第三種電気主任技術者 電界と磁界・静電気
問1
真空中に置かれた2つの点電荷A(+4マイクロクーロン)とB(+2マイクロクーロン)が、0.2メートルの距離を置いて配置されている。この2つの点電荷の間に働く静電気力の大きさ[N]として、最も近い値を選べ。ただし、真空の誘電率を基本とした比例定数を 9×10の9乗 [N・m^2/C^2] とする。
- 0.18
- 0.36
- 0.9
- 1.8
- 3.6(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「クーロンの法則」が表す物理的な意味(距離が離れるほど急激に力が弱まる空間への影響の広がり方)を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは電荷の大きさと距離の単位であり、ここを起点に物理的な意味を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、計算結果が1.8となるため、(4)が最も適切である。
そもそもクーロンの法則とは、「電気を持つ粒子の間に働く力は、それぞれの電気量の積に比例し、距離の2乗に反比例する」という物理現象に基づいている。これは、光や音が離れると急激に弱くなるのと同じく、エネルギーが3次元空間に球面状に広がる性質を表している。
本問の条件下では、電荷がそれぞれ4マイクロクーロンと2マイクロクーロン、距離が0.2メートルと明示されているため、この原理原則に従って計算を進める必要がある。
計算の過程として、力 = 9×10の9乗 × (4×10のマイナス6乗 × 2×10のマイナス6乗) ÷ (0.2の2乗)となる。
これを計算すると、分子は 72×10のマイナス3乗、分母は 0.04 となり、結果は 1.8 N と結論づけられる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階や、公式の文字面だけを追うと、多くの人は
「とりあえず数字を掛け算・割り算すればいいだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・マイクロ(10のマイナス6乗)という単位の変換を忘れる
・距離を2乗することを忘れて、そのまま0.2で割り算してしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式を適用するよりも先に「根本となる単位の統一と、距離が2乗で効いてくるという物理的スケール感」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「前提条件(電荷の単位がマイクロであること、距離が0.2mであること)」を整理する。
2. 次に、公式の丸暗記ではなく「なぜそうなるのか(距離の2乗に反比例するという空間の性質)」の原理を思い出す。
3. 計算式を立て、結果を導出する(暗算で大まかに 72 ÷ 4 = 18 の桁数になると見当をつける)。
4. 最後に、他の選択肢が「どの条件を無視しているか(距離の2乗忘れで0.36になる等)」を確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、論理的に正解へたどり着くことができる。
問2
真空中の同一直線上に、点電荷A(+1マイクロクーロン)、B(-2マイクロクーロン)、C(+4マイクロクーロン)がこの順に、それぞれ0.1メートルの等間隔で配置されている。このとき、中央の点電荷Bに働く合成静電気力の大きさ[N]と向きの組み合わせとして、正しいものを選べ。比例定数は 9×10の9乗 [N・m^2/C^2] とする。
- 3.6 N、電荷Aの方向
- 5.4 N、電荷Aの方向
- 5.4 N、電荷Cの方向
- 9.0 N、電荷Aの方向(正解)
- 9.0 N、電荷Cの方向
解説
【正解】
(3)
【設問の意図】
この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「力はベクトル(大きさと向きを持つ矢印)である」という物理現象の根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは電荷の正負(引力か反発力か)であり、ここを起点に物理的な力の足し合わせを論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電荷Bは電荷Cの方向に5.4 Nの力で引かれるため、(3)が最も適切である。
そもそも静電気力とは、「プラスとマイナスは引き合い、同じ符号同士は反発する」という物理現象に基づいている。これは綱引きのように、物体に対してどの方向に引っ張られるかが重要となる。
本問の条件下では、B(マイナス)はA(プラス)からもC(プラス)からも引力を受けることが明示されているため、この原理原則に従って向きを最優先で判断する必要がある。
AがBを引く力:9×10の9乗 × (1×2×10のマイナス12乗) ÷ 0.1の2乗 = 1.8 N(Aの方向=左向き)
CがBを引く力:9×10の9乗 × (2×4×10のマイナス12乗) ÷ 0.1の2乗 = 7.2 N(Cの方向=右向き)
左右の綱引きの結果、右(Cの方向)に 7.2 - 1.8 = 5.4 N の力が残ると結論づけられる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「とりあえず出た数字を全部足せばいいだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・力の向き(ベクトル)を無視して、1.8 + 7.2 = 9.0 N と単純に足し算してしまう
