第三種電気主任技術者 電界と磁界・静電気

問21

静電容量が 20 マイクロファラド のコンデンサを 500 V の直流電源で充電したとき、このコンデンサに蓄えられる静電エネルギー [J] の値として、正しいものを選べ。

  1. 1.25
  2. 2.5
  3. 5.0(正解)
  4. 10.0
  5. 25.0

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「静電エネルギー」とは電荷を運ぶために外部からなされた仕事の総和であるという物理的背景を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは静電容量と電圧の単位であり、ここを起点にエネルギーの蓄積状態を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、計算結果が 2.5 [J] となるため、(2)が最も適切である。 そもそも静電エネルギーとは、「空のコンデンサに少しずつ電荷を積み上げていくとき、既にある電荷の反発に逆らって押し込むために必要なエネルギー」という物理現象に基づいている。 このエネルギー W は、電圧 V が電荷 Q に比例して上がっていくため、グラフ(V-Q図)の三角形の面積として求められ、W = 0.5 × C × Vの2乗 と定義される。 本問の条件下では、C = 20 × 10のマイナス6乗 [F]、V = 500 [V] であるため、この原理原則に従って計算すると、 W = 0.5 × (20 × 10のマイナス6乗) × (500の2乗) W = 0.5 × (20 × 10のマイナス6乗) × (250,000) W = 0.5 × 5 = 2.5 [J] と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電力の公式 P = V・I や P = Vの2乗 / R と混同して、0.5 を付け忘れてしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・係数の 0.5(三角形の面積の半分)を忘れて、5.0 [J] と答えてしまう ・マイクロ(10のマイナス6乗)の桁数計算でミスをしてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の文字面よりも先に「電荷を積み上げるプロセス(徐々に電圧が上がる)」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「静電容量 C と電圧 V」が与えられていることを確認する。 2. 次に、公式の丸暗記ではなく「電荷を貯めるエネルギーは V-Q グラフの三角形の面積だから 0.5 が必要だ」という原理を思い出す。 3. C・Vの2乗 を計算し、その半分にする手順で計算を進める。 4. 最後に、桁数が不自然でないか(500Vという高電圧なら数J程度は蓄えられるはずだという感覚)を確認し、解答を確定させる。

問22

静電容量 C [F] のコンデンサを電圧 V [V] で充電した後、電源を切り離した。その後、極板の間隔を 2倍 に広げたとき、蓄えられている静電エネルギーは元の何倍になるか。

  1. 0.25倍
  2. 0.5倍
  3. 1倍(変わらない)
  4. 2倍
  5. 4倍(正解)

解説

【正解】 (4) 【設問の意図】 この問題は、公式の代入ではなく、「電源を切り離した」という条件が物理的に何を意味するのか(電荷の保存)を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「電荷 Q が一定であること」であり、ここを起点に容量変化とエネルギーの関係を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、容量が半分になる一方で電荷が変わらないため、エネルギーは 2倍 になり、(4)が最も適切である。 そもそもコンデンサのエネルギー変化とは、「電源を切り離した後は、どこにも電気が逃げられないため電荷 Q は不変である」という物理現象に基づいている。 極板の間隔 d を 2倍 にすると、静電容量 C は反比例して 0.5倍 になる。 電荷 Q が一定の場合、エネルギー W は W = Qの2乗 / (2C) という式で考えるのが基本である(分母に C がくる)。 C が 0.5倍(半分)になると、エネルギー W は 1 / 0.5 = 2倍 に増加する。これは、極板を引き離すために外部から「力(仕事)」を加えた結果、そのエネルギーが静電エネルギーとして蓄えられたことを意味している。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「W = 0.5・C・Vの2乗 の式を思い出し、C が半分になったから W も半分だろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・電源を切り離した後に「電圧 V も変化する(V = Q / C より V が2倍になる)」ことを見落としてしまう ・どのパラメータ(Q か V か)が固定されているかを整理せずに公式を選んでしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式選びの前に「何が保存されているか(今回は逃げ場のない電荷 Q)」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、誤答の原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文の「電源を切り離した」から「Q = 一定」を導き出す。 2. 次に、Q が一定の時に使いやすいエネルギー公式 W = Qの2乗 / (2C) を想起する。 3. 極板間隔が 2倍 = 容量 C が 0.5倍 という関係を確認する。 4. 分母の C が半分になるので、全体の値(エネルギー)は 2倍 になると論理的に導き出す。 この流れでアプローチすれば、条件変更(電源をつないだままの場合など)があっても、正確に正解へたどり着くことができる。

問23

平行平板コンデンサに電圧を印加したとき、極板間に働く吸引力に関する記述として、正しいものを選べ。

  1. 吸引力の大きさは、印加した電圧に比例する。
  2. 極板の間隔を広げると、吸引力は強くなる。
  3. 吸引力の大きさは、極板に蓄えられた電荷の2乗に比例する。
  4. 極板間に誘電率の大きな誘電体を入れると、吸引力は弱くなる。(正解)
  5. 吸引力は、極板間の電界の強さに反比例する。

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、吸引力が単なる「電荷同士の引き合い」ではなく、エネルギーの空間的な変化(仮想仕事の原理)に基づいていることを理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは各パラメータ(Q, V, d)が吸引力 F にどう寄与するかであり、ここを起点に物理的な力の正体を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、吸引力は電荷 Q の2乗に比例するため、(3)が最も適切である。 そもそも極板間の吸引力 F とは、「プラスとマイナスの極板が互いに引き合い、少しでも近づいてエネルギーを安定させようとする力」という物理現象に基づいている。 吸引力 F を表す式は F = Qの2乗 / (2・ε・S) となる。この式からわかる通り、力 F は電荷 Q の2乗に比例し、面積 S や誘電率 ε に反比例する。 電圧 V を用いて表すと F = 0.5・ε・S・(V / d)の2乗 となり、電圧の2乗に比例し、間隔 d の2乗に反比例する。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、電荷の2乗に比例するという(3)が正しい。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「力といえば F = qE だから、電荷 Q と電界 E に単純に比例するだろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・F = QE だと勘違いしてしまう(実際は、相手の極板が作る電界は 0.5E なので F = 0.5QE となる) ・電圧 V と電界 E、電荷 Q のどれが固定されているかを考えずに「比例・反比例」を判断してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の表面的な形よりも先に「電荷が2倍になれば、引き合う相手も2倍になり、影響も2倍になるから合計で4倍(2乗)になる」という相互作用の原理に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、吸引力の基本式 F = 0.5・QE または F = Qの2乗 / (2εS) を思い出す。 2. Q = CV を代入して、自分が判断しやすいパラメータ(Q, V, d など)に整理する。 3. 各選択肢が「何乗に比例しているか」「分母(反比例)か分子(比例)か」を式と照らし合わせる。 4. 電荷 Q が2倍になれば力は4倍になることを確認し、(3)を選択する。 この流れでアプローチすれば、複数の変数が混ざった選択肢でも論理的に正解へたどり着くことができる。

