発破技士 第2回

問21

電気発破における結線後の全抵抗の実測値の許容範囲に関する記述として、法令および技術基準上、正しいものはどれか。

  1. 計算値の80〜120%(±20%)の範囲内とする。
  2. 計算値の90〜110%(±10%)の範囲内とする。これより小さい場合はリークや短絡が疑われる。
  3. 計算値の95〜105%(±5%)の範囲内とする。これより大きい場合は断線が疑われる。(正解)
  4. 計算値の70〜130%(±30%)の範囲内であればどのように変動しても問題ない。
  5. 実測値と計算値を一致させる必要はなく、導通さえ確認できれば抵抗値は問われない。

解説

■【設問の意図】 電気発破における結線後の全抵抗値の測定および、その許容範囲に関する正確な知識を問うています。 ■【正解の理由】 電気発破において、すべての雷管や母線を正しく結線した後の全抵抗の実測値は、事前の計算値に対して「90〜110%(±10%)」の範囲内に入るべきと規定されています。もし実測値がこの範囲より小さすぎる場合、回路の一部で漏えい(リーク)や短絡(ショート)が起きていることが強く疑われます。 ■【初心者がここで迷う理由】 初心者や実務未経験者は、「結線がうまくいけば抵抗値は多少ずれても発破できるだろう」と考えがちです。また、「±20%(選択肢1)」や「±5%(選択肢3)」などの類似した数値との混同も多く、正確な許容範囲である±10%を暗記していないと誤答しやすくなります。 ■【本番での判断フロー】 1. 「結線後の全抵抗の実測値」というキーワードを読み取る。 2. 許容範囲の割合が「90〜110%(±10%)」である選択肢を探す。 3. 数値が小さい場合に疑われる現象(リークや短絡)についての記述が正しいことを確認する。

問22

電気発破における抵抗測定や導通試験の実施場所に関する記述として、労働安全衛生法規上、正しいものはどれか。

  1. 火薬類の装填箇所から10m以上離れた安全な場所で行わなければならない。
  2. 火薬類の装填箇所から20m以上離れた安全な場所で行わなければならない。
  3. 火薬類の装填箇所から30m以上離れた安全な場所で行わなければならない。
  4. 火薬類の装填箇所から50m以上離れた安全な場所で行わなければならない。(正解)
  5. 火薬類の装填箇所から100m以上離れた安全な場所で行わなければならない。

解説

■【設問の意図】 電気発破作業における安全性確保のため、抵抗測定や導通試験を行う際に火薬類の装填箇所から確保すべき最小離隔距離についての知識を問うています。 ■【正解の理由】 電気発破の抵抗測定や導通試験は、試験器から流れる電流によって万が一の早期起爆や誤爆を防ぐため、火薬類の装填箇所から30m以上離れた安全な場所で行うことが法令および実務基準で定められています。したがって、選択肢3が正解となります(ただし、1mA以下の光電池式導通試験器を使用する場合等を除きます)。 ■【初心者がここで迷う理由】 発破技士の試験では、安全距離に関する数値として「10m」「20m」「30m」「50m」などの類似の数値が選択肢に並びやすいため、記憶が曖昧になりやすいポイントです。特に坑内や狭小地での作業をイメージすると、30mという距離が長く感じられ、誤って短い距離を選んでしまう初心者が続出します。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文から「電気発破」「抵抗測定・導通試験」「安全距離」というキーワードを抽出する。 2. 記憶している数値の中から、装填箇所からの離隔距離「30m」を思い出す。 3. 「30m以上離れた安全な場所」と合致する選択肢3を特定し、解答とする。

問23

電気発破の作業において、漏えい電流測定器の測定値が異常値を示す場合の基準値として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 0.01A を超える場合
  2. 0.1A または 1000mA を超える場合
  3. 1.0A を超える場合(正解)
  4. 10A を超える場合

