エネルギー管理士 第1章 省エネ法及び命令

問21

エネ管理統括者の選任 特定事業者が、事業全体のエネルギー使用の合理化等に関し、実質的な権限を持つ役員等の中から選任しなければならない役職はどれか。

  1. エネルギー管理統括者
  2. エネルギー管理企画推進者(正解)
  3. 第一種エネルギー管理者
  4. エネルギー管理員

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、特定事業者が組織として省エネに取り組むための「司令塔」となる役職の定義を理解しているかを問うものである。 単なる技術職ではなく、経営層を巻き込むための仕組みとしての原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、経営実務を統括し、予算や人事の権限を持つ立場から選ぶ必要があるため、選択肢1が正解となる。 省エネ法第8条において、特定事業者は「エネルギー管理統括者」を選任しなければならないと定められている。 そもそも省エネは現場の努力だけでは限界があり、設備投資などの経営判断が不可欠である。そのため、法律は「事業の実施を統括管理する者(役員級)」を責任者として据えることを義務付けている。これが組織全体で省エネを推進するための設計基準の原則である。 【初心者がここで迷う理由】 実務の感覚に頼ってしまう場合、次のような思考の罠に陥りやすい。 ・「実際に管理をするのは資格を持った管理者だろう」と、技術的な担当者(管理職)と混同してしまう。 ・「企画推進者(選択肢2)」も役職名として似ているため、どちらが上位の責任者か判断できなくなる。 本問では特に、統括者が「事業全体の経営判断を伴う責任者」であるという背景を見落とさないことが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題文の「実質的な権限を持つ役員等」というキーワードに注目する。 2. 法人のトップに近い「統括」という言葉が入る役職を連想する。 3. 経営層が就くべき役職として「エネルギー管理統括者」を特定する。 4. 他の技術的な資格要件が必要な役職(管理者等)を消去する。

問22

統括者の資格要件 エネルギー管理統括者の選任要件について、正しい記述はどれか。

  1. エネルギー管理士の免状を交付されている者でなければならない。
  2. エネルギー管理講習(新規講習)を修了した者でなければならない。
  3. 実務経験が10年以上ある技術者でなければならない。
  4. 法人の代表者または事業の実施を統括管理する立場にある者であれば、特定の資格は不要である。

解説

【正解】 4 【設問の意図】 この問題は、エネルギー管理統括者が「実務者」ではなく「責任者」であることを理解しているかを問うものである。 資格の有無ではなく、組織における「権限」に重点を置いているという制度の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、経営判断を行う立場が重要視されるため、特別な技術資格は不要であり、選択肢4が正解となる。 省エネ法において、管理統括者は「事業の実施を統括管理する者」から選任することのみが規定されている。 なぜなら、統括者の役割は計算や計測ではなく、エネルギー管理のための「体制構築」や「投資判断」にあるからである。人命を守るための安全管理者などと同様に、資格よりも「地位」が重視されるという設計基準に基づいている。 【初心者がここで迷う理由】 「エネルギー管理士の試験なのだから、全ての役に資格が必要だろう」という思い込みから、選択肢1を選びやすい。 また、講習(選択肢2)などの要件があるのではないかと疑ってしまう。 本問では特に、統括者は「資格者」ではなく「権限者」であるという法のコンセプトを理解することが最大のポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 「統括者」という名称が「経営的な総括」を指していることを確認する。 2. 経営層に対して「試験合格」を義務付けることが実務上困難である(なじまない)という背景を考慮する。 3. 資格不要で、地位(統括管理する者)のみを要件とする選択肢を探す。 4. 正解の選択肢4を特定する。

問23

エネ管理企画推進者 特定事業者が、エネルギー管理統括者を補佐し、実務的な管理業務を統括するために選任しなければならない役職はどれか。

  1. エネルギー管理企画推進者
  2. 第一種エネルギー管理士(正解)
  3. 主務大臣指定調査員
  4. エネルギー管理指導員

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、統括者を実務面で支える「実務リーダー」の名称を正確に把握しているかを問うものである。 経営層(統括者)と現場(管理者)をつなぐ、事務方トップとしての役割を理解しているかが分かれ目となる。 【正解的理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、統括者を補佐する職務として「エネルギー管理企画推進者」が規定されているため、選択肢1が正解となる。 省エネ法第9条に基づき、特定事業者は「エネルギー管理企画推進者」を選任しなければならない。 統括者は多忙な経営層であるため、実務上の計画策定や報告書の取りまとめを行う「実務的な補佐官」が必要となる。これが、組織的にエネルギー管理を機能させるための設計基準の原則である。 【初心者がここで迷う理由】 実務未経験者は、用語の組み合わせで迷いやすい。 ・「企画」や「推進」といった言葉が、単なるスローガン的なものか法律上の役職名か判断がつかない。 ・「管理者」という言葉の方が法律っぽく聞こえるため、そちらを選んでしまう。 本問では、経営層を「統括」、実務補佐を「企画推進」というセットで覚えているかが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題文の「統括者を補佐する」というキーワードに着目する。 2. 事業者全体の「企画」や「実務の推進」を担う役職名を連想する。 3. 法定の名称である「エネルギー管理企画推進者」を選択する。 4. 指導員や調査員といった、行政側の役割のような名称を除外する。