・マイナスの符号をそのまま数式に入れて混乱してしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、計算の前に「根本となる力の働く向き(引力か斥力か)」に立ち返って図を描かなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いや誤答の原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「前提条件(各電荷の配置とプラス・マイナスの符号)」を整理し、簡単な図を描く。
2. 次に、「なぜそうなるのか(異符号は引き合うという物理法則)」の原理を思い出し、Bに働く力の矢印を描き込む。
3. 左右それぞれの力の大きさをクーロンの法則で計算する。
4. 最後に、矢印の向きが逆であることを視覚的に確認し、引き算を行って残った向きと大きさを確定させる。
この流れでアプローチすれば、ケアレスミスを防ぎ、論理的に正解へたどり着くことができる。
問3
真空中に置かれた点電荷 +Q [C] から距離 r [m] 離れた点における電界の強さ E [V/m] を表す式として、正しいものを選べ。ただし、真空の誘電率を ε0 [F/m] とする。
- Q / (2πε0・r)
- Q / (4πε0・r)
- Q / (2πε0・rの2乗)
- Q / (4πε0・rの2乗)
- Qの2乗 / (4πε0・rの2乗)(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「電界」という電気的な空間の歪み(他の電荷に力を及ぼす空間の性質)の根本概念を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは電界の強さの定義であり、ここを起点にクーロンの法則から論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電界の強さは電荷に比例し距離の2乗に反比例するため、(4)が最も適切である。
そもそも電界の強さとは、「その場所に +1 C の基準電荷を置いたときに、その基準電荷が受ける力の大きさ」という物理的な定義に基づいている。
本問の条件下では、源となる電荷が +Q であることが明示されているため、この原理原則に従ってクーロンの法則を適用し最優先で判断する必要がある。
クーロンの法則の式において、片方の電荷を Q、もう片方の電荷を 1 と置いたものが電界 E となる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、 E = Q / (4πε0・rの2乗) と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「電位の公式と電界の公式は似ているから、どちらかだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・分母が r なのか rの2乗 なのかを混同してしまう
・2π と 4π の違い(球の表面積由来か円周由来か)を見落とす
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の文字面よりも先に「根本となる空間への力の広がり方(球の表面積 4πrの2乗 に反比例する)」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「問われているのが『電位』ではなく『電界』であること」を整理する。
2. 次に、公式の丸暗記ではなく「電界=空間に広がる力=球の表面積(4πrの2乗)で割るイメージ」の原理を思い出す。
3. その原理に最も合致する分母が 4πε0・rの2乗 である選択肢を探す。
4. 最後に、他の選択肢が「電位の式(分母がr)」や「直線状電荷の式(分母が2πr)」であることを確認し、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、似たような公式群の中から論理的に正解へたどり着くことができる。
問4
真空中の点Aと点Bに、それぞれ +Q [C] の等しい正の点電荷が置かれている。線分ABの中点における電界の強さ [V/m] として、正しい値を選べ。
- 0
- Q / (πε0・rの2乗)(正解)
- Q / (2πε0・rの2乗)
- 2Q / (πε0・rの2乗)
- 4Q / (πε0・rの2乗)
解説
【正解】
(1)
【設問の意図】
この問題は、複雑な計算力ではなく、「電界はベクトル(向きを持つ量)である」という物理的な対称性を直感的に理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは2つの電荷が「等しい正の電荷」であり、場所が「中点」であることであり、ここを起点に物理的な意味を組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、中点では両側からの電界が完全に打ち消し合うため、(1)が最も適切である。
そもそも電界とは、「その場所に置かれた +1 C の電荷がどちらに押されるか」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、AとBの両方に同じ強さのプラス電荷があり、中点であることが明示されているため、この原理原則に従って空間の対称性を最優先で判断する必要がある。
中点に +1 C を置いたと想像すると、Aからは右へ押され、Bからは左へ同じ力で押される。両側から同じ力で押されれば、その場から動かない(力がゼロになる)。
したがって、計算をするまでもなく合成電界は 0 と結論づけられる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階や、公式に頼りすぎる場合、多くの人は
