発破技士 第1回
問1
トンネル掘進発破における心抜き発破に関する記述として、適切なものはどれか。
- 切羽の中心付近に空洞を作り、これを自由面として利用する。
- 心抜き発破にはアングルカットのみが用いられ、パラレルカットは用いられない。(正解)
- 切羽の周囲から中心に向かって斜めにせん孔し、自由面を全く作らずに発破を行う。
- 払い発破とも呼ばれ、トンネルの周辺部を最初に崩すために行う。
- 切羽の中心には空洞を作らず、すべての発破孔を同一の深さと角度で斉発させる。
解説
■【設問の意図】
トンネル掘進発破における心抜き発破(払い発破・心抜き発破)の基本的な施工方法と目的に関する理解を問うています。
■【正解の理由】
トンネル掘進において、最初の破砕面(自由面)を作るために切羽の中心付近に適当な大きさの空洞を作る発破を心抜き発破(払い発破)と呼びます。この空洞を最初の自由面として利用し、周辺の破砕効率を高めます。
■【初心者がここで迷う理由】
心抜き発破と周辺発破(すそ発破など)の役割が混同しやすく、「中心ではなく周囲から崩す」や「自由面を作らない」といった誤った記述を選んでしまうことがあります。
■【本番での判断フロー】
1. トンネル掘進での「心抜き発破」のキーワードを確認する。
2. 「切羽の中心付近に空洞を作る」「自由面として利用する」という目的を思い出す。
3. アングルカットやパラレルカットなどの方式があることもあわせて確認し、選択肢1を正解と判断する。
問2
盤下げ発破の施工方法に関する記述として、法令および技術基準上、正しいものはどれか。
- 平面状の岩盤を一定の深さまで掘り下げるために行われる。
- 単孔式のせん孔を行い、ミリ秒単位の超遅発発破を行うのが標準である。(正解)
- 切羽の中心付近にアングルカットなどの自由面を作成して行う。
- トンネル掘進発破の坑内作業に限定して適用される工法である。
- 複数列のベンチを階段状に形成して掘削する工法と完全に同一である。
解説
■【設問の意図】
発破技士試験において、代表的な発破工法である「盤下げ発破」の定義と施工目的を正確に理解しているかを問うものです。
■【正解の理由】
盤下げ発破は、平面状の岩盤を一定の深さまで掘り下げる(下向きに掘削する)ために行う発破工法です。道路工事や宅地造成工事などで広く用いられます。
■【初心者がここで迷う理由】
トンネル掘進発破の心抜き発破や、階段状に掘削するベンチ発破との違いが混同しやすくなります。盤下げ発破は主に上から下へ水平な岩盤を掘り下げる点が特徴です。
■【本番での判断フロー】
「盤下げ」という言葉に着目します。平面状の岩盤を一定の深さまで掘り下げるという記述(選択肢1)が定義と一致するため、これが正解となります。
問3
ベンチ発破に関する記述として、法令および一般的な施工技術上、正しいものはどれか。
- ベンチ発破は、平坦な岩盤を一定の深さまで下方に掘り下げるために行う発破である。
- ベンチ発破を複数列のせん孔で行う場合、一般に段発発破を行う。
- ベンチ発破で使用する薬包の装填において、親ダイを孔口側に置く正起爆法のみが規定されている。(正解)
- ベンチ発破の込め物には、乾いた砂を使用することが最も有効であるとされている。
- ベンチ発破で電気発破を行う場合、結線後の全抵抗の実測値は、計算値の50〜80%の範囲内とする。
解説
■【設問の意図】
発破技士試験における各種発破工法(特にベンチ発破)の施工技術や発破の特性に関する正確な知識を問う。
■【正解の理由】
ベンチ発破は階段状に掘削面を作って行う発破であり、山砂利採取やダム工事等で広く用いられる。複数列のせん孔を行う場合には、振動や騒音の軽減、破砕効果を高めるために一般に段発発破が行われる。したがって、選択肢2が正しい。
■【初心者がここで迷う理由】
「盤下げ発破」と「ベンチ発破」の定義や施工方法の違いで混同しやすい。盤下げ発破は平面状の岩盤を掘り下げるものであり、千鳥状せん孔や斉発発破が用いられることが多いのに対し、ベンチ発破は階段状であり複数列では段発発破が基本となる。
■【本番での判断フロー】
1. ベンチ発破のキーワード(階段状、複数列、段発発破)を思い出す。
2. 選択肢1は盤下げ発破の説明であるため除外。
