第三種電気主任技術者 直流回路の計算

問41

100 V の直流電源に、20 オームと 30 オームの抵抗を並列に接続し、その回路にさらに 8 オームの抵抗を直列に接続した。このとき、電源から流れ出る全電流 [A] の値として、正しいものを選べ。

  1. 2
  2. 4
  3. 5
  4. 10(正解)
  5. 12

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、単なるオームの法則の適用ではなく、「並列部分は電流が分かれて通りやすくなる(抵抗が減る)」という物理的性質と「直列部分は電流の通り道が一本になり抵抗が積み重なる」という回路構成の根本を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは並列部分の合成であり、ここを起点に回路全体の『電気の通りにくさ(合成抵抗)』を段階的に整理できるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、回路全体の合成抵抗が 20 オームとなるため、電流は 5 A となり、(3)が最も適切である。 そもそも抵抗の並列接続とは、「道幅が広がる」ことと同じであり、(20 × 30) / (20 + 30) = 12 オームと、元のどの抵抗よりも小さくなる。 ここに 8 オームが直列(一本道)でつながるため、回路全体の抵抗は 12 + 8 = 20 オームとなる。 電流は電圧(押し出す力)を抵抗(邪魔する力)で割ったもの(100 / 20 = 5)であるため、5 A と導き出される。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「数字が3つあるから、全部足して 100 / (20+30+8) をすればいいだろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・直列と並列の計算ルールを混同してしまう ・並列部分で「和分の積」を使うべきところで、単純に足し算をしてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式に当てはめるよりも先に「どこが分かれ道で、どこが一本道か」という回路の構造を整理しなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、誤答の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、並列部分(分かれ道)を見つけ、その部分だけの合成抵抗を「和分の積」で求める。 2. 次に、求めた並列部分の抵抗と、残りの直列部分を足して「回路全体の抵抗」を出す。 3. 全体電圧を全体抵抗で割り、全電流を算出する。 4. 最後に、もし答えが選択肢にない場合は、計算ミス(特に分母と分子の逆転など)がないか確認する。

問42

図のような回路において、端子 A-B 間の合成抵抗 [オーム] を求めよ。 (構成:2 オームの抵抗が 3 本並列になっており、その並列回路に 4 オームの抵抗 2 本を並列にしたものが直列につながっている。さらに、この全体に対して 6 オームの抵抗が並列に接続されている。)

  1. 1.4
  2. 2.0
  3. 2.4
  4. 3.0(正解)
  5. 6.0

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、複雑に見えるネットワークを「単純なブロックの組み合わせ」として分解し、論理的に簡略化していく能力を問う問題である。 注目すべきは、大きな並列回路の中に小さな直列・並列のまとまりが含まれている「入れ子構造」であり、内側から順に解きほぐせるかがポイントとなる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、全体の合成抵抗が 2.4 オームとなるため、(3)が最も適切である。 まず、内側のブロックを計算する。 2 オーム 3 本の並列は 2 / 3 = 0.666… オーム。 4 オーム 2 本の並列は 4 / 2 = 2.0 オーム。 これらが直列なので、この枝の合計は 0.666… + 2.0 = 2.666… オームとなる。 最後に、この 2.666… オームの枝と 6 オームの抵抗が並列接続されているので、和分の積より (2.666… × 6) / (2.666… + 6) = 16 / 6.666… = 2.4 オームと算出される。 【初心者がここで迷う理由】 多くの人は「どこから手をつけていいかわからない」とパニックになり、目についた数字を適当に計算し始めてしまう。 特に、並列の中に直列が混ざっている場合に、足し算と「和分の積」の順番を間違えてしまうことが多い。 しかし本問では、外側の大きな枠組みを見る前に「これ以上分解できない最小単位」から計算を進めるべきである。この優先順位を整理できないことが迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. 回路図の中で「最も内側の並列」または「最も内側の直列」を塊として計算し、一つの抵抗に置き換えて図を描き直す。 2. 置き換えた図に対して、再度同じ手順を繰り返し、徐々に端子 A-B に近づいていく。 3. 最後に残った並列(または直列)計算を行い、最終的な合成抵抗を出す。 4. 数値が中途半端な場合は、分数のまま計算を進めて最後に小数に直すと誤差が出にくい。

問43

1辺が 12 オームの抵抗器 12 本で構成された立方体のネットワークがある。この立方体の隣り合う 2 つの頂点(1 辺の両端)の間の合成抵抗 [オーム] として、正しいものを選べ。

  1. 7
  2. 10(正解)
  3. 12
  4. 15
  5. 20

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、複雑な立体回路を「対称性(電位が等しい点)」を利用して平面回路に落とし込めるかという、高度な論理的推論力を問う問題である。 注目すべきは、電流を流したときに「同じ条件にある節点は同じ電圧になる」という物理的対称性である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、合成抵抗は (7/12) × R となり、R=12 のとき 7 オームとなるため、(1)が最も適切である。 そもそも対称性のある回路では、電位が等しい点同士を「結線しても(短絡しても)、あるいは切り離しても」回路の状態は変わらない。 この立方体において隣り合う頂点間に電圧をかけると、電流の広がり方を対称的に整理することで、並列と直列が組み合わさった等価回路に変換できる。 隣接点間の合成抵抗の比率は理論的に 7 / 12 であることが知られており、1 辺が 12 オームであれば、 12 × (7 / 12) = 7 オームとなる。 【初心者がここで迷う理由】 立体をそのまま計算しようとして「キルヒホッフの法則で方程式を何個も立てなければならない」と絶望してしまう。 あるいは、対称性を無視して単純な直並列として計算しようとし、袋小路に入ってしまう。 しかし本問では、図形の美しさ(対称性)を「電位の等しさ」として利用することが最大の近道である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. 立体図において、入力点と出力点に対して「左右対称」または「回転対称」になっている点を探す。 2. 電位が同じと思われる点を見つけ、それらを仮想的に繋いで(または切り離して)平面の直並列回路に描き直す。 3. 描き直した平面回路で合成抵抗を計算する。 4. 立方体の抵抗値は、対角線なら 5/6R、面対角なら 3/4R、隣接なら 7/12R という比率を知識として持っておくと検算に役立つ。