「点電荷が2つあるから、電界も2倍になるはずだ」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・電界の「向き」を完全に忘れ、大きさだけを足し算してしまう
・公式に当てはめて必死に計算しようとし、結果的に足してしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式に数字を入れるよりも先に「根本となる空間の対称性と力の向き」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いや無駄な計算ミスの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「前提条件(2つの電荷が同符号・同量であり、位置が中点であること)」を整理する。
2. 次に、公式の丸暗記ではなく「真ん中にボールを置いたら両側からどう押されるか」という物理的原理を思い出す。
3. 力が完全に釣り合ってゼロになることに気づき、選択肢を探す。
4. 最後に、他の選択肢が「ベクトルを無視して単純に足し算した場合の引っかけ」であることを確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、計算に時間を奪われることなく、論理的に即答することができる。
問5
ガウスの定理に関する記述として、正しいものを選べ。真空中に任意の形をした閉曲面があり、その内部に総電荷量 Q [C] が存在するとき、この閉曲面全体を外側に向かって貫く電気力線の総数はどうなるか。ただし、真空の誘電率を ε0 [F/m] とする。
- 閉曲面の形状や大きさによって変化する
- 閉曲面の表面積に比例して増加する
- Q・ε0 本である
- Q / ε0 本である
- ε0 / Q 本である(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、単なる式の丸暗記ではなく、「ガウスの定理」が意味する『湧き出しの法則(源の量だけで総量が決まる)』という電気的な現象の根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは内部の「総電荷量 Q」であり、ここを起点に電気力線というモデルの性質を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電気力線の総数は内部の電荷量のみで一意に決まるため、(4)が最も適切である。
そもそもガウスの定理とは、「シャワーヘッド(電荷)から出る水(電気力線)の総量は、シャワーヘッドをどんな形の袋(閉曲面)で包んでも、袋を突き破って出てくる水の総量は変わらない」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、内部に Q [C] の電荷があることが明示されているため、この原理原則に従って、包む面の形に依存しないことを最優先で判断する必要がある。
電磁気学の定義において、1 [C] の電荷からは 1 / ε0 本の電気力線が出ると約束されている。したがって Q [C] ならその Q 倍となる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、 Q / ε0 本であると結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「面積が広くなれば、出てくる線の数も増えるだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・電界の強さ(密度)と、電気力線の総数を混同してしまう
・公式の掛け算と割り算(Q・ε0 なのか Q / ε0 なのか)を忘れてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の形よりも先に「根本となる『源の量が同じなら、出てくる総数も同じ』という保存則」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「問われているのが『密度(電界)』ではなく『総数』であること」を整理する。
2. 次に、「なぜそうなるのか(水源が同じなら、どんな網で囲っても出てくる水量は同じ)」というガウスの定理の原理を思い出す。
3. その原理から、表面積や形状に依存する選択肢を除外し、1 Cあたり 1 / ε0 本という基本定義に合致する選択肢を探す。
4. 最後に、Q・ε0 のような単位次元が合わない選択肢を確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、本質的な理解に基づいて論理的に正解へたどり着くことができる。
問6
真空中において、点電荷 Q [C] から距離 r [m] 離れた点の電位 V [V] は、距離 r に対してどのような関係になるか。最も適切な記述を選べ。ただし、無限遠の電位を 0 [V] とする。
- 距離 r に比例して大きくなる
- 距離 r の2乗に比例して大きくなる
- 距離 r に反比例して小さくなる
- 距離 r の2乗に反比例して小さくなる(正解)
- 距離 r には依存せず一定である
解説
【正解】
(3)
【設問の意図】
この問題は、単なる数式の暗記ではなく、「電位」が物理的に「高さ(エネルギーの山)」を意味するという根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「電位 V と距離 r の関係」であり、ここを起点に電界との違いを論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電位は距離 r に反比例するため、(3)が最も適切である。
