エンベデッドシステムスペシャリスト試験 第2回
問21
暗号アルゴリズム実装デバイスの処理時間や消費電力、電磁放射などの物理的特性を観測することで、秘密情報を取得する攻撃手法はどれか。
- サイドチャネル攻撃
- バッファオーバーフロー攻撃(正解)
- SQLインジェクション
- クロスサイトスクリプティング
- DNSキャッシュポイズニング
解説
■【設問の意図】
ハードウェア実装の暗号回路に対する物理的セキュリティ上の脅威を理解しているか問う。
■【正解の理由】
サイドチャネル攻撃は、処理時間や消費電力などの物理的特性から秘密鍵を特定する手法である。
■【初心者が迷う理由】
ソフトウェアの脆弱性を突く一般的なサイバー攻撃と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 「物理的特性」「消費電力」のキーワードに着目する。
2. 暗号実装のハードウェアを狙う攻撃としてサイドチャネル攻撃を選択する。
問22
組込み機器やICカードなどにおいて、内部の暗号鍵や機密データが物理的な解析によって不正に読み出されることを防ぎ、ハードウェア的な耐性を高める設計や機構を表す用語はどれか。
- サイドチャネル攻撃
- 耐タンパ性
- リソーススタベーション(正解)
- ドメインエンジニアリング
- ハプティックデバイス
解説
■【設問の意図】
物理的な解析や不正アクセスに対するハードウェアの防御能力を示す用語を正しく理解しているか問う。
■【正解の理由】
耐タンパ性は、機器の内部構造やデータの不正抽出を困難にする物理的・論理的な防御機構を指すため適切である。
■【初心者が迷う理由】
物理的特性から情報を盗む手法であるサイドチャネル攻撃と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 問題文から「物理的な解析を困難にする機構」というキーワードに注目する。
2. 防御する機構そのものを表す「耐タンパ性」を選択する。
問23
異なるインターネットドメイン間でセキュリティ情報を共有し、シングルサインオン(SSO)を実現するための標準規格として、適切なものはどれか。
- OAuth 2.0
- SAML
- OpenID Connect(正解)
- Kerberos
- LDAP
解説
■【設問の意図】
異ドメイン間でSSOを実現する標準規格の知識を問う。
■【正解の理由】
SAMLはXMLベースでセキュリティ情報を交換し、ドメイン間SSOを可能にする標準規格である。
■【初心者が迷う理由】
認可に特化したOAuthや認証を担うOIDCと混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. キーワード「異なるインターネットドメイン間」「XMLベース」を確認する。
2. SAMLを選択する。
問24
総務省および国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が実施する、脆弱なパスワードや設定を持つIoT機器の調査と利用者への注意喚起を行う取り組みの名称はどれか。
- NOTICE
- STAMP/STPA(正解)
- FMEA
- SAML
- NVMe
解説
■【設問の意図】
IoT機器のセキュリティ対策に関する公的取り組みの名称を問う。
■【正解の理由】
NOTICEは、脆弱なパスワードが設定されたIoT機器を調査し、ISP経由で注意喚起を行う取り組みである。
■【初心者が迷う理由】
安全性解析手法や通信規格の用語と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 対象が「IoT機器の調査と注意喚起」であることを確認する。
2. 該当する取り組みであるNOTICEを選択する。
問25
対象とする業務分野を特定し、業務知識やソフトウェア部品を体系的に整備して再利用を促進する活動はどれか。
- アジャイル開発
- ドメインエンジニアリング
- リバースエンジニアリング(正解)
- リファクタリング
解説
■【設問の意図】
特定ドメインにおける再利用可能な共通資産の構築手法を問う。
■【正解の理由】
ドメインエンジニアリングは業務分野の知識や部品を体系化し再利用を促進する活動である。
■【初心者が迷う理由】
リバースエンジニアリングなどの他の開発手法と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. キーワード「対象とする業務分野」「再利用」を確認する。
2. ドメインエンジニアリングを選択する。