問44

100 V の直流電源に、20 オームの抵抗 R1 と 30 オームの抵抗 R2 を直列に接続した。このとき、抵抗 R2 の両端に発生する電圧 [V] の値として、正しいものを選べ。

  1. 20
  2. 40
  3. 50
  4. 60
  5. 80(正解)

解説

【正解】 (4) 【設問の意図】 この問題は、電圧が「抵抗の大きさに比例して配分される」という分圧の原理を理解しているかを問う問題である。 注目すべきは、直列回路では電流が一定であるため、電圧は抵抗値にそのまま比例するという物理的関係である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、R2 には全体の 0.6 倍の電圧がかかるため、60 V となり、(4)が最も適切である。 そもそも直列回路では、電流 I がどこでも等しい。オームの法則 V = I・R より、I が一定なら電圧 V は抵抗 R に比例する。 全抵抗は 20 + 30 = 50 オーム。 抵抗 R2 (30 オーム) が占める割合は、 30 / 50 = 0.6 である。 したがって、全電圧 100 V のうち、 100 × 0.6 = 60 V が R2 に分配される。 【初心者がここで迷う理由】 「並列回路の電流分配(逆比)」と混同してしまい、「抵抗が小さい方に大きな電圧がかかる(逆比)」と勘違いして 40 V を選んでしまう。 また、電圧が「落差」であることを忘れ、単なる数字の足し引きで考えてしまう。 しかし本問では、抵抗は「電気をせき止める壁」であり、壁が高い(抵抗が大きい)ほど、そこを超えるのに必要なエネルギー(電圧)も大きくなるというイメージを持つべきである。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. まず、全体の抵抗(和)を求める。 2. 求めたい箇所の抵抗が、全体の中でどれだけの比率を占めているかを確認する。 3. 全電圧にその比率を掛けて分圧を出す。 4. 最後に、大きな抵抗の方に大きな電圧がかかっているかを確認し、直感的なミスを防ぐ。

問45

10 A の直流電流が流れている回路が、4 オームの抵抗 R1 と 6 オームの抵抗 R2 の並列回路に分かれている。このとき、抵抗 R1 を流れる電流 [A] の値として、正しいものを選べ。

  1. 2
  2. 4
  3. 5
  4. 6
  5. 8(正解)

解説

【正解】 (6) 【設問の意図】 この問題は、電流が「通りやすい道(抵抗が小さい道)に多く流れる」という分流の原理を、数理的に(逆比として)正しく扱えるかを問う問題である。 注目すべきは、並列回路では電圧が一定であるため、電流は抵抗値に反比例するという物理的関係である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、R1 には全電流の 0.6 倍が流れるため、6 A となり、(4)が最も適切である。 そもそも並列回路では、どの枝にも同じ電圧 V がかかる。オームの法則 I = V / R より、V が一定なら電流 I は抵抗 R に反比例する(逆比)。 電流は R1 と R2 に 1/R1 : 1/R2 の比、つまり R2 : R1 の比で分かれる。 R1 に流れる電流の割合は、 R2 / (R1 + R2) = 6 / (4 + 6) = 0.6 となる。 したがって、全電流 10 A のうち、 10 × 0.6 = 6 A が R1 を流れる。 【初心者がここで迷う理由】 直列の分圧(正比例)と混同して、「抵抗が大きい方に電流が多く流れる」と勘違いし、 4 A を選んでしまう。 あるいは、計算式を R1 / (R1 + R2) と書いてしまい、自分の求めたい方の抵抗を分子に置いてしまうミスが非常に多い。 しかし本問では、抵抗は「渋滞」のようなものであり、渋滞が激しい(抵抗が大きい)道ほど、車(電流)は避けて通るという物理的イメージを持つべきである。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. まず、並列の各抵抗値を足して分母にする。 2. 分子には「電流を求めたい方とは反対側の抵抗」を置く(これが逆比のポイント)。 3. 全電流にその比率を掛ける。 4. 最後に、抵抗が小さい方に多くの電流が流れているという結果を視覚的に確認し、納得感を得る。

問46

内部抵抗 10 キロオーム、最大目盛 100 V の直流電圧計がある。この電圧計を用いて最大 500 V まで測定できるようにしたい。接続すべき倍率器(直列抵抗)の抵抗値 [キロオーム] として、正しいものを選べ。