そもそも電位とは、「重力における『標高(高さ)』と同じように、電荷が作る反発力の山をどれくらい登ったか(必要なエネルギー)」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、無限遠を基準(標高0)としていることが明示されているため、この原理原則に従って、電荷(山の頂上)に近づくほど標高が高くなる様子を最優先で判断する必要がある。
電界(山の斜面の急さ)は距離の2乗に反比例するが、電位(山の標高)は電界を距離で積分したもの(斜面を歩いて登った総エネルギー)であるため、次元が一つ下がり、距離 r に反比例する形になる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、距離 r に反比例して小さくなると結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「クーロンの法則や電界の公式と同じく、距離の2乗に反比例するだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・「力(クーロン力)」「電界」「電位」の公式の分母が r なのか rの2乗 なのかをすべて混同してしまう
・電位という目に見えない概念を、力と同じものだと勘違いしてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の暗記よりも先に「根本となる『電界は斜面の急さ(rの2乗に反比例)、電位は標高(rに反比例)』という役割の違い」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「問われているのが『力や電界』ではなく『電位』であること」を整理する。
2. 次に、公式の丸暗記ではなく「電位はエネルギー(力×距離)だから、力の公式の分母 rの2乗 に距離 r を掛けて、結果的に分母が r になる」という原理を思い出す。
3. その原理・原則に最も合致する「r に反比例」という選択肢を探す。
4. 最後に、他の選択肢が「力や電界との混同」であることを確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、公式のド忘れがあっても論理的に正解へたどり着くことができる。
問7
空間における電界と電位の関係について、最も適切な記述を選べ。
- 電界の向きは、常に電位が高くなる方向と一致する。
- 電位が一定で変化しない空間では、電界の強さは最大となる。
- 電界の強さは、その点における電位の空間的な傾き(変化率)に等しい。
- 電位の傾きが急な場所ほど、電界の強さは弱くなる。(正解)
- 電界の強さと電位の値は、常に正比例の関係にある。
解説
【正解】
(3)
【設問の意図】
この問題は、数式の丸暗記ではなく、「電界と電位」の関係が、地図上の「斜面の急さ(傾き)と標高」の関係と同じであるという物理的な直感を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは電界の「強さ・向き」と電位の「変化」の関係であり、ここを起点に物理的な意味を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電界は電位の傾きそのものであるため、(3)が最も適切である。
そもそも電界と電位の関係とは、「山の標高(電位)が急激に変化する場所ほど、その斜面(電界)は急であり、ボールを置いたときに強い力で転がり落ちる」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、空間の性質が問われているため、この原理原則に従って電位の変化率を最優先で判断する必要がある。
数式で表すと E = -ΔV / Δx (電位の傾きにマイナスをつけたものが電界)となる。つまり、傾きが急なほど電界は強く、向きは標高が下がる方向となる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、電位の傾き(変化率)に等しいと結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「電位が高い場所は、電界も強いだろう(正比例だろう)」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・山の頂上(電位が高い)と斜面の急さ(電界)を混同してしまう(例えば、標高が高くても平坦な高原なら電界はゼロである)
・電界の向きを「電位が高くなる方向(山を登る方向)」と勘違いしてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、用語のイメージよりも先に「根本となる『力(電界)は、エネルギー(電位)の落差から生まれる』という性質」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、頭の中で「電位=山の標高」「電界=斜面の急さとボールが転がる力」というイメージを整理する。
2. 次に、そのイメージ下で「平坦な場所(電位一定)ならボールは転がらない(電界ゼロ)」「急斜面(傾きが大きい)ほど力(電界)は強い」という原理を思い出す。
3. その原理・原則に最も合致する「電位の傾きに等しい」という選択肢を探す。
4. 最後に、他の選択肢が「電位が高い方に力が働く(逆)」「一定空間で最大(間違い)」という条件を無視しているかを確認し、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、曖昧な知識に頼らず、論理的に正解へたどり着くことができる。
問8
電気力線と等電位面の関係に関する記述として、誤っているものを選べ。