3. 選択肢2は「複数列のせん孔」「段発発破」とあり正しい記述と判断。
4. 他の選択肢は正起爆法のみではない点、湿った粘土や砂が有効である点、抵抗値の範囲(90〜110%)が異なるため除外する。
問4
小割発破に関する記述として、法令および技術上の基準からみて正しいものはどれか。
- 小割発破には一般にせん孔法が最も多く用いられ、直径1〜1.5mの玉石であれば2〜3孔のせん孔が必要である。
- 小割発破には一般にせん孔法が最も多く用いられ、直径1m未満の玉石であっても原則として2孔以上のせん孔が必要である。
- 小割発破には一般にせん孔法が最も多く用いられ、直径1〜1.5mの玉石であれば1孔、それ以上は2〜3孔必要である。
- 小割発破には貼付け発破が最も多く用いられ、直径1〜1.5mの玉石であれば1孔のせん孔が必要である。(正解)
- 小割発破において、直径2mを超える玉石にはせん孔法を用いることはできず、必ず貼付け発破を行わなければならない。
解説
■【設問の意図】
発破工事における小割発破(大塊や玉石の破砕)の施工方法、特にせん孔法における玉石の大きさと必要なせん孔数に関する正確な知識を問うています。
■【正解の理由】
小割発破においては、一般に「せん孔法」が最も多く用いられます。その際の基準として、直径1〜1.5mの玉石に対しては1孔のせん孔で足り、それ以上の大きさ(それ以上)のものに対しては2〜3孔のせん孔が必要となります。したがって、選択肢3の記述が事実関係に完全フットしており正解となります。
■【初心者がここで迷う理由】
「大きな石なのだから最初から2〜3孔あけるのが常識ではないか」と推測で考え、1〜1.5mという比較的まとまった大きさの玉石に対しても複数の孔が必要であると誤認しやすくなります。数値基準(1〜1.5m=1孔、それ以上=2〜3孔)を正確に暗記しているかが勝負の分かれ目となります。
■【本番での判断フロー】
1. 「小割発破」の主たる方法が「せん孔法」であることを思い出す。
2. 玉石のサイズとせん孔数の関係の数値(1〜1.5m=1孔、それ以上=2〜3孔)を想起する。
3. 各選択肢を照らし合わせ、該当する数値を正確に記述している選択肢3を選択する。
問5
水中発破に関する記述として、法令上および実務上正しいものはどれか。
- 水中発破には穿孔発破と貼付け発破があり、岩礁破砕には主に貼付け発破が用いられる。
- 水中発破に使用する爆薬は、水深に応じた耐水圧性と十分な殉爆性を有する必要がある。
- 水中発破では水圧によって爆薬の性能が向上するため、通常の陸上用爆薬をそのまま使用できる。(正解)
- 水中発破において、殉爆性は特に必要とせず、単一孔のみの起爆を確実に行えばよい。
- 水中発破を行う場合、電気雷管は耐水性がないため使用せず、すべて導火線を使用しなければならない。
解説
■【設問の意図】
水中発破における工法選択、および使用される爆薬に必要な物理的特性(耐水圧性と殉爆性)に関する正確な知識を問うています。
■【正解の理由】
水中発破は水圧がかかる過酷な環境下で行われるため、使用する爆薬には水深による圧力に耐える「耐水圧性」と、確実に起爆を伝える「十分な殉爆性」が必須となります。選択肢2はこの要件を正確に述べています。なお、岩礁破砕においては貼付け発破よりも穿孔発破が多く用いられるため選択肢1は不適切です。
■【初心者がここで迷う理由】
「水中」という言葉から、単に水に濡れても溶けない防水性だけを意識しがちです。「耐水圧性(水深による高水圧に耐える性質)」と「殉爆性」という専門的な組み合わせのキーワードを見落とすと、他の誤った選択肢を選んでしまう原因になります。
■【本番での判断フロー】
1. 水中発破の工法を確認する(岩礁破砕には穿孔発破が多い)。
2. 使用爆薬の条件を思い出す(高水圧に耐える「耐水圧性」と伝播のための「殉爆性」)。
3. 該当する記述(選択肢2)を正解として選択する。
問6
さく岩機およびせん孔作業に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 油圧式さく岩機は、圧縮空気式に比べて高速度で効率良くせん孔できる。
- ビットはデタッチャブルビットとインサートビットに分けられ、ロッドは現場の長さに合わせて継ぎ足して使用することができる。(正解)