問24

電束および電束密度に関する記述として、正しいものを選べ。

  1. 電束密度は、誘電体の中では真空中に比べて大きくなる。
  2. 電束は、正電荷から出て負電荷に入り、その総数は誘電率に反比例する。
  3. 電束密度の単位は、ボルト毎メートル [V/m] である。
  4. 真空中に置かれた電荷 Q [C] から出る電束の総数は、誘電率に関係なく Q [C] である。
  5. 電束線は、必ず等電位面と平行に交わる。(正解)

解説

【正解】 (4) 【設問の意図】 この問題は、電界と電束の違い、特に「電束」が誘電体の影響を受けない「電荷そのもの」を代表する量であるという根本概念を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「誘電率に依存するかどうか」であり、ここを起点に電束というモデルの利便性を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、電束の総数は電荷量と等しく設定されているため、(4)が最も適切である。 そもそも電束とは、「物質(誘電体)の種類によって電界の強さが変わってしまうと計算が不便なので、物質によらず電荷 Q からは Q 本の束が出ているとみなそう」という人間が作った便利なルールに基づいている。 電界 E は誘電率 ε によって変化するが(E = Q / 4πεrの2乗)、電束密度 D は D = εE = Q / 4πrの2乗 となり、誘電率 ε が消える。 つまり、1クーロンの電荷からは必ず 1クーロンの電束が出ていると定義されているため、周囲が空気でも油でもゴムでも、電束の総数は不変である。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、誘電率に関係なく Q [C] であるとするこの選択肢が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電気力線と電束を混同してしまい、どちらも ε で割るはずだ」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・電気力線の総数(Q / ε)と、電束の総数(Q)の定義を区別できていない ・電束密度の単位(C/mの2乗)と、電界の単位(V/m)を混同してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の暗記よりも先に「なぜ『電束』という言葉が必要なのか(=物質によらない指標を作るため)」という導入の目的に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、頭の中で「電界(環境で変わる実力)」と「電束(環境で変わらない源泉)」を明確に分ける。 2. 次に、ガウスの定理において「電束」を扱う場合は ε で割る必要がない(総数 = 電荷量)という基本原則を思い出す。 3. 選択肢の中で、誘電率の影響を否定している記述を探す。 4. 最後に、単位や向き(等電位面には垂直)などの他の誤った知識を排除し、(4)を確定させる。 この流れでアプローチすれば、誘電体の問題が混ざっても、論理的に正解へたどり着くことができる。

問25

比誘電率 3 の誘電体で満たされた空間において、ある点の電界の強さが E [V/m] であった。この誘電体を取り除いて真空にしたとき、同じ場所の電界の強さは元の何倍になるか。ただし、電荷の分布は変化しないものとする。

  1. 0.333…倍
  2. 1倍(変わらない)
  3. 1.732倍
  4. 3倍
  5. 9倍(正解)

解説

【正解】 (4) 【設問の意図】 この問題は、比誘電率が電界を「弱める」方向に働くという物理的な分極現象を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「誘電体を取り除いた(=真空にした)」という変化であり、ここを起点に電界の増減を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、真空になることで電界を弱める物質がいなくなるため、強さは 3倍 になり、(4)が最も適切である。 そもそも誘電体の中の電界とは、「外部から電界が加わると、誘電体内部の原子が少しだけ歪んで(分極)、逆向きの電界を作って元の電界を打ち消そうとする」という物理現象に基づいている。 この「弱める割合」を示すのが比誘電率 εr であり、誘電体中の電界 E' は、真空中の電界 E0 に対して E' = E0 / εr となる。 本問では、比誘電率 3 の中で E であったものが真空になるので、弱める作用(1 / 3)が消えることになる。 したがって、真空中の電界 E0 = E × 3 = 3E となり、3倍 になると結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「比誘電率が 3 なのだから、なんとなく 0.333…倍(3分の1)になるだろう」 と、変化の前後を逆に考えてしまいがちである。 特に、 ・「真空から誘電体へ」の変化なのか、「誘電体から真空へ」の変化なのか、設問の主語を読み違えてしまう ・比誘電率が分母にくるのか分子にくるのか、公式の形だけで覚えようとしてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の代入よりも先に「物質(誘電体)は電界の邪魔をする存在である。邪魔者がいなくなれば、電界はスカッと強くなるはずだ」という直感的な物理モデルに立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文の変化の方向「誘電体 → 真空」を矢印で描く。 2. 次に、物理現象として「誘電体は電界をシールド(弱める)するものだ」という原則を思い出す。 3. 邪魔者がいなくなるのであれば、電界の値は「大きくなる」はずだと予測を立てる(この時点で 1倍以下の選択肢を除外)。 4. 比誘電率の数値 3 をそのまま倍率として適用し、(4)を選択する。 この流れでアプローチすれば、ひっかけ問題の「3分の1」に惑わされることなく、論理的に正解へたどり着くことができる。

問26

異なる誘電率(ε1, ε2)を持つ2つの誘電体の境界条件に関する記述として、誤っているものを選べ。

  1. 電束密度の法線成分(境界に垂直な成分)は、両側で等しい。
  2. 電界の接線成分(境界に平行な成分)は、両側で等しい。
  3. 誘電率の大きい誘電体から小さい誘電体へ電束線が入るとき、屈折角は入射角より小さくなる。
  4. 境界に電荷が存在しない場合、電束線は途切れずに連続する。
  5. 電束線は、誘電率の大きい誘電体側ほど、法線(垂直な線)に近い方向に屈折する。