- 電気力線は、等電位面と常に垂直に交わる。
- 等電位面に沿って電荷を移動させるとき、静電気力がする仕事はゼロである。
- 電気力線が密な場所ほど、等電位面の間隔は狭くなる。
- 異なる電位を持つ2つの等電位面が交差することはない。
- 導体の表面は常に等電位面ではないため、電気力線は斜めに交わることがある。
解説
【正解】
(5)
【設問の意図】
この問題は、単なる図の丸暗記ではなく、「等電位面」と「力の向き(電気力線)」の間に成り立つ力学的な直交性の根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは導体表面の性質であり、ここを起点に静電平衡状態の物理的な意味を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、静電状態における導体表面は必ず等電位面となり電気力線は垂直に交わるため、斜めに交わるとする(5)が誤り(正解の選択肢)として適切である。
そもそも等電位面とは、「等高線に沿って歩けば登り下りがない(仕事をしない)ように、電位が同じ面を移動しても電気的なエネルギー変化がない面」という物理現象に基づいている。
もし導体表面が等電位面でなく、電気力線が斜めに交わっていたらどうなるか。斜めの力には導体表面に沿った水平方向の分力が発生し、導体内の自由電子がその力で動いてしまう。しかし「静電気」の分野では電荷は移動を終えて静止している(静電平衡)ことが前提である。
したがって、自由電子が動かないためには表面に沿った力はゼロでなければならず、電気力線は必ず表面(等電位面)に対して垂直に交わると結論づけられる。これが斜めになるとした(5)は物理法則に反している。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「導体の形がいびつなら、電気力線も斜めにぶつかるだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・「等電位面」という言葉と「導体」という物質を結びつけて考えられない
・静電気の分野において、自由電子がすでに移動し終わって安定している状態(静電平衡)を想定できない
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、図のイメージよりも先に「根本となる『電荷が動かない=横方向の力がない=必ず垂直』という静電平衡の条件」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いや誤答の原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「問われているのが『誤っているもの』であること」を整理する。
2. 次に、等高線(等電位面)と重力(電気力線)の関係を思い出し、「等高線を歩くなら仕事はゼロ」「力は常に等高線に垂直」という基本原理を確認する。
3. 選択肢の中で、この「垂直」や「仕事ゼロ」の原則に反しているものを探す。
4. 最後に、導体表面で電気力線が「斜めに交わる」と主張している選択肢(5)が、静電平衡の条件を完全に無視していることを確定させ、誤りとして選ぶ。
この流れでアプローチすれば、論理的矛盾を突いて確実に正解へたどり着くことができる。
問9
電気力線の性質に関する記述として、誤っているものを選べ。ただし、真空の誘電率を ε0 [F/m] とする。
- 正の電荷から出て、負の電荷に入る、または無限遠まで続く。
- 電荷が存在しない空間において、電気力線が途中で枝分かれしたり交差したりすることはない。
- 任意の点における電気力線の接線の向きは、その点における電界の向きと一致する。
- 電界の強さが E [V/m] の場所では、電界に垂直な単位面積(1平方メートル)当たりを通過する電気力線の数は E / ε0 本である。
- 電荷のない空間では、電気力線が途中で途切れることはない。(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、単なる文章の丸暗記ではなく、「電気力線」という仮想の線が、電界の強さをどのように視覚化(モデル化)しているかの根本ルールを理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは単位面積当たりの「電気力線の密度」であり、ここを起点に電界の定義と論理的に結びつけられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電気力線の密度はそのまま電界 E に等しく設定されるため、 E / ε0 としている(4)が誤り(正解の選択肢)として適切である。
そもそも電気力線とは、「目に見えない電界の強さや向きを、線の向きと『線の密度』で表現するために人間が作ったルール」に基づいている。
このルールでは、「電界の強さが E の場所では、1平方メートル当たりに E 本の線が通過しているように描こう」と約束されている。
本問の条件下では、単位面積当たりの線の数が問われているため、この原則に従って判断する必要がある。
全体の総本数はガウスの定理により Q / ε0 本であるが、単位面積当たりの本数(密度)は E そのものである。
したがって、 E / ε0 本であると記述しているこの選択肢はルールの定義と矛盾しており、誤りであると結論づけられる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「ガウスの定理で ε0 で割っていたから、密度の時も ε0 で割るのだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・「全体の総本数(Q / ε0)」と「単位面積当たりの本数(E)」の定義を完全に混同してしまう