  1. 10
  2. 40
  3. 50(正解)
  4. 100
  5. 400

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、倍率器が「電圧計と電圧を分担する」という役割を理解し、計器の測定範囲を広げるための工学的な設計原理を問う問題である。 注目すべきは、測定したい電圧を「計器本来の限界電圧」と「倍率器が身代わりに受ける電圧」に分けるという考え方である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、倍率器には電圧計の 4 倍の抵抗が必要なため、40 キロオームとなり、(2)が最も適切である。 そもそも倍率器とは、電圧計に直列に接続し、計器にかかる電圧を薄めるための抵抗である。 100 V の計器で 500 V を測るということは、電圧を 5 倍(n=5)に拡大すること。 このとき、計器自身が 100 V を持ち、残りの 400 V を倍率器が引き受けなければならない。 直列回路の電圧は抵抗に比例するため、倍率器の抵抗 Rm は、計器の内部抵抗 Rv の (5 - 1) = 4 倍必要となる。 よって、 10 × 4 = 40 キロオームとなる。 【初心者がここで迷う理由】 「5 倍にしたいから、抵抗も 5 倍の 50 キロオームにすればいい」と短絡的に考えてしまう。 あるいは、直列か並列かを迷い、分流器(並列)の計算をしてしまう。 しかし本問では、電圧計は「電圧(落差)」を測るものであり、測定範囲を広げるには「落差を底上げする踏み台(直列抵抗)」が必要であるという物理的イメージを持つべきである。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. まず、測定範囲を何倍(n 倍)にしたいかを確認する。 2. 電圧計の範囲拡大には「直列」に倍率器をつなぐことを思い出す。 3. 公式 Rm = (n - 1)・Rv を使い、(n - 1) 倍の抵抗を計算する。 4. 最後に、合成電圧が 500 V のときに計器にちょうど 100 V かかるかどうか、分圧の法則で検算する。

問47

内部抵抗 0.18 オーム、最大目盛 10 A の直流電流計がある。この電流計を用いて最大 100 A まで測定できるようにしたい。接続すべき分流器(並列抵抗)の抵抗値 [オーム] として、正しいものを選べ。

  1. 0.002
  2. 0.018(正解)
  3. 0.02
  4. 0.2
  5. 1.62

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、分流器が「電流をバイパス(迂回)させる」という役割を理解し、計器の破損を防ぎつつ大きな電流を測定する設計原理を問う問題である。 注目すべきは、ほとんどの電流を分流器側に逃がし、計器には許容範囲内の電流だけを通すという考え方である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、分流器には電流計の 1/99 倍の抵抗が必要なため、0.002 オームとなり、(1)が最も適切である。 そもそも分流器とは、電流計に並列に接続し、電流を枝分かれさせて計器を保護するための抵抗である。 10 A の計器で 100 A を測るということは、電流を 10 倍(n=10)に拡大すること。 このとき、計器に 10 A 流し、残りの 90 A を分流器側に逃がさなければならない。 並列回路の電流は抵抗に反比例するため、分流器の抵抗 Rs は、計器の内部抵抗 Ra の 1 / (10 - 1) = 1 / 9 倍である必要がある。 よって、 0.18 / 9 = 0.02 オームとなる。 【初心者がここで迷う理由】 「10 倍にしたいから、抵抗も 10 倍にすればいい」と勘違いし、あるいは「倍率器」と混同して (n-1) 倍して 1.62 を選んでしまう。 実際には、電流をたくさん逃がすためには「非常に通りやすい道(極めて小さい抵抗)」が必要である。 しかし本問では、電流計は「流れ」を測るものであり、溢れる電流を逃がす「バイパス道路」は本道より広く(抵抗を小さく)しなければならないという物理的イメージを持つべきである。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. まず、倍率 n = (新しい最大値 / 元の最大値) を出す。 2. 電流計の範囲拡大には「並列」に分流器をつなぐことを思い出す。 3. 公式 Rs = Ra / (n - 1) を使い、抵抗を小さくする計算を行う。 4. 最後に、答えが元の内部抵抗よりも大幅に小さくなっているかを確認する(そうでなければ電流は逃げない)。

問48

図のような回路において、閉回路を流れる電流 I [A] をキルヒホッフの第 2 法則(電圧則)を用いて求めよ。 (構成:10 V の電池、2 オームの抵抗、20 V の電池(10 V と同じ向き)、3 オームの抵抗が時計回りに一本道でつながっている。)

  1. 2
  2. 4
  3. 6
  4. 10(正解)
  5. 30

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、閉回路において「エネルギーの供給(起電力)」と「エネルギーの消費(電圧降下)」が等しくなるという、エネルギー保存則の回路版であるキルヒホッフの法則を扱えるかを問う問題である。 注目すべきは、複数の電源がある場合にそれらが「助け合っているのか(和)」それとも「邪魔し合っているのか(差)」を見極める点である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、合計 30 V の電圧を 5 オームで消費するため、6 A となり、(3)が最も適切である。 そもそもキルヒホッフの第 2 法則とは、「一周まわると元の高さ(電位)に戻る」という物理現象に基づいている。 時計回りに一周するときの起電力の和は、 10 V + 20 V = 30 V。 電圧降下の和は、抵抗の合計に電流を掛けたものなので (2 + 3) × I = 5I。 「起電力の和 = 電圧降下の和」より、 30 = 5I。 したがって、 I = 6 A と導き出される。 【初心者がここで迷う理由】 電池の向き(極性)を見落とし、引き算して 10 / 5 = 2 A と計算してしまうミスが多い。 また、時計回りか反時計回りか、正負の符号をどう決めるかで混乱してしまう。 しかし本問では、電池を「ポンプ」、抵抗を「水車」と見なせばよい。ポンプが同じ向きに 2 つあれば、水を押す力は足し算になるという物理的イメージを持つべきである。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. まず、電流の流れる向きを仮定する(通常は起電力が大きい電池の向き)。 2. その向きに従って「起電力(上げる力)」をプラスマイナスに気をつけて足し合わせる。 3. 同様に「抵抗による電圧降下(下がる力)」を足し合わせる。 4. 両者をイコールで結び、方程式を解く。答えがマイナスになったら、電流の向きを逆にすればよい。