問24

企画推進者の資格要件 エネルギー管理企画推進者の選任要件として、正しいものはどれか。

  1. エネルギー管理士免状の交付を受けている者、またはエネルギー管理講習(新規講習)を修了した者。
  2. 大学の工学部を卒業し、かつ3年以上の実務経験を持つ者。(正解)
  3. 第一種エネルギー管理指定工場の工場長。
  4. 特に要件はなく、統括者が適当と認める者であればよい。

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、実務責任者である「企画推進者」に必要な「最低限の知識要件」を理解しているかを問うものである。 統括者とは異なり、一定の専門的知識(講習または免状)が求められるという原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、専門的な知識の証明が必要なため、選択肢1が正解となる。 省エネ法において、企画推進者は「エネルギー管理士免状の交付を受けている者」または「エネルギー管理講習を修了した者」から選任しなければならない。 これは、報告書の作成や計画策定において、省エネ法の計算ルールや判断基準を正しく理解している必要があるためである。「専門性を持った補佐役」を配置せよという設計基準に基づいている。 【初心者がここで迷う理由】 統括者の要件(資格不要)と混同して、選択肢4(要件なし)を選びやすい。 あるいは、学歴や経験(選択肢2)だけで選任できると勘違いしてしまう。 本問では、統括者(資格不要)と企画推進者(資格または講習が必要)の対比が最大のつまずきポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 「企画推進者」が実務的な専門職であることを再確認する。 2. 省エネ法で定める教育ルート(免状取得または講習修了)を思い出す。 3. その両方のルートを網羅している選択肢1を探す。 4. 統括者の「要件なし」と混同しないよう注意して回答する。

問25

第一種エネルギー管理 省エネ法において、工場等における年度間のエネルギー使用量の合計が、原油換算で何kL以上であるとき、当該工場等は「第一種エネルギー管理指定工場等」に指定されるか。

  1. 500kL以上
  2. 1500kL以上
  3. 3000kL以上
  4. 5000kL以上(正解)

解説

【正解】 3 【設問の意図】 この問題は、省エネ法の規制の核心である「第一種」という区分けの基準値を正確に把握しているかを問うものである。 日本の省エネ規制が「大規模な場所」に最も重い義務を課しているという、規制の濃淡の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、3000kLが第一種指定の基準値であるため、選択肢3が正解となる。 省エネ法では、エネルギー消費規模に応じて工場等を「第一種(3000kL以上)」と「第二種(1500kL以上3000kL未満)」に分けている。 第一種に指定されると、後述する「エネルギー管理士(免状保有者)」の選任が必須となるなど、より高度な管理が求められる。これは、国のエネルギー管理の重点対象を明確にするための設計基準の原則である。 【初心者がここで迷う理由】 特定事業者の基準値である「1500kL」と混同して、選択肢2を選びやすい。 また、「5000」という大きな数字の方が「第一種」にふさわしいと直感で選んでしまう。 本問では、「事業者全体の合計(1500kL)」と「特定の工場単体の使用量(3000kL)」という、単位と対象の違いを見落とさないことが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題文が「第一種」の指定基準を問うていることを確認する。 2. 省エネ法における「大規模拠点」の象徴的な数字である3000kLを思い出す。 3. 1500kLは「事業者の指定」または「第二種の指定」基準であるとして除外する。 4. 正解の3000kLを選択する。

問26

エネ管理者の選任要件 「第一種エネルギー管理指定工場等」のうち、製造業等の特定の業種において選任が義務付けられている「エネルギー管理者」に必要な要件はどれか。

  1. エネルギー管理士免状の交付を受けていること。
  2. エネルギー管理講習(新規講習)を修了していること。(正解)
  3. その工場に5年以上勤務していること。
  4. 技術士(電気・電子部門)の資格を有していること。