・電気力線が単なる仮想のルールであるという前提を忘れてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の破片に頼るよりも先に「根本となる『電気力線の密度=電界の強さ E』という作図の約束事」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、引っ掛け問題に落ちる原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「問われているのが『誤っているもの』であること」を整理する。
2. 次に、電気力線の基本ルール(プラスから出てマイナスへ入る、交差しない、密度が強さを示す)を思い出す。
3. 選択肢(4)の「単位面積当たりの数(密度)」に注目し、密度の定義が E そのものであったかを確認する。
4. 他の選択肢がすべて正しい基本ルールを述べていることを確認し、密度に不要な ε0 が付いている(4)を誤りとして確定させる。
この流れでアプローチすれば、知識の混同を防ぎ、論理的に正解へたどり着くことができる。
問10
帯電していない金属(導体)に、正に帯電したガラス棒を近づけたときに起こる現象(静電誘導)の記述として、最も適切なものを選べ。
- 金属内のすべての電荷が移動し、金属全体が正に帯電する。
- 金属内のすべての電荷が移動し、金属全体が負に帯電する。
- ガラス棒に近い側に負の電荷が現れ、遠い側に正の電荷が現れる。
- ガラス棒に近い側に正の電荷が現れ、遠い側に負の電荷が現れる。(正解)
- 金属内部の自由電子は動かず、一様な電界が発生する。
解説
【正解】
(3)
【設問の意図】
この問題は、用語の丸暗記ではなく、「静電誘導」という現象において、導体内部の電子がどのような力学的な引力を受けて移動するのかという物理の根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは対象が「金属(導体)」であり、近づけたものが「正に帯電」している点であり、ここを起点に電荷の移動を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、金属内の自由電子が正電荷に引き寄せられるため、(3)が最も適切である。
そもそも静電誘導とは、「金属のように自由に動ける電子(自由電子)を持つ物質の近くに電気を持った物体を置くと、クーロンの引力・斥力によって電子が物質内で偏る」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、近づけたガラス棒が「正(プラス)」であることが明示されているため、この引力の原理に従ってマイナスの電子がどう動くかを最優先で判断する必要がある。
プラスの棒が近づくと、金属内のマイナス(自由電子)は引力によって棒に近い側へ引き寄せられる。その結果、電子が逃げていった遠い側は相対的にプラスの性質(正イオン)が取り残されて現れる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、近い側に負、遠い側に正が現れると結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「プラスを近づけたから、金属にプラスが移って全体がプラスになるだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・「近づけただけ(接触していない)」という条件を見落とし、接触による帯電と混同してしまう
・プラス電荷とマイナス電荷の両方が自由に動いていると勘違いしてしまう(実際には金属内で動くのはマイナスの自由電子のみ)
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、結果を丸暗記するよりも先に「根本となる『プラスとマイナスは引き合う』という力学と『動くのは電子』という物質の性質」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いや誤答の原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「前提条件(対象は導体、棒はプラス、接触はさせていない)」を整理する。
2. 次に、暗記ではなく「プラスを近づけたら、金属内の自由に動けるマイナス(電子)はどうなるか」という物理的な引力を思い出す。
3. 電子がプラスの棒に引き寄せられて近い側に集まる(負になる)状況をイメージし、それに合致する選択肢を探す。
4. 最後に、全体が帯電するという選択肢(接触時の現象)を確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、与えられた条件が変わっても(棒がマイナスの場合など)、論理的に正解へたどり着くことができる。
問11
真空中に置かれた半径 r [m] の孤立導体球の静電容量 C [F] を表す式として、正しいものを選べ。ただし、真空の誘電率を ε0 [F/m] とする。
- ε0・r
- 2πε0・r
- 4πε0・r
- ε0 / (4πr)(正解)
- 4πε0 / r
解説
【正解】
(3)
【設問の意図】
この問題は、単なる公式の暗記ではなく、「静電容量(電気の貯めやすさ)」が物体の形状(半径)とどのような物理的関係にあるかの根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「孤立導体球」であり、ここを起点に電位と電荷の関係を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、導体球の静電容量は半径 r に比例し 4πε0・r となるため、(3)が最も適切である。