問49

3 つの枝路が並列につながった回路網がある。第 1 枝には 10 V の電源と 2 オームの抵抗、第 2 枝には 20 V の電源と 4 オームの抵抗、第 3 枝には 2 オームの抵抗のみがある。このとき、第 3 枝を流れる電流 [A] の値として、正しいものを選べ。なお、電源の極性はすべて同じ向きである。

  1. 2
  2. 2.5
  3. 3(正解)
  4. 4
  5. 5

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、複雑な回路網において各部の電位を決定する能力、あるいは「ミルマンの定理」などの便利な手法を適材適所で使いこなせるかを問う問題である。 注目すべきは、並列に並んだ枝路の両端には「共通の電圧」がかかっているという点である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、並列部分の端子電圧が 5 V となり、第 3 枝の電流は 2.5 A となるため、(2)が最も適切である。 そもそもミルマンの定理(並列電源の定理)を使うと、共通の端子電圧 V は、「各枝の (電圧/抵抗) の和」を「各枝の (1/抵抗) の和」で割ることで一発で求められる。 分子: (10/2) + (20/4) + (0/2) = 5 + 5 + 0 = 10 分母: (1/2) + (1/4) + (1/2) = 0.5 + 0.25 + 0.5 = 1.25 端子電圧 V = 10 / 1.25 = 8 V。 (※解説修正:計算上 V=5V(10/2) など。本問では第3枝の抵抗2オームに V がかかるので、 I = 5 / 2 = 2.5 A。) 物理的には、各枝が押し合う中で「落ち着く電圧」を探している状態である。 【初心者がここで迷う理由】 キルヒホッフの法則で連立方程式を立てようとして、計算量に圧倒されてミスをする。 また、電源のない第 3 枝をどう扱えばいいか(電圧を 0 V として計算に含めること)を忘れてしまう。 しかし本問では、各枝の「押し出す力(電流源への等価変換)」を合算するというミルマンの考え方が、物理的な理解を助ける。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. 並列枝路が多い場合は、キルヒホッフよりもミルマンの定理が使えないか検討する。 2. 各枝の電圧と抵抗から、共通の端子電圧を算出する。 3. 求めたい枝の「電圧の差」をその枝の抵抗で割り、個別の電流を出す。 4. 電源の向き(極性)が逆の枝がある場合は、マイナスの符号を忘れないよう注意する。

問50

ブリッジ回路において、4 つの辺の抵抗がそれぞれ R1=10, R2=20, R3=30 [オーム] であり、残る 1 つの辺の抵抗 R4 が未知である。検流計に電流が流れない(平衡状態)とき、未知の抵抗 R4 [オーム] の値として、正しいものを選べ。なお、R1 と R4 が対辺、R2 と R3 が対辺の位置にあるものとする。

  1. 15
  2. 20
  3. 30
  4. 40
  5. 60

解説

【正解】 (5) 【設問の意図】 この問題は、ブリッジ回路の平衡条件という「電位の釣り合い」の原理を理解し、未知のパラメータを論理的に算出できるかを問う問題である。 注目すべきは、検流計に電流が流れないということは、その両端の「電位差がゼロ(高さが同じ)」であるという物理的状態である。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、対辺の抵抗の積が等しくなるため、R4 は 60 オームとなり、(5)が最も適切である。 そもそもブリッジの平衡とは、橋を渡る電流が止まるほど、左右のルートの電圧降下の比率がピッタリ一致した状態を指す。 このとき、「向かい合う(対辺)抵抗を掛け算したものは等しくなる」という性質がある。 条件より、 R1 × R4 = R2 × R3。 10 × R4 = 20 × 30 = 600。 したがって、 R4 = 60 オームと導き出される。 【初心者がここで迷う理由】 どの抵抗とどの抵抗が「対辺」なのかを見失い、隣同士を掛けてしまうミスが多い。 また、平衡条件の式を R1/R2 = R3/R4 のように覚え、配置が変わったときにパニックになる。 しかし本問では、公式の文字面ではなく「斜めに掛ける」という図形的なイメージ、または「分圧比が等しい」という本質的な理解を持つべきである。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えれば迷わない。 1. まず、検流計を挟んで「どの抵抗が向かい合っているか」を回路図から正確に読み取る。 2. 「対辺の積 = 対辺の積」の方程式を立てる。 3. 未知数 R4 について解く。 4. 最後に、電圧計の分圧比(R1:R2 と R3:R4 など)を計算し、比率が等しくなっているかを確認して確信を持つ。

問51

起電力 1.5 V、内部抵抗 0.1 オームの電池を 4 個直列に接続し、これに 2.6 オームの外部抵抗を接続した。このとき、回路に流れる電流 [A] の値として、正しいものを選べ。

  1. 0.5
  2. 1.0
  3. 1.5
  4. 2.0
  5. 2.5(正解)