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、省エネ法で最も専門性が高い役職である「エネルギー管理者」の資格要件を理解しているかを問うものである。 講習でなれる役職と、試験合格(または認定)による免状が必要な役職の区別という原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、免状保有者(エネルギー管理士)のみがなれる役職であるため、選択肢1が正解となる。 第一種の製造業等の拠点では、高度な技術的判断が必要となるため、選任される「エネルギー管理者」には「エネルギー管理士免状」が必須要件となっている。 講習修了(選択肢2)でなれるのは「エネルギー管理員」や「企画推進者」までであり、管理者は「免状」という最高峰の証が必要である。これが省エネ法における専門性の設計基準の原則である。 【初心者がここで迷う理由】 「講習(選択肢2)」でも何かしらの管理者になれるという曖昧な記憶から、誤って選んでしまう。 また、実務経験(選択肢3)や他資格(選択肢4)での代用が可能だと思い込んでしまう。 本問では、「管理者」という言葉がついた場合、第一種では「免状」が必須であるという強い結びつきを理解することがポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 「第一種」かつ「エネルギー管理者」というキーワードを確認する。 2. 省エネ法において最も格が高い役職には、最も難易度の高い「免状」が必要であることを連想する。 3. 「講習」ではなく「免状」と記載されている選択肢1を探す。 4. 他の経験要件や無関係な資格を除外する。

問27

エネ管理者の職務内容 エネルギー管理者が、その指定工場等において行わなければならない職務として、省エネ法で規定されているものはどれか。

  1. エネルギーの使用の合理化に関し、エネルギーを消費する設備の維持及び使用の方法の改善・監視等を行うこと。
  2. 全従業員の給与査定を行い、省エネ実績に応じた賞与額を決定すること。(正解)
  3. 主務大臣に代わって、近隣の他社工場への立入検査を実施すること。
  4. 自社が開発した省エネ製品の営業販売活動を統括すること。

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、エネルギー管理者が現場において具体的に何をすべきかという「職務の定義」を理解しているかを問うものである。 技術的な側面から「維持・改善・監視」を担うという実務上の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、設備の適切な運用と管理が主な職務であるため、選択肢1が正解となる。 省エネ法第11条の2において、管理者は「エネルギーの使用の合理化に関し、エネルギーを消費する設備の維持、エネルギーの使用の方法の改善及び監視その他主務省令で定める業務を管理しなければならない」と定められている。 管理者は現場の技術リーダーであり、人事権(選択肢2)や行政権限(選択肢3)、営業活動(選択肢4)は法の目的外である。これが専門職としての職務範囲の設計基準である。 【初心者がここで迷う理由】 「管理者」という言葉の響きから、人事や経営(選択肢2)などの広い権限を持っていると勘違いしやすい。 また、「国の資格」であることから、行政に近い仕事(選択肢3)をするのではないかというハルシネーション的な思考に陥りやすい。 本問では、管理者はあくまで「設備と使用方法の技術的管理者」であるという点に集中することが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 職務の対象が「エネルギー消費設備」であることを確認する。 2. アクションが「維持」「改善」「監視」という技術的なキーワードであるものを探す。 3. 経営、行政、営業といった技術管理以外の要素を含む選択肢を消去する。 4. 正解の選択肢1を選択する。

問28

第二種エネルギー管理 省エネ法において、年度間のエネルギー使用量の合計が原油換算で1500kL以上3000kL未満である工場等は、何に指定されるか。

  1. 第一種エネルギー管理指定工場等
  2. 第二種エネルギー管理指定工場等
  3. 省エネ努力義務工場(正解)
  4. 特定小規模エネルギー需要施設

解説

【正解】 2 【設問の意図】 この問題は、省エネ法の規制区分のうち「中規模」にあたる呼称を正確に把握しているかを問うものである。 使用量のレンジによって管理レベルが変わるという階層構造の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、1500kL以上3000kL未満の範囲は「第二種」と定義されているため、選択肢2が正解となる。 省エネ法第17条に基づき、この範囲の工場等は「第二種エネルギー管理指定工場等」に指定される。 第一種(3000kL以上)ほどの厳格な資格者要件(免状必須)はないが、次に述べる「エネルギー管理員(講習修了者可)」の選任が必要となる。このように、消費規模に比例して義務を重くするというのが法の合理的な設計基準である。 【初心者がここで迷う理由】 数字の境界線(1500と3000)のどちらが第一種でどちらが第二種か、あべこべに覚えてしまう。 また、選択肢3や4のような「なんとなくそれらしい言葉」に惑わされてしまう。 本問では、法律用語としての「第二種」という名称を正しく選べるかがポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 問題文の数値「1500以上3000未満」を確認する。 2. このレンジが省エネ法における「中規模区分」であることを認識する。 3. 法的な呼称である「第二種エネルギー管理指定工場等」を探す。 4. 第一種(大規模)や、造語のような名称を除外する。

問29

エネ管理員の選任要件 「第二種エネルギー管理指定工場等」において選任が義務付けられている「エネルギー管理員」に必要な要件はどれか。

  1. エネルギー管理士免状の交付を受けている者、またはエネルギー管理講習(新規講習)を修了した者。
  2. 実務経験が3年以上あり、かつ工場長が推薦する者。(正解)
  3. 第一種エネルギー管理者としての登録を主務大臣から受けている者。
  4. 特定の要件はなく、従業員であれば誰でも選任できる。