解説

【正解】 (5) 【設問の意図】 この問題は、境界条件の丸暗記ではなく、「電束は通りやすい場所(誘電率が大きい場所)を好んで通る」という物理的な屈折の性質を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは法線成分と接線成分の連続性であり、ここを起点にベクトルの屈折を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、誘電率が大きい側では電束線は境界線(平行方向)に近づくため、(5)が誤りであり正解となる。 そもそも誘電体の境界における屈折とは、「垂直方向は電束(D)が守り、平行方向は電界(E)が守る」という2つの連続性のルールに基づいている。 この結果、タンジェントを用いた屈折の法則(tanθ1 / tanθ2 = ε1 / ε2)が導かれる。 誘電率 ε が大きいほど、角度 θ(法線とのなす角)も大きくなる。つまり、誘電率が大きい側の誘電体の中では、電束線は法線(垂直)から遠ざかり、境界(平行)に寝そべるような形になる。 したがって、「誘電率の大きい側ほど法線に近くなる(垂直に近づく)」とする(5)の記述は、この法則と矛盾している。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「光の屈折(水と空気など)と同じイメージで解こうとして混乱してしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・入射角と屈折角の定義が「法線からの角」であることを忘れ、境界からの角だと勘違いしてしまう ・D の法線成分連続と E の接線成分連続のどちらがどちらか、試験中に逆転させてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の形よりも先に「誘電率が大きい=電気を通しやすい。通しやすい側では、なるべく長くその中を通りたいから、境界に沿って進もうとする」というエネルギー的なイメージに立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、頭の中に「Dは垂直担当(法線連続)」「Eは平行担当(接線連続)」という2大原則を書き出す。 2. 次に、ε が大きい側では角度 θ も大きくなる(tanθ に比例)という屈折の結論を思い出す。 3. 角度 θ が大きいということは、法線から離れる(=境界に近づく)ことだと図で確認する。 4. 選択肢(5)の「法線に近い方向」という記述が、角度が小さくなることを意味していると見抜き、誤答として選択する。 この流れでアプローチすれば、複雑なベクトル問題でも論理的に正解へたどり着くことができる。

問27

真空中に 0.2 m の距離を置いて置かれた2つの磁極(磁荷)の強さが、それぞれ 2×10のマイナス4乗 [Wb] と 4×10のマイナス4乗 [Wb] であるとき、磁極間に働く磁気力の大きさ [N] として、最も近い値を選べ。ただし、比例定数は 6.33×10の4乗 [N・mの2乗 / Wbの2乗] とする。

  1. 0.13
  2. 0.25(正解)
  3. 0.63
  4. 1.27
  5. 2.53

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、電気のクーロンの法則と「磁気のクーロンの法則」が全く同じ構造をしているという物理的な対称性(デュアリズム)を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは磁荷の大きさと距離であり、ここを起点に公式の運用を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、計算結果が 0.1266... となるため、(1)が最も適切である。 そもそも磁気のクーロンの法則とは、「磁石の力も、電気の力と同様に、それぞれの強さの積に比例し、距離の2乗に反比例する」という物理現象に基づいている。 計算式は、 F = k × (m1・m2) / rの2乗 で表される。 本問の数値を代入すると、 F = (6.33 × 10の4乗) × (2 × 10のマイナス4乗 × 4 × 10のマイナス4乗) / (0.2の2乗) F = (6.33 × 10の4乗) × (8 × 10のマイナス8乗) / 0.04 F = (50.64 × 10のマイナス4乗) / 0.04 = 1,266 × 10のマイナス4乗 = 0.1266 [N] したがって、近似値として 0.13 [N] と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電気の比例定数(9×10の9乗)と磁気の比例定数(6.33×10の4乗)を混同してしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・磁気の強さの単位 [Wb] を見て、磁束密度など別の公式を使おうとしてしまう ・距離 0.2 m を 2乗 し忘れて計算してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、個別の数字よりも先に「電気だろうが磁気だろうが、点から広がる影響は距離の2乗で薄まっていく」という逆2乗の法則の共通性に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文の「2つの磁極」「働く力」というキーワードから、磁気のクーロンの法則を想起する。 2. 次に、与えられた比例定数 6.33×10の4乗 を公式の先頭に置く。 3. 電荷の計算と同じ要領で、分子に磁荷の積、分母に距離の2乗を配置し、落ち着いて桁数を計算する。 4. 最後に、選択肢の中から最も近い値(0.1266 に近い 0.13)を探し出し、確定させる。 この流れでアプローチすれば、電気と磁気で公式が混乱することなく、論理的に正解へたどり着くことができる。

問28

磁界の強さ H [A/m] と電界の強さ E [V/m] の対比に関する記述として、誤っているものを選べ。

  1. 電界の強さは単位電荷(1 [C])が受ける力であり、磁界の強さは単位磁荷(1 [Wb])が受ける力である。
  2. 電界の向きは正電荷から出る方向であり、磁界の向きはN極から出る方向である。
  3. 真空中において、電束密度 D と電界 E の間には D = ε0・E の関係があり、磁束密度 B と磁界 H の間には B = μ0・H の関係がある。
  4. 電界は孤立した電荷(点電荷)によって作られるが、磁界は常にN極とS極が対になって存在し、孤立した磁荷は発見されていない。
  5. 電界の強さは距離の2乗に反比例するが、磁界の強さは距離にのみ反比例する。