そもそも静電容量 C とは、「1ボルトの電位(電気的な高さ)を与えるために、どれだけの電荷(電気の量)が必要か」を示す指標(C = Q / V)という物理現象に基づいている。
点電荷が作る電位 V は、クーロンの法則の積分から V = Q / (4πε0・r) となる。これを C = Q / V に代入すると、V の式が分母にくるため、C = 4πε0・r が導かれる。
つまり、球が大きくなる(r が大きくなる)ほど、同じ電荷を与えても電気的な反発が分散され電位が上がりにくくなるため、結果として「より多くの電気を貯められる(静電容量が大きい)」状態になる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、4πε0・r と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「電界や電位の公式と似ているから、分母に r がくるだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・電位 V = Q / (4πε0・r) の公式と静電容量 C の公式を混同してしまう
・静電容量 C とは「Q を V で割ったもの(C = Q / V)」という大原則を忘れてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の丸暗記よりも先に「根本となる『球が大きければ大きいほど、電気はたくさん貯まるはずだ(つまり r に比例する)』という直感的な物理スケール」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「問われているのが電界や電位ではなく『静電容量(貯まりやすさ)』であること」を整理する。
2. 次に、「球がデカいほど電気はいっぱい入る(C は r に比例するはず)」という物理法則の原理を思い出す。
3. 選択肢の中で、分母に r があるもの(小さくなるもの)を除外し、r に比例している (3) や (1), (2) に絞り込む。
4. 最後に、電位の式の分母が 4πε0 であることを思い出し、逆数になることで 4πε0・r になることを確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、公式をド忘れしても論理的に正解へたどり着くことができる。
問12
極板の面積が S [m^2]、極板間の距離が d [m] の平行平板コンデンサがある。極板間が誘電率 ε [F/m] の誘電体で満たされているとき、このコンデンサの静電容量 C [F] を表す式として正しいものを選べ。
- ε・S・d
- ε・S / d
- ε・d / S(正解)
- S / (ε・d)
- d / (ε・S)
解説
【正解】
(2)
【設問の意図】
この問題は、コンデンサの基本公式を問うものだが、単なる丸暗記ではなく「極板の面積」と「極板間の距離」が電気の貯まりやすさにどう物理的に影響するのかの根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは面積 S と距離 d の配置であり、ここを起点に物理的な意味を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、静電容量は面積に比例し距離に反比例するため、(2)が最も適切である。
そもそもコンデンサの静電容量とは、「向かい合った極板同士で、どれだけ強くプラスとマイナスの電気を引き合わせ、留めておけるか」という物理現象に基づいている。
極板の面積 S が大きいほど、電荷が並ぶ「駐車場」が広くなるため、貯められる電気の量は増える(比例)。
一方、極板間の距離 d が遠くなると、プラスとマイナスが互いに引き合う引力が弱まってしまうため、電気を留めておく力は弱まる(反比例)。
本問の条件下では、これらの関係が文字式として明示されているため、この原理原則に従って C = ε・S / d を最優先で判断する必要がある。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、この選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「公式の文字が S と d と ε だから、適当に掛けたり割ったりすればいいだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・抵抗の公式(R = ρ・l / A)と形が似ているため、面積と距離の関係を逆にしてしまう(抵抗は距離に比例、面積に反比例)
・分母と分子の配置を試験本番の緊張でド忘れしてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の形よりも先に「根本となる『広いほどいっぱい貯まる(Sは上)、遠いと引き合わない(dは下)』という構造的原理」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、頭の中でコンデンサの極板をイメージし、「面積 S」と「距離 d」の役割を整理する。
2. 次に、公式の丸暗記ではなく「面積が広い=駐車場が広い=容量UP(Sは分子)」「距離が近い=磁石のように強く引き合う=容量UP(dは分母)」の原理を思い出す。
3. その原理・原則に合致する「Sが分子、dが分母」となっている選択肢を探す。
4. 最後に、抵抗の公式などと混同している他の選択肢を確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、抵抗やインダクタンスの公式と混同することなく、論理的に正解へたどり着くことができる。
問13