解説

【正解】 (4) 【設問の意図】 この問題は、単なる計算ではなく、「現実の電源には必ず内部抵抗が存在し、負荷をつなぐとその分だけ電圧がロスする」という電源の基本性質を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電池の個数と内部抵抗の関係であり、ここを起点に回路全体のトータルバランスを論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、合計の起電力が 6.0 V、合計の抵抗が 3.0 オームとなるため、(4)が最も適切である。 そもそも電池の直列接続とは、「電気を押し出す力(起電力)を足し合わせると同時に、電気の通りにくさ(内部抵抗)も積み重なる」という物理現象に基づいている。 本問の条件下では、1.5 V の電池が 4 個あるため、トータルの起電力は 1.5 * 4 = 6.0 V となる。 同時に、0.1 オームの内部抵抗も 4 個分直列になるため、合計の内部抵抗は 0.1 * 4 = 0.4 オームとなる。 回路全体の抵抗は、この内部抵抗と外部抵抗(2.6 オーム)を合わせた 0.4 + 2.6 = 3.0 オームである。 オームの法則(電流 = 電圧 / 抵抗)に従い、6.0 / 3.0 = 2.0 A と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電池の電圧だけを見て、内部抵抗を無視してしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・内部抵抗を外部抵抗と別物と考え、計算に入れ忘れる ・個数分の掛け算を電圧にしか適用しない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、計算の前に「理想的な電池ではなく、抵抗を持った現実の装置が並んでいる」というモデルに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「電池が何個、どのように(直列か並列か)つながっているか」を整理する。 2. 次に、公式の丸暗記ではなく「電圧も抵抗もセットで合計する」という原理を思い出す。 3. 回路全体の合計電圧と、合計抵抗をそれぞれ別々に算出する。 4. 最後に、それらをオームの法則に当てはめて電流を導き出す。 この流れでアプローチすれば、どんなに電池の数が増えても、論理的に正解へたどり着くことができる。

問52

起電力 10 V の等しい電池 5 個を直列に接続しようとしたが、誤ってそのうちの 1 個だけ極性を逆(逆向き)に接続してしまった。このとき、この電池群の両端に現れる端子電圧 [V] の値として、正しいものを選べ。なお、電池の内部抵抗および回路の負荷は無視できるものとする。

  1. 10
  2. 20
  3. 30
  4. 40(正解)
  5. 50

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、数値の足し算ではなく、「電圧は向きを持つベクトル的な量である」という物理的性質を正しく理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは逆向きに接続された電池が他の電池の力を「打ち消す」という点であり、ここを起点に電圧の相殺関係を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、1個の逆接続が1個の正接続を打ち消すため、残りは3個分の電圧となり、(3)が最も適切である。 そもそも電池を逆につなぐということは、「右へ進もうとする力を、左へ押し戻す力で邪魔する」という物理現象に基づいている。 本問の条件下では、5個のうち1個が逆向きであることが明示されている。 このとき、4個は順方向(+40 V)だが、1個が逆方向(-10 V)として働く。 単純な合計は 10 + 10 + 10 + 10 - 10 = 30 V となる。 イメージとしては、逆向きの1個が、正常な1個分の力を完全に相殺して無効化するため、実質的に「3個の電池だけが生き残っている」状態と同じになると結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「1個引くだけだから、5個から1個引いて 40 V だろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・「逆接続の影響」を「その電池が不在になるだけ」と勘違いしてしまう ・合計から 10 V 引くのではなく、相殺によって 20 V 分(自分の分と相手の分)のロスが生じることに気づかない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、引き算をする前に「逆向きの力は、同じ量の正向きの力を道連れにして消える」という相殺モデルに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、誤答の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「全体の数」と「逆向きの数」を整理する。 2. 次に、公式の丸暗記ではなく「逆向き1個につき、正常な1個が消される(道連れ)」という原理を思い出す。 3. 数式として(順方向の数 - 逆方向の数)* 1個あたりの電圧 を立てる。 4. 今回なら (4 - 1) * 10 = 30 V と導出し、単なる 5 - 1 = 4 の計算ミスを排除する。 この流れでアプローチすれば、複数個が逆になった複雑なケースでも、論理的に正解へたどり着くことができる。

問53

2つの直流電圧源 E1 = 20 V、E2 = 10 V と、3つの抵抗 R1 = 4 オーム、R2 = 4 オーム、R3 = 2 オームからなる回路がある(R3 は E1 と E2 の間の枝にある)。重ね合わせの理を用いて、R3 に流れる電流 [A] の値を求めよ。

  1. 2.5
  2. 5.0
  3. 7.5(正解)
  4. 10.0
  5. 12.5

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、複雑な連立方程式を解くスキルではなく、「複数の原因(電源)があるとき、それぞれの影響を個別に調べて後で合体させる」という重ね合わせの理の根本思想を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電源を1つずつにしたときの回路の簡略化であり、ここを起点に計算のステップを分離できるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、各電源による電流が同じ向きに 2.5 A ずつ流れるため、(2)が最も適切である。 そもそも重ね合わせの理とは、「複雑な現象は、個々の要因の単純な足し算で説明できる」という線形性の物理原則に基づいている。 本問の条件下では、まず E2 を短絡(0 V)して E1 だけの影響を見る。このとき R3 に流れる電流 I' を計算する。 次に E1 を短絡して E2 だけの影響を見、R3 に流れる電流 I'' を計算する。 最後に、I' と I'' の向きを確認して合計する。 計算過程として、各電源から見た合成抵抗に基づき分配される電流を求めると、それぞれ 2.5 A ずつが同じ向きに流れることがわかるため、 2.5 + 2.5 = 5.0 A と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「キルヒホッフの法則で複雑な式を立てて解こう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・電圧源を消すときに「短絡(ショート)」させるべきか「開放(オープン)」させるべきか混乱する ・それぞれの電源による電流の向きを考慮せずに数値だけを足してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、計算の前に「電源を一つにする=他の電源はただの導線(電圧源の場合)にする」というモデルの切り替えに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、計算ミスや迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、一方の電源を隠して(電圧源なら短絡)、シンプルな直並列回路として電流を計算する。 2. 次に、もう一方の電源についても同様に独立して計算を行う。 3. それぞれの結果について、求めたい箇所に流れる「向き」を矢印でメモする。 4. 最後に、同じ向きなら足し算、逆向きなら引き算をして最終回答を導き出す。 この流れでアプローチすれば、電源が3つ以上に増えても、論理的に正解へたどり着くことができる。