解説

【正解】 (5) 【設問の意図】 この問題は、電磁気学における「電気」と「磁気」の美しい対称性を整理しつつ、距離による減衰という物理的な共通ルールを正確に理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントはそれぞれの「強さ」の定義であり、ここを起点に物理モデルの共通点を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、磁界の強さも電界と同様に距離の2乗に反比例するため、(5)が誤りであり正解となる。 そもそも「点(電荷や磁荷)」から放射状に広がる影響力とは、3次元空間の球面上に均一に薄まっていくため、必ずその面積(4πrの2乗)に反比例するという物理現象に基づいている。 点電荷による電界も、点磁荷による磁界も、どちらも公式の分母には rの2乗 が現れる。 したがって、磁界だけが「距離にのみ反比例する」とする(5)の記述は、この空間の幾何学的な法則と矛盾している(※ただし、無限長直線電流が作る磁界などは距離に反比例するが、これは点磁荷の議論とは別物である)。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電流が作る磁界の公式(H = I / 2πr)を思い出し、距離 r に反比例すると思い込んでしまう」 と、前提条件の混同を起こしがちである。 特に、 ・「点」磁荷が作る磁界と、「直線電流」が作る磁界の公式を区別できていない ・電気と磁気で、何か根本的に異なるルールがあるはずだと疑ってしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、個別の公式よりも先に「源が『点』であれば、影響は必ず距離の2乗で弱まる」という、宇宙の共通ルールに立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、選択肢を比較し、電気と磁気で「共通している点」と「異なっている点」を整理する。 2. 次に、磁界特有の性質(NとSは切り離せないなど)が正しく述べられているかを確認する。 3. 最後に、物理的な強さの減衰ルールに注目し、電界と磁界で距離の効き方が異なるという不自然な記述((5))を見つける。 4. 「点」からの広がりは 4πrの2乗(面積)で割るはずだという確信を持ち、誤答として選択する。 この流れでアプローチすれば、複数の公式が頭の中で混ざっていても、論理的に正解へたどり着くことができる。

問29

磁力線と磁束密度に関する記述として、正しいものを選べ。

  1. 磁力線は、透磁率の小さい物質ほど集まりやすい性質がある。
  2. 磁束密度 B [T] の空間において、面積 S [mの2乗] を垂直に貫く磁束の総数は Φ = B / S である。
  3. 磁力線は、磁極以外の場所で途切れたり、互いに交差したりすることはない。
  4. 磁力線の密度は、その場所の磁束密度の大きさに反比例するように描く。
  5. 磁力線はN極から出てS極に入り、磁石の内部ではS極からN極へと向かう連続した閉曲線となる。

解説

【正解】 (5) 【設問の意図】 この問題は、電気力線と磁力線の決定的な違いである「連続性(ループを形成すること)」という磁気の特殊な性質を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは磁束の「始まりと終わり」の有無であり、ここを起点に磁力線というモデルの連続性を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、磁力線には端点がなく、必ずループ(閉曲線)を描くため、(5)が最も適切である。 そもそも磁気の性質とは、「単独のN極やS極は存在せず、磁束は必ずNから出てSへ戻り、さらに磁石の内部を通ってNへつながる」という物理現象に基づいている。 これを「磁束の連続性」と呼び、数式では ∇・B = 0(湧き出しがない)と表現される。 これに対し、電気力線は電荷(源)から始まり、別の電荷(出口)で終わる。 したがって、磁石の内部まで含めて連続した輪になっているとする(5)の記述が、磁気の根本的な特徴を正しく捉えている。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電気と同じように、N極から始まってS極でパタッと終わるものだろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・磁石の外側だけの動きを見てしまい、内部のつながりを意識していない ・「透磁率が大きいほど磁束が通りやすい(集まりやすい)」という基本を逆転させてしまう(選択肢1のようなミス) といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、図の見た目よりも先に「磁気には『源』という出発点が存在せず、ぐるぐると回る流れ(渦)のようなものだ」という連続性の原理に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、頭の中で磁石の周りの線をイメージし、それがS極に入った後どうなるかを追う。 2. 次に、電気力線との違い「電気は電荷が源、磁気はループ」という絶対的な原則を思い出す。 3. 選択肢の中で「閉曲線」「連続している」という言葉を探す。 4. 最後に、磁束密度の定義(B = Φ / S などの関係)が数式的に正しいかを確認し、消去法で(5)を確定させる。 この流れでアプローチすれば、電気と磁気のモデルが混同しやすい場面でも、論理的に正解へたどり着くことができる。

問30

ビオ・サバールの法則に関する記述として、最も適切なものを選べ。

  1. 微小な電流素片が、ある点に作る磁界の強さは、電流の大きさに反比例する。
  2. 磁界の強さは、電流素片からその点までの距離の2乗に反比例する。
  3. 磁界の強さは、電流の方向とその点への方向がなす角の正弦(サイン)に反比例する。(正解)
  4. この法則を用いると、閉回路でない単独の電流素片のみで磁界を実測することができる。
  5. 磁界の方向は、電流の方向と常に平行である。

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、ビオ・サバールの法則の複雑な式を暗記するのではなく、「磁界の源は電流であること」と「距離によってどのように減衰するか」という物理的な因果関係の根本を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは距離と磁界の強さの関係であり、ここを起点に法則の構成要素を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、微小電流から広がる磁界も、点磁荷と同様に距離の2乗に反比例するため、(2)が最も適切である。 そもそもビオ・サバールの法則とは、「電流の小さな破片(素片)が、周囲の空間にどれだけの磁界を作るか」を記述した物理現象に基づいている。 数式では dH = (I・dl・sinθ) / (4πrの2乗) と表される。 この式が示す通り、磁界の強さは「電流 I」に比例し、「距離 r の2乗」に反比例する。また、角度 θ の正弦(sinθ)に比例する。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、距離の2乗に反比例するという(2)が正しい。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「アンペアの周回積分の法則(H = I / 2πr)と混同して、距離 r に反比例すると思い込んでしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・「無限に長い直線電流全体」が作る磁界(1/r)と、「その中の小さな一欠片」が作る磁界(1/rの2乗)の区別がついていない ・sinθ が分母にくるのか分子にくるのか、比例か反比例かをあやふやに覚えてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の細部よりも先に「どんなに複雑な式でも、微小な一点(素片)からの影響は空間に広がるにつれて『面積(rの2乗)』で薄まっていく」という物理の普遍的な原則に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文の「ビオ・サバール」という言葉から、電流の「素片(ひとかけら)」の話であることを認識する。 2. 次に、一点からの広がりというイメージから「分母は rの2乗 であるはずだ」と予測を立てる。 3. 比例関係(電流が大きいほど磁界も強いはずだ)と照らし合わせ、不自然な選択肢(反比例など)を排除する。 4. 最後に、アンペアの法則(1/r)との違いを明確にし、(2)を選択する。 この流れでアプローチすれば、積分後の結果と混乱することなく、論理的に正解へたどり着くことができる。

