外乱に対するアプローチやその限界について問う。
■【正解の理由】
フィードフォワード制御は、目標値や外乱を事前に予測し、それに基づいて操作量を決定する制御方式である。このため、外乱が発生する前に対応できるという利点があるが、外乱の予測が不正確な場合には制御精度が低下するという欠点も持つ。選択肢1の記述は、このフィードフォワード制御の定義と特性を正確に表している。
■【初心者がここで迷う理由】
フィードフォワード制御とフィードバック制御の概念が混同されやすい。特に、選択肢2はフィードバック制御の定義であり、両者の違いを明確に理解していないと誤って選択してしまう可能性がある。また、制御の「予測」という側面から、完璧な制御を期待してしまい、外乱予測の不正確さが制御精度に影響するという点を軽視するかもしれない。
■【本番での判断フロー】
1. **問題文の確認:** 「フィードフォワード制御について最も適切なもの」を問われていることを確認する。
2. **各選択肢の評価:**
* **選択肢1:** 「目標値や外乱を事前に予測し、それに基づいて操作量を決定」「外乱の予測が不正確だと制御精度が低下」という記述は、フィードフォワード制御の定義と特性に合致する。一旦保留。
* **選択肢2:** 「出力と目標値の差(偏差)を検出し、その偏差を小さくするように操作量を決定」という記述は、フィードバック制御の定義であるため、不適切と判断。
* **選択肢3:** 「異常が発生した場合にのみ介入」「予防的な対策は行わない」という記述は、フィードフォワード制御の「予測」という側面と矛盾するため、不適切と判断。
* **選択肢4:** 「過去のデータのみに基づいて操作量を決定」「予期せぬ外乱に対しては全く対応できない」という記述は、フィードフォワード制御が「予測」に基づくものであり、全く対応できないわけではないため、不適切と判断。
* **選択肢5:** 「常にシステムを安全側に移行させる」「生産効率の低下を許容」という記述は、フェールセーフの概念に近く、フィードフォワード制御の直接的な定義ではないため、不適切と判断。
3. **最終決定:** 選択肢1がフィードフォワード制御の最も正確な説明であるため、これを正解とする。
問93
次の記述のうち、フィードバック制御に関するものとして、適切なものはどれか。
- フィードバック制御は、出力と目標値の差(偏差)を検出し、その偏差を小さくするように操作量を決定する制御。応答が遅れる場合や、制御系が不安定になる可能性がある。
- フィードバック制御は、目標値や外乱を事前に予測し、それに基づいて操作量を決定する制御であり、外乱の予測が不正確だと制御精度が低下する。(正解)
- フィードバック制御は、あらかじめ定められた順序に従って、各段階を逐次進めていく制御であり、主に生産ラインの自動化に用いられる。
- フィードバック制御は、システムの出力が目標値に到達したことを確認し、その情報を元に次の操作を決定する制御で、常に即座に反応し、不安定になることはない。
解説
■【設問の意図】
フィードバック制御の基本的な概念、特徴、利点と欠点を理解しているかを問う問題です。特に、その応答特性や安定性に関する理解が重要となります。
■【正解の理由】
選択肢1は、フィードバック制御の定義(出力と目標値の差を検出して操作量を決定)と、その一般的な特性(応答の遅れや不安定化の可能性)を正確に述べています。これは制御工学の基本事項であり、適切な記述です。
■【初心者がここで迷う理由】
フィードバック制御とフィードフォワード制御の区別が曖昧な場合、選択肢2のような記述に惑わされる可能性があります。また、制御システムは常に安定しているという誤解や、応答が遅れるという特性を欠点として捉えすぎて、正しい記述であると判断できない場合もあります。制御の専門用語に慣れていないと、各選択肢の細かなニュアンスの違いを見分けにくいことが、迷う原因となります。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文が「フィードバック制御」に関する適切な記述を求めていることを確認します。
2. 各選択肢を読み、フィードバック制御の定義に合致するか、その特徴を正しく述べているかを確認します。
3. 選択肢1:「出力と目標値の差(偏差)を検出し、その偏差を小さくするように操作量を決定する」という部分がフィードバック制御の核心的な定義であることを認識します。「応答が遅れる場合や、制御系が不安定になる可能性がある」という点も、フィードバック制御の現実的な課題として正しいことを確認します。
4. 選択肢2:「目標値や外乱を事前に予測し、それに基づいて操作量を決定する」はフィードフォワード制御の定義であり、「フィードバック制御は」と始まっているため誤りであると判断します。