解説

■【設問の意図】 電気発破における安全管理上の漏えい電流の許容限界値および異常値の判断基準を問う設問である。 ■【正解の理由】 電気発破では、 stray current(迷走電流・漏えい電流)が電気雷管に流れ込むことで、意図しない時期に早発や事故を引き起こす危険性がある。そのため、労働安全衛生規則等の法令および基準において、漏えい電流測定器の測定値が 0.1A(1000mA)を超える場合は、発破作業を行ってはならないなどの必要な対策を講じることとされている。したがって、「0.1A または 1000mA を超える場合」が正しい。 ■【初心者がここで迷う理由】 電気雷管の導通・抵抗検査で使用する微小電流試験器の制限値(0.01Aまたは0.1A以下)と、迷走電流の安全・異常限界値(0.1A / 1000mA)の数値が混同しやすい。また、単位の換算(AとmA)で桁を誤って記憶してしまう受験者が多い。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文のキーワード「漏えい電流測定器」「異常値」を確認する。 2. 選択肢の中から、迷走電流に関する規定値である「0.1A」または「1000mA」を探す。 3. 他の試験器の電流値(0.01Aなど)と混同しないよう注意し、該当する選択肢を正解とする。

問24

アンホ爆薬(硝安油剤爆薬)の圧縮空気装填に関する記述として、法令上または技術上の基準に照らし、誤っているものはどれか。

  1. 装填機の本体は、ステンレス製又はアルミニウム製のものを使用する。
  2. 静電気除去のため、装填機の接地は別途専用の接地を設ける。
  3. 親ダイは装填用ホースを使用して装填することができる。
  4. 装填用ホースには、鋼線入りホースや導電性ホースを使用する。(正解)

解説

■【設問の意図】 アンホ爆薬を圧縮空気により装填する際の、設備材質、接地、ホースの種類、および親ダイの取扱いに関する安全基準の理解度を問う。 ■【正解の理由】 選択肢3の「親ダイは装填用ホースを使用して装填することができる」という記述は誤りである。親ダイは装填用ホースを使用して装填してはならず、手作業や押し込み棒等を用いて安全に所定の位置に装填しなければならない。 ■【初心者がここで迷う理由】 アンホ爆薬を機械で効率よく装填する際、プライマー(親ダイ)も一緒に空気圧で送り込めないかと考えてしまいがちである。しかし、親ダイは起爆薬や敏感な爆薬を含んでおり、ホース内の摩擦や静電気などで暴発する危険性が極めて高いため、ホースを通した装填は厳禁とされている。 ■【本番での判断フロー】 1. アンホ爆薬の装填機本体は、分解を助長する鉄などを避けステンレスやアルミ製かを確認する(正しい)。 2. 接地は専用のものを設けるか確認する(鉄管や軌条と共用してはならないため正しい)。 3. 親ダイを装填用ホースで送る記述がないか探す(安全上の観点から「不可」であるため、ここが誤りと判断する)。 4. ホースに導電性や鋼線入りが使われているか確認する(静電気対策として正しい)。

問25

アンホ爆薬(硝安油剤爆薬)の圧縮空気装填における安全対策に関する記述として、法令上誤っているものはどれか。

  1. 装填機の本体は、ステンレス製又はアルミニウム製のものを使用し、分解を助長する鉄やすず、亜鉛などの材料は使用しない。
  2. 静電気除去のため、装填機の接地は軌条や鉄管など常設の電気接地系統を使用せず、別途アンホ専用の接地を設ける。
  3. 親ダイを装填用ホースを使用して装填してはならない。
  4. 4
  5. 静電気による火災・爆発事故を防止するため、装填作業中は帯電防止対策を徹底する必要がある。(正解)

解説

■【設問の意図】 アンホ爆薬の圧縮空気による圧送・装填作業における安全基準、特に装填機の材質、接地方法、使用可能なホースの要件に関する知識を問う。 ■【正解の理由】 選択肢4が誤りである。アンホ爆薬の装填用ホースには、静電気の蓄積を防ぐために「鋼線入りホース」や「導電性ホース」を使用しなければならず、一般の絶縁性を持つ塩ビ製やゴム製ホースを使用することは危険であり認められていない。 ■【初心者がここで迷う理由】 「ホースは何でもよいのではないか」と作業効率や利便性を考えてしまいがちである。しかし、アンホ爆薬を高速で空気圧送する際は強い静電気が発生するため、導電性や強度が確保された専用のホースを使用する法的・実務的ルールを見落としやすい。 ■【本番での判断フロー】 1. アンホ爆薬の圧縮空気装填に関するキーワード(ステンレス/アルミ製本体、専用接地、親ダイのホース装填禁止)を確認する。 2. ホースの材質について、「一般の塩ビやゴム」といった安易な代用品が許可されているか疑う。 3. 静電気対策として「鋼線入りホース」や「導電性ホース」が必須であるという規定を想起し、誤り(選択肢4)を特定する。