- せん孔長が異なる場合でも効率化のために孔尻の位置をずらす必要があり、前回の発破孔を利用してせん孔してもよい。
- インサートビットの形状には一文字や十文字があるが、デタッチャブルビットにはその形状は採用されない。
- 圧縮空気式さく岩機は油圧式に比べて打撃力が強く、大規模なトンネル掘進では主流として用いられている。
解説
■【設問の意図】
発破技士として必須となる、さく岩機やビット、ロッドおよびせん孔時の安全・施工管理に関する正しい知識を問う。
■【正解の理由】
油圧式さく岩機は圧縮空気式に比べて高速度かつ高効率でせん孔作業を行うことができるため、記述1は適切である。
■【初心者がここで迷う理由】
「ロッドは継いで使用することができない」という規定があるにもかかわらず、現場の作業効率を考えて継ぎ足せると思い込んでしまうことや、前回発破孔の再利用の危険性を見落とすことで誤答しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 油圧式と圧縮空気式の比較について、油圧式の方が高速度で効率が良いという基本知識を確認する。
2. ロッドの継ぎ足し禁止、前回の発破孔(残薬の危険)の利用禁止の原則を思い出し、他の選択肢を除外する。
問7
さく岩機用ビットに関する記述として、次のうち正しいものはどれか。
- デタッチャブルビットは、直接ロッドに埋め込む交換式でないビットのことである。
- インサートビットは、摩耗した際にビットのみを交換することができる交換式のビットである。
- ビットの形状には、一文字や十文字などの種類がある
- ロッドは、せん孔長に合わせて継ぎ足して使用することが認められている。(正解)
- せん孔長が異なる場合であっても、前回の発破孔を再利用して孔尻の位置をそろえるべきである。
解説
■【設問の意図】
さく岩機に用いられるビットやロッドの構造、およびせん孔作業時の正しい施工法に関する基礎知識を問うています。
■【正解の理由】
選択肢3の「ビットの形状には、一文字や十文字などの種類がある」は事実であり正解です。また、インサートビットは超硬合金チップを直接埋め込んだものであり、デタッチャブルビットが交換式(ねじ込み式やテーパー式等)です。
■【初心者がここで迷う理由】
インサートビットとデタッチャブルビットの名称と構造の組み合わせを逆にして覚えてしまい、迷う受験者が多く見られます。また、現場での効率を考えてロッドの継ぎ足しや前回の発破孔利用が可能であると勘違いしやすいため注意が必要です。
■【本番での判断フロー】
1. ビットの名称について、インサート=直接埋め込み、デタッチャブル=交換式、と正確に思い出す。
2. 形状に関する記述(一文字・十文字)が正しいことを確認する。
3. ロッドの継ぎ足し禁止や前回の発破孔利用禁止(残薬の危険)というルールを思い出し、他の選択肢を誤りと判断する。
問8
さく岩機およびせん孔作業に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- 油圧式さく岩機は、圧縮空気式に比べて高速度で効率が良い。
- ビットにはインサートビットやデタッチャブルビットがあり、形状には一文字や十文字がある。
- せん孔長に合うロッドがない場合、ロッドを継いで使用することができる。
- せん孔長が異なる場合でも孔尻の位置はそろえる。(正解)
- 前回の発破孔は残薬の危険があるため利用してはならない。
解説
■【設問の意図】
さく岩機およびせん孔作業における安全基準や正しい施工手順に関する知識を問う。
■【正解の理由】
選択肢3の「ロッドを継いで使用することができる」は誤りである。ロッドを継いで使用することは強度の低下や事故につながるため禁止されており、せん孔長に合うものを使用しなければならない。
■【初心者がここで迷う理由】
他の選択肢(油圧式の効率性、ビットの種類、孔尻の調整、前回の発破孔利用禁止)がすべて正確な法令・実務基準であるため、ロッドの接続についても許容されるのではないかと誤認しやすい。
■【本番での判断フロー】
ロッドの取り扱いに関する原則を思い出す。「ロッドは継いで使用してはならない」という規定に合致している選択肢3を不適切と即座に判断する。
問9