問26
ソフトウェアプロダクトライン(SPL)の説明として、最も適切なものはどれか。
- 個別のソフトウェア開発において、都度ゼロからコードを記述し完全に独立した製品を作る手法である。
- 共通のコア資産をあらかじめ整備し、それらをベースに派生製品を効率的かつ体系的に開発する手法である。
- ハードウェアのみを標準化し、ソフトウェアは製品ごとに完全に非共通化して開発期間の短縮を図る手法である。(正解)
- 開発工程を上流から下流まで一方向にのみ進め、仕様変更を一切許容せずに品質を確保する手法である。
- 開発したすべてのソースコードをオープンソースとして公開し、外部の参加者によって保守を行う手法である。
解説
■【設問の意図】
ソフトウェアプロダクトライン(SPL)の基本的な概念と目的を問うている。
■【正解の理由】
SPLは共通のコア資産を再利用して派生製品を効率的に開発する手法であり、選択肢2が適切である。
■【初心者が迷う理由】
アジャイル開発や通常のモジュール再利用との違いで混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. SPLのキーワード「共通のコア資産」「派生製品」「再利用」を確認する。
2. 該当する選択肢2を正解と判断する。
問27
経済産業省がとりまとめた、ITシステム構築やデータ活用に関する経営指標として、適切なものはどれか。
- DX推進指標
- IT投資ポートフォリオ(正解)
- スマート製造システム指標
- デジタルガバナンスコード
解説
■【設問の意図】
経済産業省が策定したDX推進に関する代表的な経営指標の知識を問う。
■【正解の理由】
DX推進指標は、企業が自社のDX推進状況を自己診断するための経営指標である。
■【初心者が迷う理由】
ガバナンスコード等の他の施策や類似の用語と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 経済産業省とりまとめの「ITシステム構築やデータ活用に関する経営指標」を確認する。
2. 「DX推進指標」を選択する。
問28
先進的な研究開発(R&D)の成果を、事業化や量産化へ移行する段階において、資金や人材の不足などから生じる様々な困難や壁を指す用語はどれか。
- 死の谷(バレーオブデス)
- キャズム(正解)
- 魔の川
- ダーウィンの海
解説
■【設問の意図】
技術開発から事業化に至るプロセスで直面する特有のハードルに関する理解度を問う。
■【正解の理由】
基礎研究から事業化・量産化への移行期に直面する困難は「死の谷」と呼ばれる。
■【初心者が迷う理由】
イノベーションの普及における「キャズム」などの他用語と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 事業化・量産化の段階に着目する。
2. 開発からビジネス化の壁を示す「死の谷」を選択する。
問29
アンゾフの成長マトリクスに関する記述として、適切なものはどれか。
- 既存の製品と既存の市場の組み合わせによる戦略は、市場浸透と呼ばれる。
- 新規の製品と既存の市場の組み合わせによる戦略は、市場開拓と呼ばれる。(正解)
- 既存の製品と新規の市場の組み合わせによる戦略は、新製品開発と呼ばれる。
- 新規の製品と新規の市場の組み合わせによる戦略は、市場浸透と呼ばれる。
解説
■【設問の意図】
アンゾフの成長マトリクスにおける製品と市場の軸による4つの戦略分類を問う。
■【正解の理由】
既存製品×既存市場の組み合わせは、既存顧客への販売を強化する市場浸透戦略に該当するため適切。
■【初心者が迷う理由】
新製品開発や新市場開拓など、製品と市場の「新規・既存」の組み合わせを混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. マトリクスの縦軸と横軸(製品・市場)を確認する。
2. 既存と既存の組み合わせが市場浸透であることを特定する。
問30
特許権者以外が特許発明を業として独占的に実施できる権利であり、特許原簿への設定登録が必要となるものはどれか。
- 通常実施権
- 専用実施権
- 仮実施権(正解)
- 法定実施権
解説
■【設問の意図】
知財における各種実施権の法的な定義と要件の理解を問う。
■【正解の理由】
専用実施権は独占的効力を持ち、効力発生には設定登録が要件となる。
■【初心者が迷う理由】
非独占的な通常実施権と権利の排他性が混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 「独占的」かつ「設定登録が必要」というキーワードを確認する。