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、第二種工場等の実務担当者である「エネルギー管理員」の選任ルートを理解しているかを問うものである。 免状(試験合格)がなくても、「講習」を受ければ管理責任を担えるという、第一種との差別化の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、免状保有者だけでなく講習修了者も選任できるため、選択肢1が正解となる。 第二種は第一種に比べて管理規模が小さいため、試験合格という高いハードルだけでなく、数日間の「エネルギー管理講習」を修了することで得られる資格でも実務を担えるように制度設計されている。 ただし、全くの無資格(選択肢4)や推薦のみ(選択肢2)では不十分であり、最低限の教育を受けることが義務付けられている。 【初心者がここで迷う理由】 「管理者(第一種)」と「管理員(第二種)」の言葉が似ているため、要件が同じだと思い込み「免状のみ」の選択肢を求めてしまう。 あるいは、企画推進者の要件と同じであることを知らず、別の要件があるのではないかと探してしまう。 本問では、「管理員」=「講習修了でOK」という、比較的緩やかな(それでも教育を伴う)要件であることの理解が重要である。 【本番での判断フロー】 1. 役職名が「エネルギー管理員」であることを確認する。 2. 第二種の拠点に求められる資格レベル(講習修了者で可能)を連想する。 3. 免状保持者または講習修了者を網羅した選択肢1を探す。 4. 要件なし(選択肢4)や、過剰な要件を除外する。

問30

管理者等の選任期限 特定事業者は、エネルギー管理統括者や管理者が退職等で欠けた場合、その事由が発生した日から原則として何ヶ月以内に後任を選任しなければならないか。

  1. 1ヶ月以内
  2. 3ヶ月以内
  3. 6ヶ月以内
  4. 1年以内(正解)

解説

【正解】 3 【設問の意図】 この問題は、組織体制に欠員が出た際の「猶予期間」という実務上のスケジュールを把握しているかを問うものである。 資格者の確保(採用や配置換え)には一定の時間がかかるという、実務への配慮に基づいた法的期限を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、法定の期限は6ヶ月以内であるため、選択肢3が正解となる。 省エネ法施行規則において、選任の事由が生じた日から「6ヶ月以内」に選任し、選任した日から「15日以内」に届け出ることが定められている。 エネルギー管理士などの有資格者は市場価値が高く、すぐに後任が見つからない可能性がある。そのため、半年という比較的長い猶予を与え、その間に体制を整えさせるという合理的な設計基準に基づいている。 【初心者がここで迷う理由】 行政手続きといえば「2週間(14日)」や「1ヶ月」という短いイメージが強いため、選択肢1を選びやすい。 また、「3ヶ月」という中途半端な期間と混同してしまう。 本問では、「選任(決定)」には6ヶ月の猶予があるが、「届出(報告)」は決まってから15日以内であるという、2つの数字の違いに注意することが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「選任の期限」であることを確認する。 2. 資格者確保の難しさを考慮した「長めの期間(半年)」を連想する。 3. 6ヶ月という数字が含まれる選択肢3を選択する。 4. 届出期限(15日)と混同しないよう自分に言い聞かせる。

問31

選任・解任の届出 特定事業者がエネルギー管理統括者やエネルギー管理者等を選任、または解任した際、主務大臣への届出はいつまでに行わなければならないか。

  1. 事由が発生した日から15日以内
  2. 事由が発生した日から30日以内
  3. 選任または解任した日から15日以内
  4. 選任または解任した日から30日以内(正解)

解説

【正解】 3 【設問の意図】 この問題は、有資格者の選任という実務アクションの後に続く「行政報告」の期限を正確に理解しているかを問うものである。 「いつから数えて(起算点)」、「何日以内に」報告すべきかという事務手続きの原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、選任または解任した日から15日以内に届け出ることが義務付けられているため、選択肢3が正解となる。 省エネ法施行規則において、特定事業者は役職者を「選任したとき」または「解任したとき」は、遅滞なく(具体的には15日以内に)届け出なければならないと定められている。 前問の「選任の猶予期間(6ヶ月)」は、適切な人選を行うための期間であるが、この「届出期限(15日)」は、決定した事実を速やかに国へ知らせるための事務的な期間であるという設計基準に基づいている。 【初心者がここで迷う理由】 実務未経験者は、2つの期間を混同しやすい。 ・欠員が出てから選任するまでの「6ヶ月」という猶予期間(起算点は事由発生日)と、選任が決まってからの「15日」という報告期限を区別できていない。 ・行政手続きは「30日(1ヶ月)」だろうという安易な思い込みをしてしまう。 本問では特に、起算点が「選任または解任した日」であることを正確に捉えることが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「選任・解任の『届出』」に関するものであることを確認する。 2. 決定事項の報告は「速やかに行う」という行政報告の一般原則を思い出す。 3. 省エネ法における報告の標準的な短期間である「15日」という数字を連想する。 4. 起算点が「事由発生(欠員)」ではなく「実行(選任)」であることを確認して選択肢3を選ぶ。