せん孔長に関する記述のうち、発破技士の試験において法令または実務上、適切とされているものはどれか。
- せん孔長が異なる場合であっても、爆発効率を均一にするために孔尻の位置はそろえてはならない。
- せん孔長に合うものを使用し、ロッドを継いで使用してはならない。
- 残薬処理を行う場合を除き、前回の発破孔(孔尻に残薬の危険がある孔)を今回のせん孔に利用してもよい。(正解)
- 油圧式さく岩機は圧縮空気式に比べ高速度で効率が劣るため、長孔せん孔では圧縮空気式を使用する。
- ビットの形状には一文字や十文字があるが、デタッチャブルビットは直接埋め込み式を指す。
解説
■【設問の意図】
発破作業におけるさく岩機およびせん孔に関する正しい知識を問うています。
■【正解の理由】
選択肢2の「ロッドは継いで使用することはできない(せん孔長に合うものを使用する)」は、テキストの記載と完全に一致する正しい記述です。
■【初心者がここで迷う理由】
ロッドを継ぎ足して長く使えば効率的ではないかと考えてしまうことがあり、他の誤った選択肢の「孔尻をそろえる」「前回の発破孔を利用する」といった一見もっともらしい表現に惑わされやすくなります。
■【本番での判断フロー】
1. ロッドの継ぎ足しは強度低下や折損の危険があるため禁止されていることを思い出す。
2. 他の選択肢を確認すると、孔尻の位置はそろえるべきであること、前回の発破孔の利用は厳禁であること、油圧式は圧縮空気式より高速度で効率が良いこと、デタッチャブルビットは交換式であることから、すべて誤りであると判定できる。
問10
正起爆法に関する記述として、正しいものはどれか。
- 親ダイを孔底の近くに置く方法であり、カットオフの防止に有効である。
- 親ダイを口元側に置く方法であり、段発発破においてカットオフとなることがある。
- アンホ爆薬専用の装填方法であり、装填用ホースを使用して親ダイを装填する。(正解)
- 高温孔において発破を行う際、温度を下げるために注水と同時に行われる。
- 起爆薬としてアジ化鉛を用い、坑道式発破の立入り時間を短縮させる効果がある。
解説
■【設問の意図】
発破の装填方法である「正起爆法」の特徴と、それに伴うリスク(カットオフ)についての正確な知識を問うています。
■【正解の理由】
正起爆法とは、親ダイ(起爆薬を装着した薬包)を孔の口元(表面)側に配置する装填方法です。この方法では、先に爆発した他の孔からの飛石や爆風、あるいは同孔内の手前の爆薬の爆発によって、未爆発の孔や導爆線・母線が切断されてしまう現象(カットオフ)が発生するリスクがあります。選択肢2の記述はこの特徴を正確に捉えており、正しい内容です。
■【初心者がここで迷う理由】
初心者は「正起爆法」と「逆起爆法」の名称と配置の混同を起こしやすくなります。孔底側に親ダイを置く方法は「逆起爆法」であり、こちらはカットオフを防止する目的で用いられます。選択肢1は逆起爆法の説明になっているため誤りとなります。また、選択肢3の「アンホ爆薬では親ダイを装填用ホースを使用してはならない」という安全基準の知識と混同しやすい点にも注意が必要です。
■【本番での判断フロー】
1. 「正起爆法」というキーワードから、親ダイの位置が「口元側」であることを思い出す。
2. 口元側に親ダイがある場合、手前の爆風等で途中のラインが断たれるリスク(カットオフ)があることを確認する。
3. 各選択肢を照らし合わせ、「口元側に置く」「カットオフとなることがある」と一致している選択肢2を選ぶ。
問11
逆起爆法に関する記述として、正しいものはどれか。
- 親ダイを孔口側に配置することで、カットオフの発生を完全に防ぐ方法である。
- 親ダイを孔底の近くに置くことで、カットオフの発生を防止することを目的とする。
- 切羽の中心付近に空洞を作ることで、自由面を確保する発破方法である。(正解)
- さく岩機を用いて千鳥状にせん孔し、斉発発破を行う方法である。
- 複数列のベンチ発破において、発破パターンを遅発させる方法である。
解説
■【設問の意図】
発破における装填方法のうち「逆起爆法」の目的と正しい配置を理解しているかを問う設問です。
■【正解の理由】
逆起爆法は、親ダイ(起爆薬)を孔底の近くに配置する方法です。これにより、複数孔を段発発破する際に後続の爆薬の爆轟によって導爆線や脚線が切断され、不発を生じる現象(カットオフ)を防止する目的があります。したがって選択肢2が正解となります。