問31

真空中において、無限長直線導体に 5.0 A の直流電流が流れている。この導体から 0.5 m 離れた点における磁界の強さ [A/m] として、最も近い値を選べ。ただし、円周率 pi は 3.14 とする。

  1. 0.796
  2. 1.59
  3. 3.18(正解)
  4. 5.00
  5. 15.7

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「磁界」という電流が周囲の空間にどのような密度で波及していくかという物理的な広がり方を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは導体からの距離であり、ここを起点に円周の長さに応じた磁界の薄まり方を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、磁界の強さは円周の長さに反比例するため、(2)が最も適切である。 そもそも無限長直線電流による磁界とは、「電流を中心とした同心円状に発生し、その強さは円周の長さ(2 * pi * r)に電流が等分に分配される」という物理現象に基づいている。 本問の条件下では、電流 5.0 A が半径 0.5 m の円周上に磁界を作っているため、この原理原則に従って 磁界 H = 電流 I / (2 * pi * r) を最優先で判断する必要がある。 計算すると、H = 5.0 / (2 * 3.14 * 0.5) = 5.0 / 3.14 = 1.592... となり、約 1.59 [A/m] と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「円形コイルの公式(H = I / 2r)と直線導体の公式(H = I / 2pi*r)を混同してしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・分母に pi を入れるのを忘れて、5.0 / (2 * 0.5) = 5.0 と計算してしまう ・半径ではなく直径で割ってしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式を思い出すよりも先に「磁界は導体を中心とした『円周』に沿って分布しているのだから、分母は円周の長さ(2 * pi * r)であるべきだ」という物理モデルに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「導体の形状(無限長直線)」を整理し、磁界が同心円状であることを描く。 2. 次に、公式の丸暗記ではなく「磁界の強さは、電流を円周の長さで割ったものである」というアンペールの法則の原理を思い出す。 3. 半径 r に pi を含めた「円周の長さ」を分母にして計算を実行する。 4. 最後に、選択肢の中から計算結果に最も近いものを選び、pi を忘れた場合の引っかけ(5.00)などを除外する。 この流れでアプローチすれば、公式の記憶が曖昧でも論理的に正解へたどり着くことができる。

問32

半径 0.1 m の円形コイルに 50 回巻の電線を巻き、0.4 A の電流を流した。このとき、コイルの中心点における磁界の強さ [A/m] として、正しい値を選べ。

  1. 20
  2. 100
  3. 200(正解)
  4. 314
  5. 628

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、公式の丸暗記ではなく、「円形コイル」という形状が中心点においてどのように磁界を集中させるかという幾何学的な特徴を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「巻数 N」が磁界の強さにどう寄与するかであり、ここを起点に物理的な重ね合わせの原理を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、中心磁界は巻数に比例し直径に反比例するため、(2)が最も適切である。 そもそも円形コイルの中心磁界とは、「1巻きのコイルが作る磁界を、巻数分だけ同じ場所に重ね合わせたもの」という物理現象に基づいている。 本問の条件下では、半径 0.1 m、巻数 50 回、電流 0.4 A であることが明示されているため、この原理原則に従って H = (N * I) / (2 * r) を最優先で判断する必要がある。 計算すると、H = (50 * 0.4) / (2 * 0.1) = 20 / 0.2 = 100 [A/m] と結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「直線導体の公式と同じように分母に pi が必要だ」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・円形だからといって無条件に pi を掛けてしまい、100 / 3.14 などの計算をしてしまう ・「半径 r」をそのまま「直径 2r」として扱わず、分母を 0.1 にしてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の文字面よりも先に「円形コイルの中心は、円周上のすべての電流素片から等距離にあり、その積分の結果 pi が相殺される特殊な地点である」という幾何学的な特性に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「円形コイルの中心」という場所の指定を整理する。 2. 次に、公式の丸暗記ではなく「円形中心は pi が消えるシンプルな形(NI / 直径)」の原理を思い出す。 3. 巻数 N を忘れないように(電流 * 巻数)を計算し、それを直径(2 * 半径)で割る。 4. 最後に、選択肢の中に pi が含まれる数値(314など)があっても、理論的な根拠に基づいて無視し、100 を選ぶ。 この流れでアプローチすれば、類似の直線導体問題と混同することなく正解へたどり着くことができる。

問33

長さ 0.5 m の円筒に 1000 回の電線を均一に巻いた無限長に近いソレノイドがある。これに 2.0 A の直流電流を流したとき、ソレノイド内部の磁界の強さ [A/m] として、正しい値を選べ。

  1. 1000
  2. 2000
  3. 4000
  4. 5000(正解)
  5. 8000

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、公式の暗記ではなく、「ソレノイド」という形状が内部に作る一様な磁界の性質(単位長さ当たりの密度)を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「長さ当たりの巻数」であり、ここを起点に磁界の強さがソレノイドの太さに依存しない理由を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、内部磁界は単位長さ当たりの巻数と電流の積で決まるため、(3)が最も適切である。 そもそもソレノイドの内部磁界とは、「コイルの密な並びが作る磁力線が、外部へ漏れずに内部に閉じ込められ、どこでも同じ強さ(一様磁界)になる」という物理現象に基づいている。 本問の条件下では、全長 0.5 m に 1000 回巻かれているため、単位長さ(1m)当たりでは n = 1000 / 0.5 = 2000 [回/m] となる。磁界の強さ H = n * I に従い、H = 2000 * 2.0 = 4000 [A/m] と算出される。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、4000 と結論づけられるこの選択肢が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 実務経験が浅い場合、多くの人は 「コイルの半径(太さ)がわからないと磁界は計算できないはずだ」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・半径 r を探してしまい、問題文に数値がないことに焦る ・全長 L と巻数 N の関係を逆に捉えて、2 * (0.5 / 1000) などの計算をしてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、寸法の詳細よりも先に「根本となる『無限に長いソレノイドの内部磁界は、断面の大きさに関わらず、電流の通り道の密度だけで決まる』という物理的性質」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「ソレノイド内部」という条件を整理する。 2. 次に、公式の丸暗記ではなく「1mあたり何回巻いてあるか(密度)」が磁界を決めるという原理を思い出す。 3. 全巻数 N を全長 L で割り、単位長さ当たりの巻数 n を求め、それに電流 I を掛ける。 4. 最後に、半径が与えられていなくても「不要なデータである」と論理的に確信して答えを選ぶ。 この流れでアプローチすれば、余計な数値に惑わされることなく、正解を導き出すことができる。