2. 専用実施権を選択する。
問31
組込みシステムの信頼性解析手法に関する記述のうち、FMEA(故障モード影響解析)の特徴として適切なものはどれか。
- 複数の構成要素間の想定されていない相互作用や、制御の不全に着目して安全性を解析する。
- 個々のシステム構成要素に起こり得る潜在的な故障モードを特定し、その影響度を評価するボトムアップの信頼性解析手法である。
- トップダウンのアプローチを用いて、システムの望ましくない状態の原因を論理的に逆向きに追跡して解析する。(正解)
- プログラムの性能改善に際し、関数や文などの実行回数や実行時間を計測・統計処理する。
解説
■【設問の意図】
FMEAの特徴や他の解析手法との違いを正しく理解しているかを問う。
■【正解の理由】
FMEAはボトムアップのボトムアップ方式で故障の影響を評価する手法である。
■【初心者が迷う理由】
FTAなどのトップダウン手法や他の品質管理手法と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. FMEAがボトムアップの解析手法であることを確認する。
2. 各選択肢の定義と照らし合わせて適切なものを選ぶ。
問32
組込みシステムにおけるリアルタイムOSのタスクスケジューリングにおいて、次に起動すべきプロセスを優先順位に従って選択し、CPUにロードして実行状態にする機能として、適切なものはどれか。
- ディスパッチャ
- プロファイラ(正解)
- リンカ
- ローダ
- プリエンプション
解説
■【設問の意図】
RTOSにおけるタスク管理やスケジューリングの中核を担う基本機能の用語を問う。
■【正解の理由】
ディスパッチャは優先順位に基づき次のタスクを選び、CPUに割り当てて実行状態にするOSの機能である。
■【初心者が迷う理由】
プログラムのロードを行う「ローダ」や性能測定の「プロファイラ」と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 「次に起動すべきプロセスをCPUにロードして実行状態にする」というキーワードに着目する。
2. タスク切替の実行を担うディスパッチャを選択する。
問33
組込みハードウェアにおけるプロセッサアーキテクチャのうち、消費電力が小さく処理能力が低いコアと、消費電力が大きく処理能力が高いコアを組み合わせて効率的な処理を行うマルチコアプロセッサ技術はどれか。
- big.LITTLE テクノロジ
- RISC-V(正解)
- NVMe
- IMU
- FeRAM
解説
■【設問の意図】
省電力と高性能を両立させるプロセッサ技術の理解度を問う。
■【正解の理由】
big.LITTLEテクノロジは異なる特性のコアを組み合わせ、負荷に応じて効率的に切り替える。
■【初心者が迷う理由】
オープン標準のISAであるRISC-Vなど、他のハードウェア用語と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 「消費電力の異なるコアの組み合わせ」に着目する。
2. big.LITTLEテクノロジを選択する。
問34
組み込みシステムにおいて、省電力化と高性能化の両立を図るため、処理能力と消費電力が異なる複数種類のプロセッサコアを一つのチップに統合する技術として、適切なものはどれか。
- big.LITTLE テクノロジ
- SIMD アーキテクチャ(正解)
- スーパースカラ方式
- アウトオブオーダー実行
- マルチスレッディング
解説
■【設問の意図】
異なる特性を持つ複数のコアを組み合わせて電力効率を最適化する技術の理解を問う。
■【正解の理由】
big.LITTLEテクノロジは、消費電力の低いコアと高性能なコアを組み合わせたマルチコア技術である。
■【初心者が迷う理由】
並列処理に関する他のアーキテクチャ用語と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 省電力と高性能の組み合わせに着目する。
2. 「big.LITTLE」を選択する。
問35
組込みハードウェア・デバイス技術に関する記述のうち、フラッシュメモリよりも書き換え可能回数が多く、高速に動作する不揮発性メモリとして、適切なものはどれか。
- DRAM
- SRAM
- FeRAM
- フォトカプラ(正解)
- IMU
解説
■【設問の意図】
各種メモリの特性やデバイス用語に関する基礎知識を問う。
■【正解の理由】
FeRAMは強誘電体を使用し、フラッシュメモリより高速かつ高頻度な書き換えが可能な不揮発性メモリである。