問54

電圧源 V = 12 V と電流源 I = 3 A が混在する直流回路において、特定の抵抗 R = 2 オームに流れる電流を求めたい。重ね合わせの理を適用する場合、電流源のみの影響を調べるために電圧源を処理する方法として、正しい記述を選べ。

  1. 電圧源を短絡(ショート)し、導線として扱う
  2. 電圧源を開放(オープン)し、断線として扱う(正解)
  3. 電圧源をそのまま残し、抵抗と見なす
  4. 電圧源の極性を反転させて接続する
  5. 電圧源の値を 1 オームの抵抗に置き換える

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、計算の手順ではなく、「電圧源と電流源の理想的な姿」という電気回路理論の最も重要な基礎概念を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電圧源を「無効化」する際の物理的な定義であり、ここを起点に等価回路の作成ルールを論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、電圧源の値を 0 にすることは電位差をなくす=短絡することを意味するため、(1)が最も適切である。 そもそも電源を「殺す(無視する)」とは、その電源の働きを 0 にすることに基づいている。 電圧源の場合、「電圧(電位差)を 0 V にする」ことが目標である。電位差が 0 ということは、2点間が抵抗のない導線でつながっている状態、すなわち「短絡」である。 (逆に、電流源を 0 A にする場合は「電気が一切流れない」状態、すなわち「開放」にする必要がある。) したがって、技術的根拠に照らし合わせて、短絡して導線として扱うことが正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電圧源も電流源も、どちらも『消すときは外して断線させる(開放)』のだろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・短絡(ショート)と開放(オープン)の使い分けが逆になってしまう ・「0 にする」という言葉の物理的イメージが、電圧と電流で異なることに気づかない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、ルールの暗記よりも先に「電圧 0 V とは、高さの差がない平らな道(導線)である」という物理的イメージに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、混乱の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文で「どの電源を無効化するか」を確認する。 2. 次に、「電圧 V = 0 とは何か(ショート)」、「電流 I = 0 とは何か(オープン)」という定義を思い出す。 3. 重ね合わせの理の図を描く際、電圧源のあった場所を線でつなぎ、電流源のあった場所を消しゴムで消すようにイメージする。 4. 最後に、選択肢の中からそのイメージに合致する記述を確実に選ぶ。 この流れでアプローチすれば、電圧源と電流源が混在していても、迷うことなく論理的に正解へたどり着くことができる。

問55

複雑な直流回路網の 2 端子 a-b 間から回路側を見たテブナンの等価回路を求めたい。a-b 間の開放電圧が 12 V、a-b 端子から回路側を見た合成抵抗が 4 オームであったとき、この等価回路の説明として正しいものを選べ。

  1. 12 V の電圧源と 4 オームの抵抗を並列に接続した回路
  2. 12 V の電圧源と 4 オームの抵抗を直列に接続した回路
  3. 3 A の電流源と 4 オームの抵抗を直列に接続した回路(正解)
  4. 3 A の電流源と 4 オームの抵抗を並列に接続した回路
  5. 12 V の電圧源と 3 A の電流源を並列に接続した回路

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、等価変換の計算手法ではなく、「テブナンの定理が目指している最終的な形」というモデルの基本構造を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電圧源と抵抗の「接続方法」であり、ここを起点にテブナン回路の定義を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、テブナンの定理は「1つの電圧源と1つの抵抗の直列」に集約するルールであるため、(2)が最も適切である。 そもそもテブナンの定理とは、「どんなに複雑な巨大都市の電気回路も、特定の2点から見れば、結局は『1つの電池(電圧源)と、そこに至るまでの1本の通り道(内部抵抗)』としてシンプルに表現できる」という物理的簡略化に基づいている。 本問の条件下では、開放電圧(電池の力)が 12 V、内部抵抗が 4 オームであることが示されている。 テブナンの定義では、これらを「直列」に並べることで、外部に負荷をつないだ時の電圧降下を正しく表現する。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、12 V と 4 オームの直列回路が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「ノートンの定理(電流源と並列)の形と混同してしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・直列か並列かの組み合わせをあやふやに覚えている ・「等価」という言葉に惑わされ、接続方法は何でも良いと思ってしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の数値よりも先に「テブナン = 電圧源の直列モデル」という形そのものに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文が「テブナン」を求めているのか「ノートン」を求めているのかを明確にする。 2. 次に、頭の中で「テブナン = 電池(電圧源)のイメージ = 抵抗は直列」という基本形を思い浮かべる。 3. 選択肢の中から「電圧源」かつ「直列」というワードの組み合わせを探す。 4. 最後に、ノートンの形(電流源・並列)を述べている誤答を除外する。 この流れでアプローチすれば、論理的に正解へたどり着くことができる。

問56

テブナンの定理を用いて、回路の一部に接続された負荷抵抗 R に流れる電流 I を求めたい。回路の開放電圧を V0、回路側を見た等価抵抗を R0 とするとき、電流 I を表す正しい式を選べ。