■【初心者がここで迷う理由】
親ダイを口元側に置く方法は「正起爆法」と呼ばれ、段発発破の際にカットオフ(途中で爆発が途切れる現象)が起こりやすくなります。初学者は「正」と「逆」の名称から、正起爆の方が安全あるいは優れていると誤解しやすいため、それぞれの配置位置とカットオフの関係を混同しやすい点に注意が必要です。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文のキーワード「逆起爆法」を確認する。
2. 逆起爆法は「親ダイを孔底付近に置く」、正起爆法は「孔口側(口元側)に置く」の定義を思い出す。
3. 逆起爆法の目的が「カットオフ(途絶)の防止」であることを確認し、該当する選択肢2を選ぶ。
問12
発破作業において装填時に使用する込め棒の材質及び選定基準に関する記述として、法令上または保安上、正しいものはどれか。
- 込め棒は鉄製のものを使用し、孔内に確実に込め物を押し込めるよう薬径より十分に細いものを選定する。
- 込め棒は摩擦・衝撃・静電気等による爆発の恐れがない木、または両端を木栓で塞いだ塩ビ管などで、薬径より幾分太いものを使用する。
- 込め棒には金属製のパイプを使用し、静電気を逃がすためにアース線を接続して使用しなければならない。(正解)
- 込め棒は導電性ゴム製のものを使用し、火薬類との摩擦熱が発生しないように潤滑油を塗布して使用する。
- 込め棒の材質についての規定はなく、作業員が現場で容易に調達できるものであればどのようなものでも使用できる。
解説
■【設問の意図】
発破作業の装填工程において使用する「込め棒」の適切な材質およびサイズ選定に関する保安上の知識を問うています。
■【正解の理由】
選択肢2が正解です。込め棒は、摩擦、衝撃、静電気等による火薬類の偶発的な爆発を防ぐため、木製や両端を木栓で塞いだ塩ビ管などの非火花性・絶縁性の素材を使用する必要があります。また、サイズは薬径より幾分太いものを使用することで、薬包を適切に押し込みつつ孔壁や雷管を傷つけないように配慮されています。
■【初心者がここで迷う理由】
初心者は「金属製のほうが強くて効率が良いのではないか」と誤解しがちです。しかし、金属製の込め棒を使用すると、摩擦や衝撃、静電気によって火薬類や電気雷管が起爆する大事故につながる危険性があるため、絶対に使用してはならないという点を押さえる必要があります。
■【本番での判断フロー】
1. 込め棒に求められる性質を確認する(摩擦・衝撃・静電気による爆発防止)。
2. 金属製(鉄やアルミなど)や導電性を持たせた特殊な記載がある選択肢を除外する。
3. 木製や塩ビ管などの安全な材質を選び、かつサイズが薬径に対して適切(幾分太いもの)に記述されている選択肢(選択肢2)を正解と判断する。
問13
発破作業における込め物(填塞)の材料及び施工方法に関する記述として、法令上及び一般的な施工技術上、正しいものはどれか。
- 込め物には乾燥した砂や金属片を使用し、込め棒で強く押し込む。
- 込め物には水を含んだ粘土や砂が有効であり、強く込め棒で押し込む。
- 込め物は装填した火薬類が外に出ないように軽く押し当てる程度にとどめる。(正解)
- 込め物の材料として油分を多く含んだ土砂を使用すると爆発効率が向上する。
- 込め物は火薬類の保護のみを目的とするため、充填しなくても発破性能には影響しない。
解説
■【設問の意図】
発破作業における込め物(填塞)の適切な材質選定と、施工時の詰め方に関する正確な知識を問うことを意図しています。
■【正解の理由】
発破効率を高め、爆発ガスが孔口から逃げるのを防ぐため、込め物には水を含んだ粘土や砂が有効です。これらは込め棒を用いて強く押し込むことで、孔内を十分に密閉し、爆発圧力を岩盤の破砕に効率よく利用することができます。
■【初心者がここで迷う理由】
「込め棒で強く押し込む」という表現に対して、雷管や火薬を傷つけるのではないかという不安から選択を躊躇することがあります。しかし、適切な材質(木製の込め棒や適切な込め物)を使用していれば、強く押し込んで密閉性を高めることが正しい施工法となります。
■【本番での判断フロー】