問26

アンホ爆薬(硝安油剤爆薬)の圧縮空気装填における作業上の注意に関する記述として、法令上誤っているものはどれか。

  1. 装填機の本体は、ステンレス製又はアルミニウム製のものを使用し、鉄やすず、亜鉛などの分解を助長する材料は使用しないこと。
  2. 静電気の発生・蓄積を除去するため、装填機の接地には軌条や鉄管など常設の電気接地系統を使用せず、別途専用の接地を設けること。
  3. 親ダイ(起爆薬入りの薬包)は、装填効率を上げるために装填用ホースを使用して孔内に圧送・装填してもよい。
  4. 装填用ホースには、鋼線入りホースや導電性ホースを使用すること。(正解)
  5. 静電気による爆発事故を防ぐため、帯電防止対策が施された専用の機器および資材を使用すること。

解説

■【設問の意図】 アンホ爆薬の圧縮空気装填(ニューマチックローダーによる装填)における設備材質、接地、および装填時の安全基準に関する正しい知識を問う。 ■【正解の理由】 選択肢3の記述は誤りである。親ダイ(起爆薬)は衝撃や摩擦に敏感であり、装填用ホースを使用して圧縮空気で圧送・装填してはならない。親ダイは手作業で安全に装填する必要がある。 ■【初心者がここで迷う理由】 アンホ爆薬の粒状薬はホースからスムーズに圧送できるため、起爆用である親ダイも一緒にホースから送り込めるのではないかと勘違いしやすい。しかし、親ダイには雷管や敏感な爆薬が含まれており、圧送時の摩擦や衝撃で誤爆する危険極まりないため禁止されている。 ■【本番での判断フロー】 1. アンホ爆薬の装填機材質はステンレスやアルミが原則(鉄・すず・亜鉛は不可)を確認。 2. 接地は専用のものを設け、既設の鉄管や軌条を利用しない点を確認。 3. 装填用ホースに鋼線入りや導電性が必要なことを確認。 4. 「親ダイをホースで装填してよい」という記述を見つけ、これが明確な禁止事項(誤り)であると判断して正解を導く。

問27

発破作業指揮者の職務として、労働者の安全確保に関して法令上定められている事項として正しいものはどれか。

  1. 労働者に対し退避場所及び退避経路をあらかじめ指示し、点火前に危険区域からの労働者の退避を確認すること。
  2. 点火直前の最終確認として自ら危険区域に残り、爆破の瞬間を監視すること。(正解)
  3. 退避区域の決定や退避の指示は、現場責任者ではなく個々の作業員に一任すること。
  4. 退避の確認を行わずに、発破母線の結線完了と同時に速やかに点火を行うこと。
  5. 点火後の安全確認は労働者に行わせ、指揮者自身は直接現場に立ち入らないこと。

解説

■【設問の意図】 発破作業指揮者に義務付けられている労働者の退避指示および退避確認に関する法的責任と実務上の安全管理能力を問う。 ■【正解の理由】 発破作業指揮者は、労働者に対して退避場所及び退避経路を指示し、点火前に必ず危険区域からすべての労働者が安全に退避したことを確認しなければならない。選択肢1はこの職務を正確に記述している。 ■【初心者がここで迷う理由】 「指揮者なのだから点火作業そのものをいかに効率よく行うかが最重要」と誤解しがちであり、作業員の安全確保(退避の徹底)という根本的な職務を見落としやすい。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文から「発破作業指揮者の職務」を特定する。 2. 安全管理の原則として、点火前の「退避場所・経路の指示」および「退避の確認」が必須事項であることを思い出す。 3. 指揮者自らが危険区域に残る記述や、確認を省略する記述のある選択肢をすべて除外する。

問28

発破作業指揮者の職務として法令上規定されている事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 労働者に対し、退避場所及び退避経路をあらかじめ指示すること。
  2. 点火前に、危険区域からすべての労働者が退避したことを確認すること。
  3. 発破後、不発の装薬又は残薬の有無について点検すること。
  4. 4
  5. 導火線発破を行う場合、点火場所や合図について労働者に指示すること。(正解)