問34

アンペールの周回積分の法則を用いて、半径 R [m] の無限長円柱導体に電流 I [A] が一様に流れているとき、導体内部(中心から距離 r < R)の磁界の強さ H [A/m] を表す式として、正しいものを選べ。

  1. I / (2 * pi * R)
  2. (I * r) / (2 * pi * Rの2乗)
  3. (I * rの2乗) / (2 * pi * Rの3乗)(正解)
  4. I / (2 * pi * r)
  5. (I * R) / (2 * pi * rの2乗)

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「アンペールの法則」の本質である『磁界を一周させた合計は、その内側を貫く電流の総量に等しい』という空間の対称性を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは、観測点が「導体の内部」にあることであり、ここを起点に実際に磁界に寄与する電流の割合を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、内部の磁界は中心からの距離に比例して強くなるため、(2)が最も適切である。 そもそもアンペールの周回積分の法則とは、「半径 r の円周上にある磁界の合計(H * 2 * pi * r)は、その円の内側を通る電流 i のみに依存する」という物理現象に基づいている。 導体の外部(r > R)であれば、全電流 I が内側にあるため H = I / (2 * pi * r) となる。しかし内部(r < R)では、半径 r の円の外側を流れる電流は磁界に寄与しない。 導体全体(面積 pi * Rの2乗)のうち、内側(面積 pi * rの2乗)を流れる電流 i は、電流密度の比より i = I * (rの2乗 / Rの2乗) となる。 これをアンペールの式に代入すると、H * 2 * pi * r = I * (rの2乗 / Rの2乗) となり、両辺を 2 * pi * r で割ることで H = (I * r) / (2 * pi * Rの2乗) が導かれる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「どんな場所でも磁界の公式は I / (2 * pi * r) だろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・「内部」と「外部」で電流の扱いが異なることに気づかない ・分母の R が 2乗 になる理由(面積比)がわからず、混乱してしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の文字面よりも先に「中心では電流がゼロだから磁界もゼロ。そこから表面に向かって電流の包囲網が増えるにつれて、磁界も直線的に強くなるはずだ」という物理的推論に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「導体内部」という位置関係を整理する。 2. 次に、法則の原理「磁界の円周積分 = 内側の電流」を思い出す。 3. 面積比を使って、自分の描いた円周の内側に「どれだけの電流が閉じ込められているか」を計算する。 4. 最後に、導出した式を整理し、r に比例する形の選択肢(2)を選ぶ。 この流れでアプローチすれば、複雑な積分計算をしなくても、論理的に正解へたどり着くことができる。

問35

一様な磁束密度 B [T] の磁界中に、電荷 q [C] を持つ粒子が速度 v [m/s] で磁界と垂直に入射した。この粒子が磁界から受ける力(ローレンツ力)の大きさ F [N] を表す式として、正しいものを選べ。

  1. q / (v * B)
  2. B / (q * v)
  3. q * v * B
  4. q * v / B(正解)
  5. v / (q * B)

解説

【正解】 (3) 【設問の意図】 この問題は、単なる式の暗記ではなく、「ローレンツ力」という動いている電荷が磁界から受ける力の根本的な相互作用を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「速度 v」と「磁束密度 B」が力にどう寄与するかであり、ここを起点に電気と磁気の結合を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、力は電荷量、速度、磁束密度のすべての積に比例するため、(3)が最も適切である。 そもそもローレンツ力とは、「電荷という電気の塊が移動する(=電流になる)ことで、周囲の磁界と干渉し、物理的な反発や引き合いが生じる」という物理現象に基づいている。 本問の条件下では、粒子が垂直に入射しているため、干渉が最大となる状態である。力 F は、電荷 q が大きければ大きいほど、速く動けば動くほど、そして磁界 B が強ければ強いほど大きくなる(すべて正比例)。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、 F = q * v * B と結論づけられるこの選択肢が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電界から受ける力(F = q * E)と混同して、速度が関係ないと考えてしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・静止している電荷は磁界から力を受けないという重要な性質を見落とす ・単位の次元(N = C * m/s * T)のイメージが湧かず、掛け算か割り算かで迷う といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の文字面よりも先に「磁界による力は『動き』があって初めて生まれる動的な力である」という性質に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「磁界中」を「運動する」電荷であることを整理する。 2. 次に、物理法則「動く電荷は電流と同じ。電流が磁界から受ける力(BIL)のミクロ版がローレンツ力だ」という原理を思い出す。 3. すべての要素(q, v, B)が力を強める方向に働くため、単純な掛け算の形を探す。 4. 最後に、垂直入射という条件から sin 90度 = 1 であることを確認し、係数のないシンプルな積(3)を選ぶ。 この流れでアプローチすれば、論理的に正解へたどり着くことができる。

問36

一様な磁束密度 0.5 T の磁界中に、長さ 0.2 m の直線状導体を置き、これに 10 A の直流電流を流した。磁界の方向と導体がなす角が 30度 であるとき、この導体に働く電磁力の大きさ [N] として、正しい値を選べ。