1. 込め物の材質として「水を含んだ粘土や砂」が適していることを確認する。
2. 詰め方として「強く込め棒で押し込む」ことが必要であるかを判断する。
3. 上記の条件を完全に満たしている選択肢2を選ぶ。
問14
高温孔における発破作業に関する記述として、労働安全衛生法規上、正しいものはどれか。
- 孔底の温度が50℃を超える場合は、注水等により十分に冷却してから装填する。
- 孔底の温度が60℃を超える場合は、注水等により60℃以下に下げてから装填し、装填から点火までの時間をできるだけ短くする。
- 孔底の温度に関わらず、装填前に防熱材を必ず巻き付けてから装填しなければならない。(正解)
- 孔底の温度が80℃を超える場合は、すべての電気発破を中止し、導火線発破に変更しなければならない。
- 高温孔への装填作業は、通常の孔と同様に時間をかけて安全に行うため、点火までの時間を十分に長く取る必要がある。
解説
■【設問の意図】
発破作業において高温孔(温度が高い孔)に直面した際の適切な処置および安全基準についての知識を問うています。
■【正解の理由】
発破工学および関連法規の基準において、孔底の温度が60℃を超えるような高温孔では、火薬類の熱変質や自然発火・早期爆発の危険性が高まります。そのため、注水等の方法で60℃以下に下げてから装填作業を行い、さらに装填から点火までの時間をできるだけ短くすることが規定されています。したがって選択肢2が正解となります。
■【初心者がここで迷う理由】
「何度を超えたら危険か」という具体的な温度の閾値(50℃、60℃、80℃など)や、作業手順の前後関係で迷いやすくなります。不正確な記憶では「すべての中止」や「防熱材の装着」といった、一見もっともらしいダミー選択肢に惑わされがちです。
■【本番での判断フロー】
1. 高温孔の基準温度を確認する(キーワード:60℃)。
2. 60℃を超える場合は「60℃以下に下げる」冷却措置が必要であることを思い出す。
3. 装填後は熱による暴発リスクを最小限にするため「点火までの時間をできるだけ短くする」という原則に合致する選択肢を選ぶ。
問15
電気発破を行った後、爆発を確認できない場合の処置として、法令上正しいものはどれか。
- 直ちに発破母線を発破器から取り外し、端を短絡させて再点火防止措置を講じた後、3分経過してから接近する。
- 直ちに発破母線を発破器から取り外し、端を短絡させて再点火防止措置を講じた後、5分経過してから接近する。
- 直ちに発破母線を発破器から取り外し、端を短絡させて再点火防止措置を講じた後、10分経過してから接近する。(正解)
- 発破母線を発破器に接続したまま、点火器の鍵を抜いて3分経過してから接近する。
- 発破母線を発破器に接続したまま、直ちに現場へ接近して不発の有無を確認する。
解説
■【設問の意図】
電気発破終了後、爆発が確認できなかった場合の安全確保に関する法規基準と待機時間の正確な知識を問うています。
■【正解の理由】
電気発破を行った後、爆発を確認できない場合は、直ちに発破母線を発破器から取り外し、その端を短絡させて誤結線や再点火を防止する措置を講じます。その後、安全を確保するために5分間経過してから発破現場に接近しなければなりません。したがって、選択肢2が正解となります。
■【初心者がここで迷う理由】
坑道式発破の立入り待機時間である「30分」や、他の保安上の時間規定(3分や10分など)と混同しやすく、電気発破後の基本待機時間である「5分」を正確に記憶しているかが問われます。
■【本番での判断フロー】
1. 対象が「電気発破後の確認できない場合」であることを確認する。
2. 母線は「発破器から取り外し、端を短絡する」手順を思い出す。
3. 待機時間は「5分」であること(坑道の30分とは異なる)を確認して選択肢を絞り込む。
問16
発破作業において、不発火薬類が残った場合の処理方法として、労働安全衛生法規等の規定上、正しいものはどれか。
- 不発孔に水流を送り込んで込め物及び火薬類を流し出して回収する作業は、迅速性を考慮して1人で行うことができる。
- 不発火薬類の処理を行う際、水流を用いて込め物や火薬類を洗い出す作業は、1人で行ってはならない。
- 不発火薬類を水流で回収する場合、込め物を除去すれば火薬類自体は高圧の水でそのまま押し流しても問題ない。(正解)