解説

■【設問の意図】 発破作業指揮者が行うべき職務および労働安全衛生法規上のルールに関する正確な知識を問うています。 ■【正解の理由】 選択肢4の「点火の合図者を自ら兼務してはならない」という規定は法令に存在しません。導火線発破においては点火の合図者を定めることが求められますが、発破作業指揮者自身がその合図者を兼務することを禁止する規定はなく、誤りとなります。その他の選択肢(退避場所の指示、退避確認、残薬点検、合図の指示)はすべて発破作業指揮者の職務として正しく規定されています。 ■【初心者がここで迷う理由】 「指揮者なのだから安全管理に専念すべきであり、合図などを自分でやってはならないのではないか」という直感的な思い込みから、選択肢4を正しいと誤認しやすくなります。しかし、実際の規則では兼務に関する制限までは課されていない点に注意が必要です。 ■【本番での判断フロー】 1. 発破作業指揮者の職務として定められている項目を思い出す(退避確認、合図者選定、残薬点検など)。 2. 「~してはならない」という禁止規定がある場合、それが法規の条文通りの制限であるかを確認する。 3. 指揮者が合図者を兼務してはならないという法律上の義務はないため、ここが誤りであると判断する。

問29

火薬類に関する次の記述のうち、火薬の定義と用途に該当するものはどれか。

  1. 爆轟反応を利用して強烈な破壊力を得るものであり、ダイナマイトなどがこれに該当する。
  2. 推進的爆発の用途に用いられる燃焼・爆燃反応を示すものであり、黒色火薬などがこれに該当する。
  3. 火薬や爆薬を使用し、目的に適うよう加工した工業雷管や導火線などの総称である。(正解)
  4. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状の爆薬であり、耐水性を持たない。
  5. 硝安などを主剤とし5パーセント以上の水を含有する膠質・ゲル状の爆薬である。

解説

■【設問の意図】 火薬、爆薬、火工品それぞれの定義と用途の違いを正確に理解しているかを問う設問です。 ■【正解の理由】 火薬は、推進的爆発の用途に用いられる燃焼や爆燃反応を示すものであり、黒色火薬や無煙火薬などが該当します。したがって選択肢2が正解となります。 ■【初心者がここで迷う理由】 「火薬」という言葉は日常会話で爆発物全体の総称として広く使われがちなため、法令や試験における「火薬(燃焼・爆燃)」と「爆薬(爆轟)」の厳密な区別で混同しやすくなります。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文のキーワード「火薬の定義と用途」を確認する。 2. 選択肢から「推進的爆発」「燃焼・爆燃反応」「黒色火薬」といった火薬特有のキーワードを探す。 3. 選択肢1や4、5は「爆薬」の定義であり、選択肢3は「火工品」の定義であるため除外する。

問30

爆薬の種類や爆轟反応に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. アンホ爆薬は硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状爆薬であり、強力な耐水性を有する。
  2. 爆轟とは超音速で反応が伝ぱする現象であり、先行する衝撃波と化学変化を伴い、破壊力が大きい。
  3. 爆燃は音速を大きく超える超音速で反応が伝ぱする燃焼現象であり、ダイナマイトなどで一般的に見られる。(正解)
  4. 含水爆薬は硝安などを主剤とするが、水分含有量が5%未満の固形状爆薬として使用される。
  5. カーリットの主成分は過塩素酸塩基剤であり、その含有量は10%以下である。

解説

■【設問の意図】 発破技士試験において必須となる、爆薬の種類、主成分、および爆轟や爆燃といった爆発反応の基礎知識に関する理解度を問うものです。 ■【正解の理由】 選択肢2の記述は、爆轟(ばくごう)の定義そのものであり正しい記述です。爆轟は2,000〜8,000m/sの超音速で反応が伝ぱし、先行する衝撃波と化学変化を伴うため破壊力が大きくなります。 ■【初心者がここで迷う理由】 選択肢1のアンホ爆薬は硝安を主成分とするため乾燥状態では安定ですが「耐水性がない」点が特徴であり、水分に弱いという誤りに気づきにくい点です。また、選択肢3の爆燃は音速以下の伝ぱ速度であるため、「超音速」とする記述に惑わされやすくなります。 ■【本番での判断フロー】 1. 各爆薬の特性(アンホの耐水性なし、含水爆薬の水分含有量5%以上など)を確認する。 2. 爆燃と爆轟の速度の違い(爆燃は音速以下、爆轟は超音速)を思い出す。 3. 正確な定義を述べている選択肢2を正解として選ぶ。