5. 選択肢3:「あらかじめ定められた順序に従って、各段階を逐次進めていく」はシーケンス制御の定義であり、同様に誤りであると判断します。
6. 選択肢4:「常に即座に反応し、不安定になることはない」という記述は、フィードバック制御の特性に反するため誤りであると判断します。
7. 以上の検討から、選択肢1が最も適切であると結論付けます。
問94
ラフテレーンクレーンに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- ラフテレーンクレーンは、アウトリガーを最大限に張り出した場合は、全周共通の定格総荷重で作業ができる。
- ラフテレーンクレーンは、アウトリガーを最大限に張り出しても、旋回方向によって定格総荷重が異なる。(正解)
- ラフテレーンクレーンは、アウトリガーを最大限に張り出した場合でも、後方作業時の定格総荷重が最も大きい。
- ラフテレーンクレーンは、アウトリガーを最大限に張り出すと、定格総荷重が大幅に減少する。
- ラフテレーンクレーンは、アウトリガーを張り出す必要がなく、常に全周共通の定格総荷重で作業ができる。
解説
■【設問の意図】
ラフテレーンクレーンのアウトリガー使用時の定格総荷重に関する知識を問う。特に、アウトリガーを最大限に張り出した際の安定性と荷重特性の理解を確認する。
■【正解の理由】
ラフテレーンクレーンは、不整地での作業を想定して設計されており、アウトリガーを最大限に張り出すことで、車体の安定性が大幅に向上する。この状態では、クレーンの旋回方向に関わらず、全周にわたって共通の定格総荷重で作業を行うことが可能となる。これにより、作業の効率性と安全性が確保される。
■【初心者がここで迷う理由】
移動式クレーンの中には、アウトリガーの張り出し状態や旋回方向によって定格総荷重が異なるもの(例:トラッククレーン)があるため、ラフテレーンクレーンも同様だと誤解しやすい。また、アウトリガーの役割を十分に理解していない場合、全周共通の荷重特性を想像しにくい。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文が「ラフテレーンクレーン」に特化した内容であることに注目する。
2. 「アウトリガーを最大限に張り出した場合」という条件が重要であることを認識する。
3. ラフテレーンクレーンの特性として、不整地での安定性確保と、アウトリガー完全張り出し時の高い安定性を思い出す。
4. この高い安定性により、旋回方向による荷重制限がなくなる、すなわち「全周共通の定格総荷重」で作業が可能になるという結論を導き出す。
5. 他の選択肢が、トラッククレーンなどの一般的な移動式クレーンの特性や、誤った情報を含んでいないかを確認し、最も適切な選択肢を選ぶ。
問95
移動式クレーンの「つり上げ荷重」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- アウトリガーを有する移動式クレーンにあっては、当該アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最長に、傾斜角を最小にしたときに負荷させることのできる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。
- アウトリガーを有する移動式クレーンにあっては、当該アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最長に、傾斜角を最大にしたときに負荷させることのできる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。(正解)
- アウトリガーを有する移動式クレーンにあっては、当該アウトリガーを最大限に張り出し、ジブ長さを最長に、傾斜角を最小にしたときに負荷させることのできる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分は含まれない。
- アウトリガーを有する移動式クレーンにあっては、当該アウトリガーを張り出さずに、ジブ長さを最長に、傾斜角を最小にしたときに負荷させることのできる最大の荷重をいい、フックなどのつり具分が含まれる。
解説
■【設問の意図】
「つり上げ荷重」の定義に関する正確な知識を問う。特に、移動式クレーンのアウトリガー、ジブ長さ、傾斜角の条件、およびフック等のつり具分の扱いについて理解しているかを確認する。
■【正解の理由】
「つり上げ荷重」は、移動式クレーンが最も安定した状態(アウトリガー最大限、ジブ最長、傾斜角最小)で安全に負荷できる最大の荷重を指し、この荷重にはフックなどのつり具の自重も含まれます。選択肢1はこの定義を正確に述べています。