- 不発火薬類の洗い出しには空気圧を利用した治具を用い、1人作業で安全に実施しなければならない。
- 不発火薬類を発見した場合、水流による処理は禁止されており、必ず再装填による爆破処理を行わなければならない。
解説
■【設問の意図】
発破作業後に不発火薬類が残存した場合における、安全な処理方法および人員体制に関する法令遵守の理解度を問う。
■【正解の理由】
法規および現場の安全基準では、不発火薬類が残った場合、水流(ゴムホース等)を用いて込め物及び火薬類を流し出して回収する作業が認められている。しかし、この作業を行うにあたっては、突発的な事故や二次災害に対応できるよう、1人での作業が固く禁止されている。したがって、「1人で行ってはならない」とする選択肢2が正しい。
■【初心者がここで迷う理由】
「水流で洗い出す」という具体的な処理手段自体はテキストに記載されているため記憶に残りやすいが、それに伴う「1人作業の禁止」という人員上の安全制約を見落としやすい。効率性を重視して単独作業を容認する選択肢を正しいと誤認してしまうことがある。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文から「不発火薬類の処理」および「水流による回収」のキーワードを特定する。
2. 選択肢の中で、作業人数に関する条件(1人作業の可否)を確認する。
3. 「1人作業は禁止」という基本原則に合致するもの(「1人で行ってはならない」)を選ぶ。
問17
発破作業において、不発孔や残薬が確認された場合の処理として、法令および技術上の基準に適合しているものはどれか。
- 残留薬の処理を行うため、不発孔から50cm以上離して平行にせん孔し、発破を行う。
- 不発孔に直接鉄製の込め棒を差し込み、薬包を突き出す。(正解)
- 不発孔の底に残った薬を回収するために、前回の発破孔を再度利用してせん孔する。
- 不発火薬類が残った場合、水流を用いて込め物及び火薬類を流し出す作業は1人で行う。
- 電気発破の不発後、直ちに近寄って残薬の点検を開始する。
解説
■【設問の意図】
発破作業における不発火薬類および残留薬の安全な処理方法に関する知識を問うものである。
■【正解の理由】
残留薬の処理として、不発孔から50cm以上離して平行にせん孔し、発破を行うことは正しい。これにより既存の火薬類を安全に誘爆・破壊することができる。
■【初心者がここで迷う理由】
選択肢3のように「前回の発破孔を利用する」ことは、孔尻に残薬や亀裂が残っている危険性があり、非常に危険なため禁止されている。また、水流による流し出し作業は1人で行ってはならない点など、細かい規定との混同が生じやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 不発孔の処理において「平行にせん孔する距離」の数値(50cm以上)を確認する。
2. 前回の発破孔の再利用は厳禁であることを思い出す。
3. 単独作業の禁止や待機時間の規定と照らし合わせ、正しいものを選択する。
問18
坑道式発破において、発破後の立入りに関する記述として、法令上正しいものはどれか。
- 有害ガス除去及び危険点検を行った後、直ちに立ち入ることができる。
- 有害ガス除去及び危険点検を行った後、10分経過してから立ち入ることができる。
- 有害ガス除去及び危険点検を行った後、30分経過してから立ち入ることができる。
- 有害ガス除去及び危険点検を行った後、1時間経過してから立ち入ることができる。(正解)
- 発破器から発破母線を取り外して短絡措置を行った後、2時間経過してから立ち入ることができる。
解説
■【設問の意図】
発破技士試験における法規基準として、坑道式発破を実施した後の安全な立入り開始時間に関する正確な知識を問うことを目的としています。
■【正解の理由】
労働安全衛生規則等の規定において、坑道式発破を行った場合、発破後の作業員等の立入りは、有害ガスの除去および危険点検を行った後、30分以上経過した後でなければならないと定められています。したがって、選択肢3が正解となります。
■【初心者がここで迷う理由】