問31

火工品の範囲と構成要素に関する記述のうち、法令及び実務上、適切なものはどれか。

  1. 火工品には工業雷管、電気雷管、導火線、導爆線などが含まれ、起爆薬や添装薬もその範囲に含まれる。
  2. 火工品は自らが燃焼または爆発して破壊力を発揮することを主目的とした火薬類であり、アンホ爆薬も火工品に分類される。(正解)
  3. 火工品に用いられる起爆薬の代表例として、硝酸アンモニウムやニトログリセリンが挙げられる。
  4. 電気雷管の添装薬には黒色火薬が広く使用され、ペンスリットなどの高爆薬は火工品には使用されない。
  5. 火工品は火薬や爆薬とは異なり、火薬類取締法上の規制対象外の製品として取り扱われる。

解説

■【設問の意図】 火薬、爆薬、火工品の定義およびそれぞれの構成要素に関する正確な知識を問うています。 ■【正解の理由】 選択肢1が適切です。火工品とは火薬や爆薬を使用し、その目的に適うよう加工されたものを指し、工業雷管、電気雷管、導火線、導爆線などが該当します。また、これらに使われる起爆薬(アジ化鉛やDDNPなど)や添装薬(ペンスリットやテトリルなど)も火工品の範疇に含まれます。 ■【初心者がここで迷う理由】 アンホ爆薬などの主力の爆薬と火工品の区別があいまいになりやすく、火薬類全体の総称と個別の加工品(雷管等)の定義を混同することがあります。 ■【本番での判断フロー】 火工品=雷管や導火線などの加工品であり、アジ化鉛やペンスリットなどの起爆薬・添装薬を含んで構成されている点を想起し、他の誤った分類(爆薬の混同や規制対象外といった記述)を排除して正解を導きます。

問32

アンホ爆薬(硝安油剤爆薬)の特性に関する記述として、法令および一般知識上、正しいものはどれか。

  1. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状爆薬であり、強力な耐水性を有する。
  2. 爆速は約3,000m/sであり、雷管の単独使用によって確実に起爆することができる。
  3. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状爆薬であり、耐水性はない。
  4. 含水爆薬の一種であり、5%以上の水分を含有する膠質・ゲル状の爆薬である。(正解)
  5. 過塩素酸塩基剤を主成分とし、専用の起爆方法を用いなくても自燃しやすい。

解説

■【設問の意図】 発破技士試験において必須となる「アンホ爆薬(硝安油剤爆薬)」の成分、物理的特性(爆速)、および水に対する耐性に関する正確な知識を問う。 ■【正解の理由】 アンホ爆薬は硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状の爆薬である。主成分である硝酸アンモニウムが水に極めて溶けやすい性質を持つため、アンホ爆薬自体には耐水性が全くない。したがって選択肢3が正しい。爆速は約3,000m/sであり、雷管の単独では起爆せず、親ダイ(ダイナマイトなどの高安爆薬)を必要とする。 ■【初心者がここで迷う理由】 「含水爆薬(スラリー爆薬やエマルション爆薬)」の特性と混同しやすい。含水爆薬は高い耐水性を持つが、アンホ爆薬は耐水性がない点を区別する必要がある。また、雷管単独で起爆できると思い込む誤りも多い。 ■【本番での判断フロー】 1. アンホ爆薬のキーワードを確認する(主成分:硝酸アンモニウム+油剤、粒状)。 2. 耐水性の有無を思い浮かべる(水に溶けるため「耐水性なし」)。 3. 起爆性を確認する(雷管単独では起爆しない)。 4. 該当する記述を選ぶ。

問33

含水爆薬(スラリー爆薬・エマルション爆薬)の特性に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 硝安などを主剤とし5%以上の水を含有する膠質・ゲル状爆薬であり、高い耐水性を持つ。
  2. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状爆薬であり、雷管単独で起爆する。(正解)
  3. 過塩素酸塩を基剤とし、爆速が1,000m/s以下の低速爆薬である。
  4. 硝酸カリウム、硫黄、木炭の混合物であり、主に工業雷管の起爆薬に使用される。
  5. 水を含有しているため耐水性が全くなく、湿潤孔での使用が禁止されている。