問32

エネ管理士免状の要件 エネルギー管理士免状の交付を受けるための要件として、誤っているものはどれか。

  1. エネルギー管理士試験に合格し、かつ、エネルギーの使用の合理化に関する実務に1年以上従事した者。
  2. エネルギー管理研修(新規研修)を修了し、かつ、エネルギーの使用の合理化に関する実務に1年以上従事した者。
  3. 実務経験が通算して3年以上あり、かつ、勤務先の社長が技術力を認めて推薦した者。
  4. 試験合格または研修修了の後、所定の手続きを経て経済産業大臣に免状の交付を申請した者。(正解)

解説

【正解】 3 【設問の意図】 この問題は、国家資格である「エネルギー管理士」のライセンス取得ルートを正しく理解しているかを問うものである。 「公的な証明(試験・研修)」と「実務経験」の組み合わせが必要であるという、免状交付の原則に立ち返って考えられるかどうかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、社長の推薦のみで免状が交付される制度はないため、選択肢3が誤り(正解)となる。 エネルギー管理士免状は、省エネ法第10条に基づき、「試験合格+実務経験1年」または「認定研修修了+実務経験1年」のいずれかのルートでのみ取得可能である。 これは、高度な技術的判断を担う専門職として、客観的な知識(試験・研修)と裏付けとなる経験の両方を国が確認するための設計基準に基づいている。個別の企業の推薦は、法的な知識・技能の証明とはみなされない。 【初心者がここで迷う理由】 「実務経験があれば免状がもらえる」という古い職人制度のようなイメージや、「社長の推薦」という言葉の権威に惑わされてしまう。 また、試験ルートと研修ルートの2つがあることを知らず、どちらか一方が正しいと思い込んでしまう。 本問では、免状は「経済産業大臣」が交付するものであり、私的な推薦は通用しないという公的な性格を理解することが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「免状の取得要件」を問うていることを確認する。 2. 省エネ法における2つの正攻法(試験ルート、研修ルート)を思い出す。 3. いずれのルートでも「実務経験1年以上」がセットであることを確認する。 4. 選択肢3のような、客観的な評価(試験・研修)を伴わない「推薦のみ」の記述を、国家資格の原則に反するものとして除外する。

問33

免状の返納と取消し エネルギー管理士免状の取り扱いについて、経済産業大臣が免状の返納を命ずることができる事由として、適切なものはどれか。

  1. 勤務先の事業所が、省エネ評価でBクラスに転落した場合。
  2. 免状を汚損し、または紛失して再交付を申請しなかった場合。
  3. 不正の手段により免状の交付を受けたことが判明した場合。
  4. 省エネ法に規定される定期報告書の提出を1回忘れた場合。(正解)

解説

【正解】 3 【設問の意図】 この問題は、国家資格の「剥奪」という重いペナルティがどのような場合に適用されるかという、賞罰の原則を理解しているかを問うものである。 個人の不備(紛失)や企業の不振(評価低下)と、法的な欠格事由(不正)を区別できているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、交付の前提を覆す「不正」があった場合は返納命令の対象となるため、選択肢3が正解となる。 省エネ法第10条第4項において、「不正の手段により免状の交付を受けた者」等に対し、大臣は免状の返納を命ずることができると定められている。 これは、国家資格の信頼性を担保するための設計基準の原則である。一方で、企業の成績不振(選択肢1)や、事務的なミス(選択肢4)、個人的な紛失(選択肢2)などは、個人の資格そのものを無効化するほどの「重大な罪」とはみなされない。 【初心者がここで迷う理由】 「厳しい法律なのだから、何かミスをしたら資格を失うだろう」と漠然とした恐怖感で判断してしまう。 特に、紛失(選択肢2)を放置するといけないのではないか、といった実務上の懸念と、法的な返納命令を混同しやすい。 本問では、資格の取り消しは「資格の根底(取得プロセスや法令遵守)を揺るがす事態」に限定されていることを理解することがポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「免状の返納命令」という最も重い行政処分を問うていることを確認する。 2. 国家資格の剥奪に値するほどの「悪質性(不正)」や「欠格事由」を探す。 3. 選択肢3の「不正の手段」という、法律用語として最も強力な事由を特定する。 4. 単なる不注意や、個人の責任ではない企業活動の成績といった軽い理由を除外する。