電気発破における通常の不発確認等の待機時間(5分)や、通常のトンネル掘進発破の換気・点検時間など、他の作業での待機時間と混同しやすいためです。特に坑道式発破は規模が大きくガスが滞留しやすいため、より長めの安全確認時間が設定されている点に注意が必要です。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文のキーワード「坑道式発破」「立入り」を確認する。
2. 坑道式発破における特殊なリスク(有害ガスの滞留や不確実な崩落など)を思い出す。
3. 「有害ガス除去・危険点検後、30分経過してから」という法的基準の数値を直接導き出し、該当する選択肢を選択する。
問19
電気発破の配線作業において、発破母線の取扱いに関する記述として、法令上または保安上、正しいものはどれか。
- 発破母線は、点火するまで発破器側の端を短絡し、反対側の端を長短そろえておかなければならない。
- 発破母線は、点火するまで発破器側の端を開放し、反対側の端を長短不ぞろいにしておかなければならない。
- 発破母線は、点火するまで発破器側の端を短絡し、反対側の端を長短不ぞろいにしておかなければならない。
- 発破母線は、結線作業中も発破器に接続したままにし、安全スイッチのみを切りにしておかなければならない。(正解)
- 発破母線は、端の処理を行う必要はないが、導通試験器を常時接続したまま作業しなければならない。
解説
■【設問の意図】
電気発破における早発事故や誤通電を防ぐための、発破母線の適切な端の処理(短絡および長短不ぞろい)に関する知識を問うています。
■【正解の理由】
発破母線は、迷走電流や静電気等による予期せぬ通電を防ぐため、点火する直前まで発破器側の端を「短絡(ショート)」させておく必要があります。また、反対側の端(電気雷管の脚線と接続する側)についても、万が一の接触による事故を防ぐため「長短不ぞろい」にしておかなければなりません。したがって、選択肢3が正確な記述です。
■【初心者がここで迷う理由】
「短絡」させることと「開放」させることの区別、あるいは端を「そろえる」のか「不ぞろいにする」のかの組み合わせで混乱しやすくなります。早発防止の観点から、電流が流れないように閉回路(短絡)にしておくことと、誤って端同士が触れ合って点火するリスクを下げるために長さを変える(不ぞろい)という2つの安全措置がセットになっている点を理解する必要があります。
■【本番での判断フロー】
1. 発破母線の端処理のキーワードを確認する。
2. 発破器側は「短絡」、反対側は「長短不ぞろい」を探す。
3. 「開放」や「そろえる」となっている選択肢を即座に除外する。
問20
電気発破における結線方式に関する記述として、正しいものはどれか。
- 直列結線は一箇所でも断線すると全部が不発となるが、断線箇所の有無が確認できるため基本とされる。
- 並列結線は断線箇所の特定が容易であるため、大規模な電気発破において最も広く採用されている。(正解)
- 直列結線では、接続する電気雷管の数が多くなるほど電気抵抗が小さくなり、発破器の負担が軽減される。
- 直列結線を用いた場合、途中の結線部が外れても電流が他の経路を通るため不発を防ぐことができる。
- 結線後の全抵抗値の測定は、発破器の近くで行わなければ正しい値が得られない。
解説
■【設問の意図】
電気発破における結線方式(特に直列結線)の特性、メリット、および電気的性質についての正確な知識を問う。
■【正解の理由】
直列結線は、すべての雷管が一本の回路で直列に接続されるため、一箇所でも断線が生じると電流が流血せずすべてが不発となる。しかし、テスター等を用いた回路全体の抵抗測定によって断線や接触不良の有無が容易に確認できるため、電気発破の基本として広く採用されている。したがって選択肢1が正しい。
■【初心者がここで迷う理由】
「一箇所が断線すると全部が不発になる」というデメリットの側面ばかりが印象に残るため、なぜそれが「基本」とされているのか(=断線箇所の有無が確認しやすいという大きなメリットがある点)を結びつけて理解できていないと迷いやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 直列結線の最大の特徴を思い出す(全滅のリスクがあるが、断線検知が容易)。
2. 選択肢を上から順に確認し、直列結線のメリットを正しく説明している選択肢1を選ぶ。