  1. 0.1
  2. 0.5
  3. 0.866(正解)
  4. 1.0
  5. 1.732

解説

【正解】 (2) 【設問の意図】 この問題は、公式の丸暗記ではなく、「電磁力(フレミングの左手の法則)」が、電流と磁界の「直交する成分」のみによって発生するという物理的な本質を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「なす角 30度」であり、ここを起点に実際に力に寄与する磁界の有効成分を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、力は直交成分(sin 30度)に比例するため、(2)が最も適切である。 そもそも導体に働く電磁力とは、「電流が作る磁界と外部の磁界が重なり、一方が強まり他方が弱まることで、強い方から弱い方へ導体が押し出される」という物理現象に基づいている。 この力は、電流と磁界が完全に垂直(90度)のときに最大となり、並行(0度)のときはゼロになる。 本問の条件下では、30度という角度がついているため、有効な力は最大値に対して sin 30度(0.5)を掛けたものになる。 計算すると、F = B * I * L * sin(theta) = 0.5 * 10 * 0.2 * 0.5 = 0.5 [N] と算出される。 したがって、物理的根拠に照らし合わせて、0.5 と結論づけられるこの選択肢が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「角度が 30度 なら cos 30度(0.866)を掛けるべきではないか」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・物理の「仕事」の計算(W = F * s * cos theta)と混同して、無意識に cos を選んでしまう ・垂直(90度)のときが sin = 1 で最大になるという「基準」を忘れてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、関数の種類よりも先に「角度が小さくなる(0度に近づく)ほど、力は弱くなっていくはずだ」という直感的な傾向(sin の特性)に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「電流、磁界、角度」の条件を整理する。 2. 次に、原理「磁界の中の電流は、フレミングの左手の法則により『垂直成分』で力が決まる」というルールを思い出す。 3. F = BIL * sin theta の式を立て、sin 30度 = 0.5 を代入する。 4. 最後に、もし cos を使った場合の数値(0.866)が選択肢にあっても、垂直で最大という物理的な確信を持って 0.5 を選ぶ。 この流れでアプローチすれば、三角関数に惑わされることなく、正解を選ぶことができる。

問37

真空中に 0.1 m の間隔を置いて平行に置かれた2本の無限長直線導体がある。それぞれの導体に、互いに「同じ向き」に 10 A の直流電流を流したとき、導体間に働く力に関する記述として、正しいものを選べ。

  1. 2 * 10のマイナス4乗 [N/m] の吸引力が働く
  2. 2 * 10のマイナス4乗 [N/m] の反発力が働く(正解)
  3. 2 * pi * 10のマイナス4乗 [N/m] の吸引力が働く
  4. 4 * 10のマイナス5乗 [N/m] の反発力が働く
  5. 力は働かない

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、単なる計算値の算出ではなく、「電流相互間に働く力」が、一方の電流が作る磁界の中にもう一方の電流が存在するという『場の干渉』であることを理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは電流の「向き」と「距離」であり、ここを起点に力の方向(吸引か反発か)を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、同じ向きの電流間には吸引力が働き、計算値が 2 * 10のマイナス4乗 となるため、(1)が最も適切である。 そもそも平行導線間の力とは、「導体Aが作った同心円状の磁界の中に、導体Bが置かれ、Bを流れる電流がフレミングの左手の法則によって力を受ける」という物理現象に基づいている。 同じ向きに電流が流れている場合、右ねじの法則と左手の法則を組み合わせると、互いに引き合う方向(吸引力)に力が働くことが導かれる。 単位長さ当たりの力 f は、真空の透磁率 mu0 = 4 * pi * 10のマイナス7乗 を用いて、f = (mu0 * I1 * I2) / (2 * pi * r) = (2 * 10のマイナス7乗 * I1 * I2) / r と簡略化できる。 本問の値を代入すると、f = (2 * 10のマイナス7乗 * 10 * 10) / 0.1 = 2 * 10のマイナス4乗 [N/m] となる。 したがって、吸引力であるという物理的判断と併せて、(1)が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「プラスの電荷同士は反発するのだから、電流が同じ向きなら反発するだろう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・静電気の反発(斥力)と、電流による磁気的な引力を混同してしまう ・逆向き電流のときに吸引力が働くと勘違いしてしまう といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、直感に頼るよりも先に「右ねじの法則で一方の磁界を描き、もう一方の電流に左手の法則を適用する」という二段階の論理ステップに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、逆の結論(反発)を選んでしまう原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、電流の向きが「同じ」か「逆」かを確認する。 2. 次に、原理「同じ向きは吸引(仲良し)、逆向きは反発(ケンカ)」という合言葉、あるいは法則の適用で向きを確定させる。 3. 公式 2 * 10のマイナス7乗 * (I1 * I2 / r) を用いて数値を計算する。 4. 最後に、「向き」と「数値」の両方が合致する選択肢を選ぶ。 この流れでアプローチすれば、静電気の知識と混同することなく、確実に正解へたどり着くことができる。

問38

電磁誘導に関する「レンツの法則」の内容として、最も適切な記述を選べ。

  1. コイルを貫く磁束が変化するとき、その変化を「妨げる向き」に磁界を作るような誘導電流が流れる。
  2. コイルを貫く磁束が変化するとき、その変化を「加速させる向き」に磁界を作るような誘導電流が流れる。(正解)
  3. 誘導起電力の大きさは、コイルの巻数に反比例する。
  4. 誘導起電力の大きさは、磁束の変化の速さに反比例する。
  5. 誘導電流の向きは、常にフレミングの左手の法則によって決定される。

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、単なる用語の暗記ではなく、「レンツの法則」がエネルギー保存の法則に基づいた『変化に対する抵抗』という自然界の根本的な性質を表していることを理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは誘導電流が作る磁界の「向き」であり、ここを起点に物理的な安定性を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、自然界は急激な変化を嫌うため、それを打ち消そうとする(1)が最も適切である。 そもそもレンツの法則とは、「もし磁束の変化を加速させる向きに電流が流れたら、磁石を近づけるだけで無限にエネルギーが増幅されてしまう(エネルギー保存の法則に反する)」という物理的な制約に基づいている。 本問の条件下では、磁束の変化に対して「妨げる向き」に反応が起こることが示されており、これが自然界の整合性を保つ唯一の方向である。 数式 e = -N * (delta Phi / delta t) における「マイナス符号」が、まさにこのレンツの法則(妨げる向き)を象徴している。 したがって、技術的根拠に照らし合わせて、(1)が正解となる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「右ねじの法則やフレミングの法則など、多くの法則がありすぎて、どれが向きを決めるものか混乱してしまう」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・「磁束が増えたら、それをさらに増やそうとする」と直感的に考えてしまう ・起電力の大きさを決める「ファラデーの法則」と、向きを決める「レンツの法則」を区別できていない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、名前を覚えるよりも先に「もし逆に動いたら、エネルギーが勝手に増えて大爆発してしまう。だから必ずブレーキをかける向き(妨げる向き)に動くはずだ」というエネルギーの観点に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題が「起電力の向き」について問うていることを確認する。 2. 次に、原理「自然界は現状維持を好む(レンツの法則)」というルールを思い出す。 3. 選択肢の中から、「変化を妨げる」「打ち消す」「反対方向」といったキーワードを探す。 4. 最後に、大きさを決める法則(ファラデー)や、電動機の法則(左手)などの記述を誤答として除外する。 この流れでアプローチすれば、論理的に正答を導き出すことができる。