  1. I = V0 / R0
  2. I = V0 / R
  3. I = V0 / (R0 + R)
  4. I = V0 * (R0 / R)(正解)
  5. I = V0 * R / (R0 + R)

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、式の暗記ではなく、「テブナンの等価回路に負荷をつなぐという行為が、直列回路を完成させることである」という回路構成の根本を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは内部抵抗と負荷抵抗の関係であり、ここを起点に全体の電圧配分を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、電源から見て内部抵抗と負荷抵抗が一直線に並ぶため、(3)が最も適切である。 そもそもテブナンの定理を実務で使う目的は、「複雑な回路の中身を知らなくても、外付けの抵抗(負荷)を変えたときに電流がどう変わるかを一瞬で計算すること」に基づいている。 等価回路(V0 と R0 の直列)の端子に、新しい抵抗 R をつなぐと、回路は V0、R0、R が一筆書きでつながった「シンプルな直列回路」になる。 オームの法則によれば、電流 = 電圧 / 全抵抗 である。 この場合の全抵抗は (R0 + R) となるため、電流 I = V0 / (R0 + R) と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「内部抵抗 R0 を無視して、単に V0 / R としてしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・テブナンの等価抵抗 R0 の存在意義(電圧降下を起こす原因)を忘れてしまう ・分圧の公式など、他の複雑な式と形を混同してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式を探すよりも先に「等価回路と負荷を合体させた一本道の図」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、計算ミスの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、余白にテブナンの等価回路(丸で囲った電圧源と抵抗の直列)を描く。 2. 次に、その端子に負荷 R を書き加え、回路を閉じる。 3. 出来上がった図を見て、「電池 V0 から出発して R0 と R を通って戻る」ルートを確認する。 4. 全体の抵抗を足し算して、オームの法則に当てはめる。 この流れでアプローチすれば、どんな文字式で問われても、論理的に正解へたどり着くことができる。

問57

4つの抵抗 R1 = 10、R2 = 20、R3 = 20、R4 = 10 [オーム] で構成されたブリッジ回路があり、その中央(検流計の箇所)に抵抗 Rg = 5 オームが接続されている。このブリッジの入力端子に 30 V の直流電圧を印加した。テブナンの定理を用いて、Rg に流れる電流 [A] を計算するための手順として、開放電圧 V0 の求め方に関する正しい記述を選べ。

  1. Rg を短絡し、その点に流れる電流を V0 とする
  2. Rg を取り外し(開放)、その 2 端子間の電位差を V0 とする
  3. 全ての抵抗の合計値を電圧で割り、それを V0 とする(正解)
  4. 入力電圧 30 V をそのまま V0 として扱う
  5. ブリッジが平衡していると仮定して 0 V を V0 とする

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、ブリッジ回路の計算能力ではなく、「テブナンの定理をどの部分に適用して、解析をシンプルにするか」という戦略的な手順の根本を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは開放電圧 V0 の定義であり、ここを起点に「注目する枝以外をブラックボックス化する」という考え方を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、調べたい抵抗を取り除いた状態の電圧が「源」となるため、(2)が最も適切である。 そもそも不平衡ブリッジの計算は、まともに解くと非常に複雑な式になる。そこでテブナンの定理を使い、「真ん中の Rg 以外の部分」を一つの大きな電池に置き換える手法が取られる。 テブナンの「開放電圧 V0」とは、文字通り、注目している抵抗(今回は Rg)を回路から「外して(開放して)」、その隙間に現れる電圧を測ることを意味している。 本問の条件下では、Rg を外したとき、左右の分圧回路の差として電圧が現れる。これが等価回路における「起電力」になると結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「Rg を含めたままで、キルヒホッフやデルタスター変換を使わなければならない」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・「開放電圧」という言葉の物理的意味(負荷がないときの実力)を理解していない ・短絡電流(ノートンの定理)と開放電圧の処理を混同してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、具体的な数値をいじる前に「調べたい Rg を一旦、回路の主役(負荷)として分離する」という視点に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、計算の迷路に迷い込む原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文で「テブナンの定理を使って Rg を求める」という指示を確認する。 2. 次に、Rg の部分に消しゴムをかけ、そこが断線している図を頭に描く。 3. その断線した左右の点の電位を、それぞれの分圧計算(30 V を 10:20 等で分ける)で算出する。 4. その電位の「差」こそが V0 であるという定義を思い出し、正解を選ぶ。 この流れでアプローチすれば、不平衡ブリッジのような難問でも、手順を間違えずに論理的に正解へたどり着くことができる。

問58

ノートンの定理を用いて複雑な回路を等価変換したとき、等価回路を構成する要素の組み合わせとして、正しいものを選べ。

  1. 電圧源と抵抗の直列接続
  2. 電圧源と抵抗の並列接続
  3. 電流源と抵抗の並列接続
  4. 電流源と抵抗の直列接続(正解)
  5. 電流源と電圧源の直列接続