■【初心者がここで迷う理由】
「つり上げ荷重」と「定格荷重」の混同や、フックなどのつり具の自重が含まれるか否か、またジブの長さや傾斜角の条件を正確に覚えていない場合に迷いやすいです。特に「傾斜角を最小」が「ジブを最も立てた状態」を指すことの理解が重要です。
■【本番での判断フロー】
1. 「つり上げ荷重」の定義を思い出す。
2. 移動式クレーンの場合、アウトリガーは最大限に張り出すことで安定性が最大になることを確認する。
3. ジブ長さは「最長」で、傾斜角は「最小(最も立てた状態)」が最大の荷重を負荷できる条件であることを確認する。
4. フックなどのつり具の自重は「つり上げ荷重」に含まれることを確認する。
5. これらの条件を全て満たしている選択肢を選ぶ。
問96
定格速度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 定格速度とは、つり上げ荷重に相当する荷をつって、つり上げ、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。
- 定格速度とは、荷をつらない状態で、つり上げ、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。(正解)
- 定格速度とは、定格総荷重に相当する荷をつって、つり上げ、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの最高の速度をいう。
- 定格速度とは、つり上げ荷重に相当する荷をつって、つり上げ、旋回などの作動を行う場合の、それぞれの平均の速度をいう。
解説
■【設問の意図】
定格速度の定義に関する正確な知識を問うものです。クレーンや移動式クレーンの性能を示す重要な指標の一つであり、安全な作業計画を立てる上で不可欠な基礎知識となります。
■【正解の理由】
設問の記述は、労働安全衛生規則や関連するクレーン等安全規則における定格速度の定義そのものです。定格速度は、クレーンが「つり上げ荷重に相当する荷」を扱っているときに発揮できる「最高の速度」を指します。これは、クレーンの各動作(つり上げ、旋回、走行、横行など)について個別に定められます。
■【初心者がここで迷う理由】
初心者は、「定格速度」という言葉から、単に「最高の速度」と捉えがちですが、その前提となる「つり上げ荷重に相当する荷をつっている状態」という条件を見落としやすいです。また、「定格総荷重」や「平均速度」といった類似の用語や概念との混同も起こりやすいポイントです。無負荷時や軽負荷時と、定格荷重時では速度が異なるため、正確な条件を理解していないと誤った選択をしてしまいます。
■【本番での判断フロー】
1. まず、「定格速度」という用語が問われていることを確認します。
2. 次に、選択肢の中に「つり上げ荷重に相当する荷をつって」という条件が含まれているかを確認します。無負荷や定格総荷重といった誤った条件が提示されていないか注意します。
3. さらに、「最高の速度」という表現が使われているかを確認します。平均速度や通常の速度といった表現は誤りです。
4. これらの条件をすべて満たす選択肢が正解となります。
問97
玉掛け用具に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 玉掛け用ワイヤロープの外れ止め装置は、フックブロックのシーブから玉掛け用ワイヤロープが外れるのを防止するための装置である。
- 玉掛け作業において、重心が偏った形状の荷をつり上げる作業では、ワイヤロープの配置によって一部に過大な荷重がかかるおそれがあるため、作業前につり角度等を再検討し、ワイヤロープを適切な位置に変更する。(正解)
- 荷に鋭利な角部がある場合、繊維スリングの損傷及び破断を防ぐため、繊維スリングと荷の間に当てものを挿入する措置を講じる。
- 荷の地切り前に繊維スリングに張力を掛けたところ、当該繊維スリングがねじれたままになっていた場合、繊維スリングの破断の危険があると判断し、ねじれを取り除いた上で使用する。
解説
■【設問の意図】
玉掛け用具の「外れ止め装置」の正しい機能と目的を理解しているかを問う問題です。特に、フックとワイヤロープ、シーブの関係性について正確な知識が求められます。
■【正解の理由】
選択肢1の記述は誤りです。玉掛け用ワイヤロープの外れ止め装置(安全ラッチ)は、フックに掛けられた玉掛け用具(スリング、シャックルなど)が、荷の揺れや張力の緩みなどによってフックから不意に外れることを防止するためのものです。フックブロックのシーブからワイヤロープが外れるのを防止する装置ではありません。シーブからワイヤロープが外れるのを防ぐのは、シーブガードやシーブの溝の形状などです。