解説

■【設問の意図】 発破技士試験において必須となる含水爆薬(スラリー爆薬・エマルション爆薬)の定義、主成分、耐水性、起爆性に関する正確な知識を問うことを意図しています。 ■【正解の理由】 選択肢1の記述は、含水爆薬の一般的な定義(硝安等を主剤とし5%以上の水を含み、膠質・ゲル状で、爆速4,000〜6,000m/s、高い耐水性を持ち、雷管で起爆する)と完全に一致しており正しい記述です。選択肢2はアンホ爆薬の説明、選択肢3はカーリット等の説明、選択肢4は黒色火薬の説明、選択肢5は含水爆薬の耐水性の特徴に矛盾するため誤りです。 ■【初心者がここで迷う理由】 「含水」という言葉から、水を含んでいるために爆発しないのではないか、あるいは耐水性がないのではないかと誤解しやすいためです。実際には水分を含みながらもゲル状構造等により高い耐水性を保持し、強力な爆薬として機能します。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文から「含水爆薬」のキーワードを確認する。 2. 含水爆薬の最大の特徴である「水を含むが耐水性が高い」「雷管で起爆する」という性質を思い出す。 3. 各選択肢を比較し、その性質に合致する選択肢1を選択する。

問34

カーリットに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状爆薬である。
  2. 過塩素酸塩を基剤とし、その含有量が10%を超える爆薬である。
  3. 硝酸カリウム、硫黄、木炭を主成分とする火薬である。(正解)
  4. 5%以上の水を含有する膠質・ゲル状の爆薬である。
  5. アジ化鉛を主成分とする起爆薬である。

解説

■【設問の意図】 発破技士試験において、各種爆薬の成分や分類を正確に理解しているかを問う設問です。 ■【正解の理由】 カーリットは、過塩素酸塩(主に過塩素酸ナトリウムや過塩素酸カリウム)を基剤とする爆薬であり、その含有量が10%を超えるものがカーリットに該当します。したがって、選択肢2が正解となります。 ■【初心者がここで迷う理由】 選択肢1はアンホ爆薬(硝安油剤爆薬)、選択肢3は黒色火薬、選択肢4は含水爆薬の特徴をそれぞれ示しており、名称と成分の組み合わせで混乱しやすいため注意が必要です。 ■【本番での判断フロー】 1. 「カーリット」というキーワードを確認する。 2. カーリットの最大の特徴である「過塩素酸塩基剤」「含有量10%超」が含まれている選択肢を探す。 3. 該当する選択肢2を正解として選ぶ。

問35

黒色火薬に関する記述として、法令および火薬学上、正しいものはどれか。

  1. 硝酸カリウム、硫黄、木炭の混合物であり、導火線の心薬等に用いられる。
  2. 主成分として過塩素酸塩基剤を10%超含有する爆薬である。(正解)
  3. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とする粒状爆薬で、優れた耐水性を持つ。
  4. 5%以上の水を含有する膠質・ゲル状の爆薬であり、雷管で直接起爆する。
  5. 超音速の爆轟反応を利用する高威力爆薬の一種であり、主にトンネル掘進で使用される。

解説

■【設問の意図】 発破技士試験において、代表的な火薬・爆薬の成分および用途を正確に区別して理解しているかを問う設問です。 ■【正解の理由】 黒色火薬は、硝酸カリウム、硫黄、木炭の混合物であり、燃焼的な爆発(爆燃反応)を起こす火薬に分類されます。その性質から、工業雷管や導火線の心薬等に広く用いられています。したがって選択肢1が正解です。 ■【初心者がここで迷う理由】 選択肢2は「カーリット」、選択肢3は「アンホ爆薬(硝安油剤爆薬)」、選択肢4は「含水爆薬」の特徴であり、それぞれの成分や用途の知識が混同しやすいため迷う原因となります。 ■【本番での判断フロー】 1. 「黒色火薬」というキーワードから、硝酸カリウム・硫黄・木炭の組み合わせを想起する。 2. 他の選択肢(カーリット、アンホ爆薬、含水爆薬など)の定義と消去法で照らし合わせる。 3. 導火線の心薬等に用いられるという記述が一致することを確認し、選択肢1を選ぶ。