問39

一様な磁束密度 B [T] の磁界中に、長さ L [m] の直線状導体を置き、磁界と垂直になるように保ちながら、速度 v [m/s] で磁界と垂直な方向に動かした。このとき導体に発生する誘導起電力の大きさ e [V] を表す式として、正しいものを選べ。

  1. e = B * L * v
  2. e = B * L / v(正解)
  3. e = B / (L * v)
  4. e = L * v / B
  5. e = B * v / L

解説

【正解】 (1) 【設問の意図】 この問題は、単なる式の暗記ではなく、「動く導体」が磁力線を横切ることで、導体内部の自由電子がローレンツ力を受けて一方向に偏るという、発電のミクロな根本原理を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは「速度 v」と「長さ L」が起電力にどう寄与するかであり、ここを起点に単位時間あたりの磁束の「切り取り量」を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、起電力は磁束密度、長さ、速度のすべての積に比例するため、(1)が最も適切である。 そもそも動く導体の起電力とは、「導体が移動した面積(L * v * t)分だけ、磁束をなぎ倒して横切ったときに発生する電圧」という物理現象に基づいている。 ファラデーの法則(e = delta Phi / delta t)において、時間 delta t の間に導体が横切る面積は L * v * delta t であり、その中の磁束 delta Phi は B * L * v * delta t となる。 これを時間 delta t で割ると、 e = B * L * v が導かれる。 つまり、磁界が強いほど、導体が長いほど、そして速く動かすほど、より多くの磁束を「切り取る」ことができるため、高い電圧が発生すると結論づけられる。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「速度で割るのか、掛けるのか、単位の整理がつかなくなる」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・静止している導体には電圧が発生しないという「変化」の必要性を見落とす ・フレミングの右手の法則(発電機)と左手の法則(電動機)の使い分けができていない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、公式の形よりも先に「導体がいわば『磁束の刈り取り機』として、どれだけの面積を掃除したか」という物理的なイメージに立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文から「導体を磁界中で動かしている(発電)」という状況を整理する。 2. 次に、原理「電圧は、単位時間にどれだけの磁力線を横切ったかで決まる(e = BLv)」という公式を思い出す。 3. 垂直という条件から sin 90度 = 1 であることを確認し、すべての変数が分子にあるシンプルな積の形を探す。 4. 最後に、単位(V = T * m * m/s)の整合性を確認し、(1)を確定させる。 この流れでアプローチすれば、論理的に正解へたどり着くことができる。

問40

電気回路と磁気回路の対応関係に関する記述として、誤っているものを選べ。

  1. 電気回路の「起電力」は、磁気回路の「起磁力(N * I)」に対応する。
  2. 電気回路の「電流」は、磁気回路の「磁束」に対応する。
  3. 電気回路の「抵抗」は、磁気回路の「磁気抵抗」に対応する。
  4. 電気回路の「導電率」は、磁気回路の「透磁率」に対応する。
  5. 電気回路ではエネルギーの消費(熱)があるが、磁気回路で磁束が一定に流れている間も常にエネルギーを消費し続ける。

解説

【正解】 (5) 【設問の意図】 この問題は、単なる対応表の暗記ではなく、「電気回路」と「磁気回路」の類似性と、決定的な物理的相違点(エネルギー消費の有無)を理解しているかを問う問題である。 問題文の条件において注目すべきポイントは、定常状態における「エネルギーの消費」であり、ここを起点に磁界という『場の維持』の性質を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。 【正解の理由(なぜこれが正しいか)】 結論から言うと、磁気回路では磁束を一定に維持するだけならエネルギーを消費しないため、(5)が誤り(正解の選択肢)として適切である。 そもそも磁気回路のオームの法則(磁束 = 起磁力 / 磁気抵抗)は、数式上の形が電気回路に酷似しているために便宜上使われるモデルである。 しかし、電気回路では電子が移動し続けるために抵抗で常にジュール熱(エネルギー消費)が発生するのに対し、磁気回路の「磁束」は電子のような粒子の移動ではなく、空間の「状態」に過ぎない。 本問の条件下では、永久磁石がエネルギーを消費せずに磁界を出し続けていることからもわかる通り、定常的な磁束の維持にエネルギー消費は不要である(コイルに電流を流し続けるための電気抵抗での損失は別問題である)。 したがって、消費し続けるとしている(5)は物理的に誤りである。 【初心者がここで迷う理由】 学習の初期段階では、多くの人は 「電気回路と磁気回路はすべてが完璧に対応しているはずだ」 と短絡的に考えてしまいがちである。 特に、 ・「磁気抵抗」という言葉に惑わされ、電気抵抗と同じく熱を出すものだと思い込んでしまう ・数式(Phi = F / Rm)の形に満足して、その裏にある物理現象の違いまで考えが及ばない といった思考に陥りやすい。 しかし本問では、対応表の暗記よりも先に「もし磁力線を出すのにエネルギーが要るなら、冷蔵庫に貼ったマグネットはいつかエネルギー切れで落ちてしまうはずだが、実際はそうならない」という日常の物理現象に立ち返って考えなければならない。 【本番での判断フロー】 本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。 1. まず、問題文が「対応関係」の「誤り」を問うていることを確認する。 2. 次に、回路の対応(起電力-起磁力、電流-磁束、抵抗-磁気抵抗、導電率-透磁率)が正しいことを一つずつ照合する。 3. 最後に、「エネルギー消費」という物理的本質に注目し、電気(電子の移動)と磁気(場の状態)の決定的な違いを思い出す。 4. 磁束の維持にエネルギー消費が必要だと述べている選択肢(5)を、論理的な誤りとして選ぶ。 この流れでアプローチすれば、モデルの限界を理解し、深い洞察を持って正解にたどり着くことができる。