■【初心者がここで迷う理由】
「外れ止め装置」という名称から、何かが外れるのを防ぐ装置であることは理解できますが、具体的に何が何から外れるのを防ぐのかという詳細な機能について、曖昧な知識のままだと迷いが生じます。特に、フックとシーブ、ワイヤロープの関係性を混同しやすく、「ワイヤロープが外れる」という表現に引きずられて誤った判断をしてしまう可能性があります。
■【本番での判断フロー】
1. 設問が「誤っているものはどれか」を問うていることを確認する。
2. 選択肢1の「外れ止め装置」の記述を読む。「フックブロックのシーブから玉掛け用ワイヤロープが外れるのを防止する」という部分に注目する。
3. 外れ止め装置の本来の機能(フックから荷が外れるのを防ぐ)を思い出す。
4. シーブからワイヤロープが外れるのは外れ止め装置の機能ではないと判断し、選択肢1が誤りであると特定する。
5. 他の選択肢(2, 3, 4)が玉掛け作業における一般的な安全対策として正しい記述であることを確認し、選択肢1が正解(誤っている記述)であると最終決定する。
問98
移動式クレーンの安全装置の作動の検査に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 過負荷防止装置の作動の検査は、定格荷重の110%の試験荷重をつり上げてジブを徐々に起こしていき、装置が作動したときのジブ傾斜角度からその精度を調べる。
- ジブ角度計の作動の検査は、ジブの傾斜角度を水準器付き角度計で測定し、そのときの角度計の指度の誤差を読み取り、精度を調べる。(正解)
- 巻過防止装置及び巻過ぎを防止するための警報装置の作動の検査は、装置の電源スイッチをONにし、フックその他のつり具が重錘に接触するまで巻き上げ、装置が作動したときの制限寸法が正常な範囲にあるかどうか、作動を3回以上行って調べる。
- 起伏制限装置の作動の検査は、ジブを当該移動式クレーンの最大ジブ傾斜角まで起こして、制限装置の作動に異常がないかどうかを調べる。
解説
■【設問の意図】
移動式クレーンの安全装置に関する検査方法の知識を問う。特に、過負荷防止装置の検査方法について正確に理解しているかを確認する。
■【正解の理由】
選択肢1が誤りである。移動式クレーンの過負荷防止装置の作動検査は、定格荷重の110%程度の試験荷重をつり上げ、その荷重で装置が確実に作動し、巻上げや起伏の動作が停止することを確認するものである。ジブの傾斜角度から精度を調べるという記述は、過負荷防止装置の検査方法としては不適切である。ジブ角度計の精度確認とは異なる。
選択肢2、3、4はそれぞれジブ角度計、巻過防止装置、起伏制限装置の検査方法として正しい記述である。
■【初心者がここで迷う理由】
移動式クレーンには様々な安全装置があり、それぞれの検査方法が細かく規定されているため、混同しやすい。特に、過負荷防止装置と定格荷重指示装置(ロードモーメントリミッター)の機能や検査方法の違いを正確に理解していないと、ジブ角度との関連性で迷う可能性がある。また、具体的な数値(110%)は正しいが、その後の検査目的(精度を調べる)が誤っているため、部分的に正しい情報に引きずられやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文で「誤っているものはどれか」を問われていることを確認する。
2. 各選択肢について、移動式クレーンの安全装置の検査方法として適切かどうかを判断する。
3. 選択肢1の「過負荷防止装置」の検査方法について、「定格荷重の110%」という数値は正しいが、「ジブ傾斜角度からその精度を調べる」という部分に注目する。過負荷防止装置は、設定された過負荷で動作停止することが目的であり、ジブ傾斜角度から精度を測るものではないことを思い出す。
4. 他の選択肢(ジブ角度計、巻過防止装置、起伏制限装置)の検査方法が、それぞれ正しい記述であることを確認する。
5. 選択肢1が誤りであると判断し、これを正解とする。
問99
移動式クレーンのジブ角度計の作動の検査に関する記述として、最も適切なものは次のうちどれか。
- ジブの傾斜角度を水準器付き角度計で測定し、そのときの角度計の指度の誤差を読み取り、精度を調べる。
- ジブを最大傾斜角まで起こし、角度計の指度が最大値を示していることを確認する。(正解)
- ジブを地面と水平になるまで下げ、角度計の指度が0度を示していることを確認する。
- ジブを複数回起伏させ、角度計の指度がスムーズに変化することを目視で確認する。
- ジブ角度計の内部回路にテスターを接続し、電気信号の異常の有無を調べる。