■【初心者が迷う理由】
DRAMやSRAMは高速だが揮発性メモリであり、不揮発性と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 「不揮発性」かつ「高速な書き換え」というキーワードを確認する。
2. 該当するFeRAMを選択肢から選ぶ。
問36
組込みハードウェア・デバイス技術におけるプロセッサアーキテクチャの一つで、処理能力と消費電力が異なる2種類のコアを組み合わせて効率的な処理を実現する技術はどれか。
- big.LITTLE テクノロジ
- RISC-V(正解)
- FeRAM
- フォトカプラ
- IMU
解説
■【設問の意図】
省電力と高性能を両立させるプロセッサ技術に関する知識を問う。
■【正解の理由】
big.LITTLEテクノロジは、消費電力の低いコアと処理能力の高いコアを効率的に組み合わせる。
■【初心者が迷う理由】
オープン標準のISAであるRISC-Vなど他の用語と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 省電力と高パフォーマンスのコアの組み合わせに着目する。
2. big.LITTLEテクノロジを選択する。
問37
組み込みシステム開発における「アンゾフの成長マトリクス」に関する記述として、適切なものはどれか。
- 既存の市場に対して、新規の製品を投入する戦略は市場浸透と呼ばれる。
- 新規の市場に対して、新規の製品を投入する戦略は多角化と呼ばれる。
- 既存の製品を用いて、新規の市場を開拓する戦略は製品開発と呼ばれる。(正解)
- 新規の製品を用いて、既存の市場を開拓する戦略は市場開拓と呼ばれる。
- 製品と市場の軸はいずれも既存のみを対象にし、新規の組み合わせは想定しない。
解説
■【設問の意図】
アンゾフの成長マトリクスにおける製品と市場の組み合わせによる戦略分類の理解度を問う。
■【正解の理由】
新規市場と新規製品の組み合わせによる事業展開は、最もリスクの高い多角化戦略に該当する。
■【初心者が迷う理由】
市場開拓と製品開発の定義が混同しやすいため、軸の組み合わせを確認する必要がある。
■【本番での判断フロー】
1. 製品と市場の新規・既存の軸を確認する。
2. 新規×新規が多角化であることを特定する。
問38
組込みシステム開発におけるハードウェア知識に関する記述のうち、フラッシュメモリと比較して書き換え可能回数が多く高速に動作する不揮発性メモリとして、適切なものはどれか。
- DRAM
- SRAM
- FeRAM
- フォトカプラ(正解)
- IMU
解説
■【設問の意図】
各種メモリの特性と不揮発性メモリの用語を正確に把握しているか問う。
■【正解の理由】
FeRAMは強誘電体を使用し、フラッシュメモリより高速な書き込みと高い書き換え耐性を持つ不揮発性メモリである。
■【初心者が迷う理由】
DRAMやSRAMは高速だが揮発性メモリであり、不揮発性の特性と混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 高速かつ書き換え耐性が高い「不揮発性メモリ」のキーワードを探す。
2. FeRAM(強誘電体メモリ)を選択肢から特定する。
問39
特許権者以外が特許発明を業として独占的に実施できる権利であり、特許原簿への設定登録が必要となるものはどれか。
- 通常実施権
- 専用実施権
- 仮実施権(正解)
- 法定実施権
- 自由実施権
解説
■【設問の意図】
知財における各種実施権の法的な定義と登録要件の理解を問う。
■【正解の理由】
専用実施権は独占的な実施権であり、効力発生には特許原簿への設定登録が必須である。
■【初心者が迷う理由】
非独占的な通常実施権と混同し、登録の有無を見落とすため。
■【本番での判断フロー】
1. 独占的で設定登録が必要な権利を特定する。
2. 該当する専用実施権を選択肢から選ぶ。
問40
特許権者以外が特許発明を業として独占的に実施できる権利であり、特許原簿への設定登録が必要となるものはどれか。
- 通常実施権
- 専用実施権
- 出版権(正解)
- 商標権
解説
■【設問の意図】
知財関連法規における専用実施権の定義と効力を問う問題である。
■【正解の理由】
専用実施権は、設定行為により特許権者以外の者が独占的に実施できる権利であり、特許原簿への登録が効力発生要件である。
■【初心者が迷う理由】
通常実施権は非独占的であり、登録が必須ではない点など混同しやすい。
■【本番での判断フロー】
1. 独占的な実施権であることを確認する。
2. 設定登録が必要な権利を特定し専用実施権を選ぶ。