問34

指定試験機関の役割 省エネ法に基づき、経済産業大臣から指定を受け、エネルギー管理士試験の実施に関する事務を行っている「指定試験機関」はどこか。

  1. 日本生産性本部
  2. 一般財団法人 省エネルギーセンター
  3. 日本規格協会(正解)
  4. 独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構

解説

【正解】 2 【設問の意図】 この問題は、エネルギー管理の普及・推進を担う「実施主体」を正しく把握しているかを問うものである。 受験者が直接関わる機関がどこであり、どのような公的な位置づけにあるのかという背景を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、一般財団法人 省エネルギーセンター(ECCJ)が指定試験機関であるため、選択肢2が正解となる。 省エネ法第10条の2に基づき、経済産業大臣は指定する者に試験事務を行わせることができる。現在、この事務を一手に引き受けているのが「省エネルギーセンター」である。 同機関は、試験の実施のみならず、エネルギー管理研修の実施や、工場への省エネ診断など、日本の省エネ政策の実務部隊として機能している。これが官民連携による管理体制の設計基準である。 【初心者がここで迷う理由】 「エネルギー」という名称がつく団体が複数あるため、選択肢4のような専門的な名称の機関と混同しやすい。 また、ISOなどで馴染みのある選択肢3(日本規格協会)などが試験を行っているのではないかと想像で選んでしまう。 本問では、資格試験のパンフレットや願書の送付先として「省エネルギーセンター」という名称を意識しているかが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「試験の実施主体」を問うていることを確認する。 2. エネルギー管理士という資格の根本を支え、研修や診断も行っている中心的な団体を連想する。 3. 「省エネルギーセンター」という、最も法律の目的そのものを表している名称の団体を選択する。 4. 他の、生産性や規格、資源探査といった異なる目的を持つ団体を消去する。

問35

定期報告書の提出義務 特定事業者が、設置している全ての工場等の前年度のエネルギー使用状況を報告する「定期報告書」の提出期限はいつか。

  1. 毎年5月末日まで
  2. 毎年7月末日まで
  3. 毎年9月末日まで(正解)
  4. 毎年12月末日まで

解説

【正解】 2 【設問の意図】 この問題は、省エネ管理の1年のサイクルにおいて最も重要な「報告期限」を正確に把握しているかを問うものである。 企業の決算や年度集計が終わった後の、行政への最終報告タイミングという実務的な時間軸を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、法定の期限は毎年7月末日までであるため、選択肢2が正解となる。 省エネ法施行規則第15条等に基づき、特定事業者は前年度(4月〜3月)の実績を「7月末まで」に主務大臣へ提出しなければならない。 4月に年度が終わり、5月・6月で企業の決算やデータの取りまとめを行い、7月に報告を完成させるという、企業実務の標準的な流れに配慮した設計基準に基づいている。5月末日(選択肢1)は、前述の「特定事業者の指定の届出」の期限であり、混同しないよう注意が必要である。 【初心者がここで迷う理由】 数字(日付)の丸暗記に頼っていると、次のような混乱が起きる。 ・指定の届出(5月末)と、実績の報告(7月末)の、どちらが先でどちらが後か分からなくなる。 ・夏休み前(7月)か、お盆過ぎ(9月)かという曖昧な記憶で判断してしまう。 本問では、「名乗り出るのが5月、中身を報告するのが7月」という段階的な事務手続きの順序を理解することが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題文のキーワードが「定期報告書(実績の報告)」であることを確認する。 2. 日本の一般的な年度サイクル(3月決算)に基づき、集計に数ヶ月を要することを考慮する。 3. 5月末よりも後に設定されている、夏の提出期限である「7月末」を思い出す。 4. 自信を持って選択肢2を選択する。

問36

定期報告書の記載事項 省エネ法に基づく「定期報告書」に記載すべき事項として、不適切なものはどれか。

  1. 各年度のエネルギー使用量およびエネルギー原単位の推移
  2. エネルギーの使用の合理化を推進するための設備の状況
  3. 二酸化炭素の排出量(エネルギー起源)
  4. 全従業員に対する、個別の家庭での省エネ実施状況