解説
■【設問の意図】
この設問は、移動式クレーンのジブ角度計が正確に機能しているかを確認するための具体的な検査方法に関する知識を問うものです。安全なクレーン作業には、ジブ角度の正確な把握が不可欠であるため、その検査手順を理解していることが重要となります。
■【正解の理由】
選択肢1が正解です。移動式クレーンのジブ角度計の精度を調べるためには、クレーンに備え付けられた角度計の指示値と、外部の信頼できる測定器(水準器付き角度計など)で実際に測定したジブの傾斜角度とを比較し、その誤差を確認することが最も適切かつ正確な方法です。これにより、角度計が示す値が実際の角度とどの程度ずれているかを定量的に評価できます。
■【初心者がここで迷う理由】
初心者は、ジブ角度計の検査と聞くと、単に「動くか」「表示されるか」といった機能的な確認に留まりがちです。例えば、最大値や最小値の表示確認(選択肢2、3)や、スムーズな動作確認(選択肢4)だけで十分だと誤解する可能性があります。また、電気的な異常の有無(選択肢5)と混同することもありますが、角度計の「精度」を問われているため、外部基準との比較が必須であるという点を見落としやすいです。
■【本番での判断フロー】
1. **問題文のキーワードを特定する:** 「ジブ角度計の作動の検査」「精度を調べる」が重要なキーワードです。
2. **「精度」の確認方法を考える:** 何かの精度を調べるには、その対象が示す値と、より信頼性の高い別の基準値とを比較する必要があります。
3. **各選択肢を評価する:**
* 選択肢1: 外部の「水準器付き角度計」で測定し、指示値との「誤差を読み取り、精度を調べる」とあり、これは精度の確認方法として最も合理的です。
* 選択肢2, 3: 最大値や0度の確認は、機能の一部確認にはなりますが、全範囲での「精度」を保証するものではありません。
* 選択肢4: スムーズな変化の確認は動作確認であり、精度の確認ではありません。
* 選択肢5: 電気信号の異常は電気系統の確認であり、角度測定の精度とは直接関係ありません。
4. **最も適切な選択肢を選ぶ:** 上記の評価から、選択肢1が最も適切な検査方法であると判断できます。
問100
移動式クレーンの巻過防止装置及び巻過ぎを防止するための警報装置の作動の検査に関する記述として、最も適切なものは次のうちどれか。
- 装置の電源スイッチをONにし、フックその他のつり具が重錘に接触するまで巻き上げ、装置が作動したときの制限寸法が正常な範囲にあるかどうか、作動を3回以上行って調べる。
- 装置の電源スイッチをONにし、定格荷重の110%の試験荷重をつり上げてジブを徐々に起こしていき、装置が作動したときのジブ傾斜角度からその精度を調べる。(正解)
- ジブの傾斜角度を水準器付き角度計で測定し、そのときの角度計の指度の誤差を読み取り、精度を調べる。
- ジブを当該移動式クレーンの最大ジブ傾斜角まで起こして、制限装置の作動に異常がないかどうかを調べる。
解説
■【設問の意図】
移動式クレーンの巻過防止装置及び巻過ぎを防止するための警報装置の検査方法に関する正確な知識を問うものです。特に、検査の手順、確認事項、および実施回数について理解しているかを確認します。
■【正解の理由】
選択肢1が正解です。巻過防止装置の検査は、装置の電源をONにした状態で、フックその他のつり具を重錘に接触するまで巻き上げ、装置が作動した際の制限寸法が正常範囲内にあること、そしてその作動を3回以上繰り返して確認することが正しい手順です。これにより、装置が適切に機能し、巻過ぎによる事故を防止できるかを確認します。
■【初心者がここで迷う理由】
移動式クレーンには巻過防止装置以外にも過負荷防止装置、ジブ角度計、起伏制限装置など様々な安全装置があり、それぞれの検査方法が類似しているため混同しやすい点が挙げられます。特に、試験荷重の有無や、ジブの傾斜角度の確認、作動回数など、細部の違いを正確に記憶することが難しいと感じるかもしれません。
■【本番での判断フロー】
1. 設問が「巻過防止装置及び巻過ぎを防止するための警報装置」の検査について問われていることを確認する。
2. 選択肢を一つずつ確認し、巻過防止装置の検査に特有の「フックその他のつり具が重錘に接触するまで巻き上げ」「制限寸法が正常な範囲にあるか」「作動を3回以上行う」といったキーワードが含まれているかを探す。
3. 他の選択肢が過負荷防止装置(試験荷重、ジブ傾斜角度)、ジブ角度計(水準器付き角度計)、起伏制限装置(最大ジブ傾斜角)など、別の安全装置の検査方法を記述していないかを確認し、誤りの選択肢を排除する。
4. 巻過防止装置の検査手順を正確に記述している選択肢を正解として選ぶ。