問36

爆薬の爆轟と爆燃に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 爆轟の伝ぱ速度は音速以下であり、燃焼熱が隣接部分を加熱して進行する。
  2. 爆燃は超音速で反応が伝ぱする現象であり、先行する衝撃波を伴う。
  3. 爆轟は超音速で反応が伝ぱする現象であり、非常に大きな破壊力を有する。
  4. 爆燃の伝ぱ速度は2,000〜8,000m/sの範囲であり、強い破壊力を示す。(正解)
  5. 爆轟は音速以下の伝ぱ速度で進行し、推進的爆発の用途に用いられる。

解説

■【設問の意図】 発破技士として必須の基礎知識である「爆轟」と「爆燃」の物理的性質や伝ぱ速度の違いを正しく理解しているかを問う設問です。 ■【正解の理由】 選択肢3が正解です。爆轟(ばくごう)は超音速(一般に2,000〜8,000m/s)で化学変化と先行する衝撃波を伴って反応が伝ぱする現象であり、非常に大きな破壊力を生み出します。一方、爆燃は音速以下の速度で燃焼熱が隣接部分を加熱しながら急速に進行する現象です。 ■【初心者がここで迷う理由】 「爆轟」と「爆燃」の用語は似ており、どちらが高速でどちらが低速(音速以下)なのかを混同しやすいためです。特に、推進的爆発(火薬)と破壊的爆発(爆薬)の用途と結びつけて記憶していないと誤答しやすくなります。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文のキーワード「爆轟」または「爆燃」を確認する。 2. 「爆轟=超音速・衝撃波・大破壊力・爆薬」の組み合わせを想起する。 3. 「爆燃=音速以下・燃焼熱・推進的爆発・火薬」の組み合わせを想起する。 4. 選択肢の中で上記の関係性と合致するものを正解として選択する。

問37

発破作業における殉爆現象に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 一つの爆薬の爆轟の衝撃力によって、隣接する他の爆薬が感応して爆轟を起こす現象をいう。
  2. 爆薬が燃焼熱によって隣接部分を加熱し、音速以下の伝ぱ速度で急速に反応が進む現象をいう。(正解)
  3. 超音速で化学変化と先行する衝撃波を伴いながら、一気に反応が伝ぱする破壊力の大きい現象をいう。
  4. 硝酸アンモニウムと油剤を主成分とし、雷管単独では起爆しない粒状爆薬の性質をいう。
  5. 酸素バランスがプラス側に偏った際に、眼や鼻などの呼吸器官を強く刺激する有毒ガスが発生する現象をいう。

解説

■【設問の意図】 火薬類に関する専門用語である「殉爆」の正しい定義とメカニズムを理解しているかを問う設問です。 ■【正解の理由】 殉爆とは、一つの爆薬が爆轟を起こした際に、その強力な衝撃波が伝わり、近接して置かれた別の爆薬が誘発されて同様に爆轟を起こす現象を指します(選択肢1が適切)。選択肢2は「爆燃」の説明であり、選択肢3は「爆轟」自体の説明です。選択肢4はアンホ爆薬の特性、選択肢5は二酸化窒素などの有害ガス発生原因に関する説明であり、いずれも殉爆の定義ではありません。 ■【初心者がここで迷う理由】 「爆轟」や「爆燃」、「殉爆」といった似たような専門用語が多く登場するため、それぞれの用語が示す現象(燃焼なのか、衝撃波による誘発なのか)を混同しやすくなります。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文のキーワード「殉爆」を確認する。 2. 「殉爆」の字面から、「ある爆発が他に順次及ぶ(誘発される)」現象を連想する。 3. 「一つの爆薬の爆轟による衝撃力で他の爆薬が感応して爆轟を起こす」と一致する選択肢を選ぶ。

問38

発破作業において発生する後ガスのうち、一酸化炭素(CO)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 一酸化炭素は黄褐色または赤褐色の気体で、眼や呼吸器官を強く刺激する毒性がある。
  2. 酸素バランスがプラス側に偏ったときに急激に発生しやすくなる。
  3. 頭痛やめまい、重篤な場合は死に至る中毒を引き起こします。
  4. 爆薬が完全に理想的な完全燃焼を起こしたときに最も多く発生する。(正解)
  5. 燃焼速度が超音速に達することで生じる衝撃波を伴って発生する。