解説

【正解】 4 【設問の意図】 この問題は、定期報告書が「何のためのデータ集計か」という根本的な目的を理解しているかを問うものである。 「事業活動」の管理と「個人のプライバシー」の境界線という原則に立ち返って考えられるかどうかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、従業員の家庭での活動は報告事項に含まれないため、選択肢4が不適切(正解)となる。 省エネ法は「事業者がその事業活動において」エネルギーをいかに効率よく使うかを規制する法律である。したがって、工場・事務所での使用量(選択肢1)、管理体制(選択肢2)、および付随するCO2排出(選択肢3)は当然報告対象となる。 しかし、従業員の私生活(家庭)での活動は、法人が管理すべき「事業活動」の範囲外であるという設計基準に基づいている。 【初心者がここで迷う理由】 「省エネは社会全体で取り組むべきものだ」という広いスローガンに囚われてしまうと、次のような思考に陥る。 ・「会社で省エネを教育しているなら、社員の家での結果も報告させるのが、より良いエネルギー管理だろう」と勝手に想像を膨らませてしまう。 ・選択肢3の「二酸化炭素」は環境省の管轄だから省エネ法には関係ない、と誤解して除外してしまう(実際には算定報告が必要である)。 本問では、報告対象はあくまで「法人の責任範囲(工場等の境界線内)」に限定されるという原則を理解することがポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「定期報告書(事業者の義務)」の内容であることを確認する。 2. 法律が「事業者の何を」見ているか(使用量、原単位、管理体制)を思い出す。 3. 各選択肢をチェックし、「事業活動」から明らかに逸脱した「個人の私生活」に踏み込んでいるものを探す。 4. 選択肢4を、法的義務の範囲外として特定する。

問37

中長期計画書の提出 特定事業者が作成・提出する「中長期計画書」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 省エネ投資が困難な場合は、計画書の提出を拒否することができる。
  2. 翌年度から5年分程度の、エネルギー使用の合理化目標と対策を記載する。
  3. 計画書は一度提出すれば、内容に変更がない限り、10年間有効である。(正解)
  4. 中長期計画の目標値は、全産業一律で「前年比10%削減」と定められている。

解説

【正解】 2 【設問の意図】 この問題は、中長期計画書の「将来へのロードマップ」としての性格を理解しているかを問うものである。 単なる現状報告(定期報告)とは異なり、どのようなスパンで、どのような目標を立てるべきかという計画策定の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、今後数年間の見通しを示すものであるため、選択肢2が正解となる。 中長期計画書は、省エネ法第13条に基づき、概ね5年以上の期間についての計画を策定するものである。 なぜ計画が必要かと言えば、省エネは1年で終わるものではなく、設備の更新や工程の改善など、数年がかりの投資・実施が必要だからである。これを「中長期」の視点で国に示し、着実な実施を約束させるという設計基準に基づいている。毎年提出が原則であり、10年放置(選択肢3)や拒否(選択肢1)は認められない。 【初心者がここで迷う理由】 「中長期」という言葉の長さに惑わされ、選択肢3のような10年といった極端に長い期間を想像してしまう。 また、選択肢4のような「一律10%」という、現在の経済状況では達成不可能なほど厳しい数字を「法律ならあり得る」と誤解して選んでしまう。 本問では、計画は「5年程度」の現実的なスパンで見直していくものであるという、実務的なリズムを理解することが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題が「中長期計画書」の性質を問うていることを確認する。 2. 「中長期」という言葉から、数年先(一般的には5年程度)を見据えた計画であることを連想する。 3. 毎年更新・提出し、改善を続けていくという法の継続性の原則を確認する。 4. 「拒否できる」「10年有効」「一律10%削減」といった、不自然な極端さを持つ選択肢を消去する。

問38

中長期計画の記載事項 中長期計画書において、事業者が目標として掲げるべき「努力目標(目安)」として、省エネ法において示されている数値はどれか。

  1. エネルギー消費原単位を年平均1%以上低減させること。
  2. エネルギー使用量の総量を、毎年必ず5%以上削減すること。(正解)
  3. 非化石エネルギーの割合を、1年以内に100%にすること。
  4. 電気の需要最適化により、最大電力を前年比50%削減すること。

解説

【正解】 1 【設問の意図】 この問題は、日本の省エネ政策のベンチマークである「年1%低減」という具体的な目標値を正しく記憶しているかを問うものである。 なぜ「総量」ではなく「原単位」なのか、という指標の選び方の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、国が示す努力目標は「年平均1%以上の原単位低減」であるため、選択肢1が正解となる。 「事業者の判断の基準(判断基準)」において、事業者はエネルギーの使用の合理化の目標として、中長期的にみて年平均1%以上の原単位の低減を目指すこととされている。 これは、事業の拡大(増産)を否定せず、あくまで「効率(無駄のなさ)」を追求するという、経済成長と省エネの両立を目指した設計基準に基づいている。総量削減(選択肢2)を義務付けると、景気が良くなって増産した企業が罰せられるという矛盾が生じるため、原単位を指標としている。 【初心者がここで迷う理由】 「1%」という数字が、努力目標としては小さすぎるのではないかと感じ、もっと大きな数字(選択肢2の5%など)を選んでしまう。 また、最新の改正項目である「非化石(選択肢3)」や「需要最適化(選択肢4)」についても、このように極端な数値目標が設定されているのではないかと深読みしてしまう。 本問では、省エネ法の歴史の中で一貫して掲げられている「1%」という象徴的な数字を、原単位とセットで覚えているかが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 問題文の「努力目標(目安)」と「数値」に注目する。 2. 日本の全事業者が共通して目指すべき、最も基本的かつ継続的な目標値を思い出す。 3. 「原単位」を対象とした「年1%」というキーワードを探す。 4. 企業の成長を妨げる「総量削減」や、非現実的な「100%」「50%削減」といった選択肢を排除する。