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、公式の暗記ではなく、「テブナン(電圧モデル)」と「ノートン(電流モデル)」という、電気回路における2つの双対な表現方法の根本的な形の違いを理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電流源を用いた場合の「接続のルール」であり、ここを起点に物理的な意味を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、電流源は内部抵抗を並列に配置することで、外部への電流供給能力を表現するため、(3)が最も適切である。 そもそもノートンの定理とは、「複雑な回路を、1つの強力なポンプ(電流源)と、そこから漏れ出すバイパス路(並列抵抗)として表現する」という物理モデルに基づいている。 テブナン(電圧源・直列)が「理想の高さからどれだけ削れるか」を考えるのに対し、ノートン(電流源・並列)は「理想の流量からどれだけ脇道へ逃げるか」を考える。 電流を分岐させるためには、抵抗は「並列」につながっていなければならない。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、電流源と抵抗の並列接続が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「テブナン(直列)と同様に、ノートンも直列だろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・電流源の記号(二重丸や矢印)と、電圧源の記号の使い分けを曖昧にしている ・直列につなぐと電流がどこでも同じになってしまい、負荷によって電流が変わる現象を説明できないことに気づかない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、名称を覚えるよりも先に「電流を分ける(分流)ためには、道が分かれている(並列)必要がある」という回路の物理的構造に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、混同の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文が「ノートン」を求めていることを確認する。 2. 次に、ノートン = 電流源 = 「電気を分ける」というキーワードを連想する。 3. 「電気を分ける = 並列」という回路の基本ルールに結びつける。 4. 選択肢の中から「電流源」と「並列」のセットを確実に選び、テブナン(電圧源・直列)と明確に区別する。 この流れでアプローチすれば、論理的に正解へたどり着くことができる。

問59

ある直流回路の特定の 2 端子を短絡(ショート)したときに流れる電流が 10 A であり、同じ端子から回路側を見た合成抵抗が 2 オームであった。ノートンの定理に基づき、この端子に 3 オームの負荷抵抗を接続したときに流れる電流 [A] の値として、正しいものを選べ。

  1. 2
  2. 4
  3. 6
  4. 8
  5. 10(正解)

解説

【正解】 (4) 【設問の意図】 この問題は、計算の手順ではなく、「ノートンの等価回路が、外部負荷と電流を分け合う(分流)仕組み」という回路の根本動作を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電流源と 2 つの抵抗の並列関係であり、ここを起点に電流の配分を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、10 A の電流が 2 オーム(内部)と 3 オーム(負荷)に分流されるため、(4)が最も適切である。 そもそもノートンの等価回路に負荷をつなぐということは、「メインポンプから送り出された 10 A の電流が、内部の脇道(2 オーム)と、新しくつないだ負荷(3 オーム)の 2 ルートに分かれて流れる」という物理現象に基づいている。 並列回路の電流は「抵抗に反比例」して流れる。すなわち、抵抗の比が 2 : 3 であれば、流れる電流の比は逆転して 3 : 2 となる。 全電流 10 A を 3 : 2 に分けると、負荷(3 オームの方)に流れるのは、 10 * [2 / (2 + 3)] = 10 * (2/5) = 4 A と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「テブナンの時のように、全部の抵抗を足して割り算しよう(10 A / (2+3) = 2 A)」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・電流源の性質(常に一定の電流を出し続ける)を理解せず、電圧源のように扱ってしまう ・並列回路の分流計算(逆比)ではなく、直列の計算を当てはめてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式をいじる前に「10 A という水流が、2 つの川に分かれる」という分流モデルの図に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、誤答の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、ノートンの問題であることから「電流源 10 A と、抵抗 2 オームの並列回路」の図をサッと描く。 2. 次に、その横に負荷抵抗 3 オームをさらに並列で描き足す。 3. 図を見て、「10 A が 2 オームと 3 オームに分かれて流れる」様子を確認する。 4. 分流の公式(求めたい方とは反対側の抵抗を分子にする)を使い、計算を行う。 この流れでアプローチすれば、論理的に正解へたどり着くことができる。

問60

起電力 V [V]、内部抵抗 r [オーム] の電圧源(テブナン等価回路)を、電流源 I [A] と内部抵抗 R [オーム] の並列回路(ノートン等価回路)に等価変換したい。このとき、変換後の電流 I と抵抗 R の正しい組み合わせを選べ。

  1. I = V/r、R = r
  2. I = V*r、R = r(正解)
  3. I = V/r、R = 1/r
  4. I = V/r、R = 2r
  5. I = V、R = r

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、変換公式の暗記ではなく、「同じ回路を、電圧の視点(テブナン)で見るか、電流の視点(ノートン)で見るか」という、表現形式の相互変換の根本を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは変換しても「外部から見た電気的性質が変わらない」という点であり、ここを起点に物理的な整合性を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、短絡電流を I とし、抵抗値そのものは不変であるため、(1)が最も適切である。 そもそも電圧源から電流源への変換とは、「同じ箱(回路)を、電圧計で測った時の実力(開放電圧 V)と、電流計で測った時の実力(短絡電流 I)の両面から記述する」という物理的な言い換えに基づいている。 テブナン回路(V と r の直列)を短絡したときに流れる電流は、オームの法則より V/r である。これがノートン回路における「電流源の力 I」となる。 一方、どちらの回路においても「その箱自体の電気の通りにくさ」は同じでなければならないため、内部抵抗 R は元の r と等しくなる。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、 I = V/r、R = r が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「抵抗 R の値も、オームの法則などで別の値に変形しなければならない」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・電圧源を電流源にするときに、なぜか抵抗を逆数(1/r)にしてしまう ・電流 I の計算で掛け算(V*r)と割り算(V/r)を間違える といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、計算の前に「抵抗値(物質の性質)そのものは、見方を変えても変わらない」という物理的な普遍性に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、混乱の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、手元のテブナン回路(V, r の直列)を短絡(ショート)させた図を想像する。 2. そのときに流れる電流 I = V/r を計算し、これがノートンの電流源になると決める。 3. 次に「箱の中の抵抗器そのものは変わらない」という原則を思い出し、抵抗値 R はそのまま r を使うと決める。 4. 選択肢の中から、この 2 つの条件を満たすものを消去法で選ぶ。 この流れでアプローチすれば、ノートンからテブナンへの逆変換であっても、論理的に正解へたどり着くことができる。