解説

■【設問の意図】 発破作業に伴い発生する有害な後ガスのうち、一酸化炭素(CO)の物理的・化学的性質、および発生原因に関する正確な知識を問うことを意図しています。 ■【正解の理由】 一酸化炭素(CO)は、無色・無臭の気体です。人体に吸い込まれると、血液中のヘモグロビンと非常に強く結びつき、全身への酸素供給を阻害するため、頭痛やめまい、重篤な場合は死に至る中毒を引き起こします。したがって選択肢3が正しい記述となります。 ■【初心者がここで迷う理由】 選択肢1の「黄褐色・赤褐色で刺激臭がある」という記述は、一酸化炭素ではなく二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物の特徴です。また、選択肢2の「酸素バランスがプラス側に偏る」と一酸化炭素が増えるという誤認や、「酸素バランスがマイナスのときに二酸化窒素が増える」といったガスごとの発生条件の混同が生じやすいため、注意が必要です。 ■【本番での判断フロー】 1. 「一酸化炭素(CO)」というキーワードを確認する。 2. 選択肢の中で「無色・無臭」かつ「ヘモグロビンとの結合(酸素運搬阻害)」に言及しているものを探す。 3. 色や刺激臭、酸素バランスのプラスマイナスが逆になっていないかを精査し、該当する選択肢3を選択する。

問39

発破作業において発生する後ガス(有毒ガス)のうち、酸素バランスがプラス側に偏ることで急増するガスとして、正しいものはどれか。

  1. 一酸化炭素(CO)
  2. 二酸化窒素(NO2)及び一酸化窒素(NO)
  3. メタンガス(CH4)(正解)
  4. 硫化水素(H2S)

解説

■【設問の意図】 発破後に発生する有害な後ガスの種類と、それらが生成される原因となる爆薬の酸素バランスの関係を正しく理解しているかを問う設問です。 ■【正解の理由】 爆薬の酸素バランスがプラス側に偏る(酸素が過剰な状態)と、燃焼・爆轟時に窒素酸化物である二酸化窒素(NO2)や一酸化窒素(NO)が急増します。これらは眼・鼻・呼吸器官を強く刺激する極めて毒性の強いガスです。したがって選択肢2が正解となります。なお、一酸化炭素(CO)は酸素バランスがマイナスのときに発生しやすくなります。 ■【初心者がここで迷う理由】 有毒ガスといえば一酸化炭素(CO)の印象が強いため、すべての有毒ガスが一酸化炭素と同様のメカニズム(酸素不足・マイナス側)で発生すると勘違いしやすくなります。酸素バランスのプラスとマイナスで発生するガスが異なる点を混同しないよう整理が必要です。 ■【本番での判断フロー】 1. 問題文のキーワード「酸素バランスがプラス側に偏る」を確認する。 2. プラス側=酸素過剰=窒素酸化物(二酸化窒素・一酸化窒素)の発生と結びつける。 3. マイナス側=酸素不足=一酸化炭素(CO)の発生と区別し、該当する選択肢を選ぶ。

問40

火薬庫内における火薬類の積載方法に関する記述として、法令上、正しいものはどれか。

  1. 火薬類は、内壁から15cm以上離して積載しなければならない。
  2. 火薬類は、内壁から30cm以上離して積載しなければならない。(正解)
  3. 火薬類は、内壁に直接接するように積み重ねなければならない。
  4. ファイバ板箱や段ボール箱は、枕木を使用せずに直接床面に平積みしなければならない。
  5. 火薬庫内の積載にあたっては、内壁との距離に関する規定はない。

解説

■【設問の意図】 発破技士として必須の知識である火薬庫内の保管・積載ルール、特に壁面からの離隔距離に関する正確な数値の把握を問うています。 ■【正解の理由】 火薬庫の保安上の基準として、火薬類を庫内に積載する際は、湿気や換気の保持、安全確保の観点から内壁から15cm以上離して保管することが定められています。したがって選択肢1が正解です。 ■【初心者がここで迷う理由】 「15cm」という具体的な数値を正確に覚えていないと、30cmなどの他の数値や「接していてもよい」といった曖昧な選択肢に惑わされやすくなります。 ■【本番での判断フロー】 火薬庫の保管ルールに関する問題では、「内壁から15cm以上離す」という数値を瞬時に思い出せるかが鍵となります。ファイバ板箱や段ボール箱等の平積み時の枕木使用とセットで記憶していることで確実に正解を導き出せます。