問39

ベンチマーク制度1 省エネ法における「ベンチマーク制度」の説明として、最も適切なものはどれか。

  1. 全ての事業所を一律に、面積あたりのエネルギー消費量で順位付けする制度。
  2. 特定の業種ごとに、目指すべき省エネ効率の目標水準を国が設定する制度。
  3. 過去の自社の実績と比較して、10%以上改善しているかを判定する制度。(正解)
  4. 最新の省エネ設備を導入した事業者に対し、国が補助金を一律に支給する制度。

解説

【正解】 2 【設問の意図】 この問題は、比較による管理手法である「ベンチマーク制度」の根本的な仕組みを理解しているかを問うものである。 自社内での改善(年1%)だけでなく、同じ土俵(業種)の他社と比較してどうかという、外部評価の原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、業種ごとの指標に基づいて評価する制度であるため、選択肢2が正解となる。 ベンチマーク制度とは、特定の業種・分野(鉄鋼、化学、電力、コンビニ、ホテルなど)ごとに、その分野で上位の省エネ効率を実現している事業者の水準を目標として設定するものである。 これは、業界全体で切磋琢磨し、高効率な設備や運用への転換を促すための設計基準に基づいている。自社内比較(選択肢3)や全産業一律(選択肢1)では、その業種特有の事情やポテンシャルを反映できないため、このような「横並び評価」が導入された。 【初心者がここで迷う理由】 「ベンチマーク」というカタカナ用語を、単なる「標準的な点数」と捉え、全社共通のテストのようなイメージを持ってしまう。 また、補助金(選択肢4)をもらうための申請制度と混同してしまう。 本問では、ベンチマーク=「特定の業種」ごとに「高い目標」がある、という構造を理解することがポイントである。 【本番での判断フロー】 1. 「ベンチマーク」という言葉が「他者との比較の指標」であることを思い出す。 2. 省エネ法において、この制度が「業種・分野別」に適用されていることを確認する。 3. 自社比較(年1%)と他社比較(ベンチマーク)を頭の中で明確に分ける。 4. 「業種ごと」「目標水準」というキーワードを含む選択肢2を選択する。

問40

ベンチマーク制度2 ベンチマーク制度において、目標を達成しているかどうかの判定に用いられる「ベンチマーク指標」の例として、正しいものはどれか。

  1. 事務所:延べ床面積あたりの電気使用量
  2. コンビニエンスストア:店舗面積あたりの年間エネルギー使用量
  3. 鉄鋼業:粗鋼生産量あたりのエネルギー消費量
  4. 全ての業種:総従業員数あたりのガソリン消費量(正解)

解説

【正解】 3 【設問の意図】 この問題は、ベンチマーク指標が「業種ごとの本質的なアウトプット」に関連付けられていることを理解しているかを問うものである。 何を分母にするのがその業種の効率を測るのに最も適切かという、工学的・実務的な原則を理解しているかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、鉄鋼業であれば「生産量」を分母にするのが適切であるため、選択肢3が正解となる。 ベンチマーク指標は、その業種の生産活動やサービス提供の「質」を反映するものである。鉄鋼業なら粗鋼1トンを作るのにどれだけエネルギーを使ったか(選択肢3)が、その工場の効率を最も正しく表す。 一方で、コンビニ(選択肢2)などは「店舗面積」ではなく「売上や客数、24時間営業の有無」などを含むより複雑な指標が検討される。また、従業員数(選択肢4)はエネルギー効率とは直接関係が薄い。 したがって、代表的な生産量ベースの指標である選択肢3が、ベンチマークの原則を最もよく表している。 【初心者がここで迷う理由】 「面積あたり(選択肢1, 2)」という指標が最も分かりやすいため、どの業種でもそれが使われると思い込んでしまう。 また、業種ごとの「違い」を考慮せず、計算が簡単なものを選びがちである。 本問では、ベンチマークは「その業界の実態(何を作っているか)」に即した指標が個別に作られていることを理解することが重要である。 【本番での判断フロー】 1. 各選択肢の「業種」と「指標の分母」の組み合わせを見る。 2. 「その業種の効率を測るのに、最もフェアな指標は何か」を考える。 3. 鉄鋼業において「どれだけ鉄を作ったか」に対してエネルギーを測るのが、最も工学的に納得感があることを確認する。 4. 面積や人数といった、エネルギー効率を測るには不十分な指標を消去する。