ある平行平板コンデンサの極板間隔を半分(0.5倍)にし、極板の面積を2倍にした。極板間の誘電率は変わらないものとする。変更後の静電容量は、変更前の静電容量の何倍になるか。
- 0.5倍
- 1倍(変わらない)
- 2倍
- 4倍
- 8倍(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、静電容量の公式に数値を代入するだけの計算力ではなく、パラメータの変更が物理現象にどう乗数的に効いてくるかという「比例・反比例の根本概念」を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「間隔が半分」と「面積が2倍」の同時発生であり、ここを起点に物理的な影響を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、面積拡大による2倍と距離短縮による2倍が掛け合わされるため、(4)が最も適切である。
そもそもコンデンサの静電容量 C は、「極板面積 S に比例し、極板間距離 d に反比例する(C = εS / d)」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、面積 S が2倍になり、かつ距離 d が 0.5倍 になることが明示されているため、この原理原則に従って個別の影響を掛け合わせて最優先で判断する必要がある。
面積が2倍になれば、電気を貯めるスペースが2倍になるため容量は2倍。
距離が半分(0.5倍)になれば、プラスマイナスの引力がより強固になり、さらに容量は2倍(1 ÷ 0.5 = 2)になる。
したがって、2倍 × 2倍 = 4倍 と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階や、現場の直感だけで解こうとした場合、多くの人は
「半分と2倍だから、相殺されて1倍(変わらない)だろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・「反比例(分母が小さくなると全体は大きくなる)」という数学的処理を直感で逆に捉えてしまう
・面積の影響か、距離の影響かの片方しか計算に組み込まない
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、直感的な足し引きよりも先に「根本となる『距離が近づく=容量が【増える】』という静電気の引力モデル」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いやケアレスミスの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「変更されたパラメータ(Sが2倍、dが0.5倍)」を整理する。
2. 次に、暗算ではなく「Sが2倍なら容量は2倍」「dが半分なら容量はどうなる?近づくから増える、つまり2倍」と一つずつ物理現象を確認する。
3. 両方の効果が共に「容量を増やす方向」に働いていることを確認し、掛け算(2 × 2)を行う。
4. 最後に、「相殺される」と勘違いさせる引っかけ選択肢(2)などを確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、複数の条件変更が重なっても論理的に正解へたどり着くことができる。
問14
平行平板コンデンサ(極板間隔 d、極板面積 S、内部は真空)の極板間に、厚さが d/2 で比誘電率が 2 の誘電体板を極板と平行に挿入した。残りの厚さ d/2 の部分は真空のままである。挿入後のコンデンサ全体の静電容量は、真空のみであった時の何倍になるか。
- 0.666…倍
- 1.333…倍
- 1.5倍(正解)
- 2倍
- 3倍
解説
【正解】
(2)
【設問の意図】
この問題は、複雑な公式の丸暗記ではなく、「極板に平行に誘電体を挿入する」という行為が、回路的に「2つのコンデンサが直列に接続された状態」を作り出すという物理的モデリングの根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「誘電体の厚さと比誘電率」であり、ここを起点に直列合成容量の計算を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、計算結果が元の 4/3 倍(1.333…倍)となるため、(2)が最も適切である。
そもそも誘電体の平行挿入とは、「電気的な落差(電圧)を真空部分と誘電体部分で直列に分担する」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、極板間隔の半分(d/2)が真空、残り半分(d/2)が比誘電率2の物質に置き換わることが明示されているため、これを2つの直列コンデンサとして最優先で判断する必要がある。
元の容量を C0 = ε0・S / d とする。
真空部分の容量 C1 は、距離が d/2 になったため C1 = ε0・S / (d/2) = 2・C0 となる。
誘電体部分の容量 C2 は、距離が d/2 で比誘電率が 2 なので C2 = 2・ε0・S / (d/2) = 4・C0 となる。
直列接続の合成容量 C は、(C1・C2) / (C1 + C2) = (2・4) / (2 + 4) = 8 / 6 = 1.333…・C0 と計算できる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、1.333…倍 と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「半分が比誘電率2になったのだから、平均して1.5倍だろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・直列接続と並列接続の合成式の違い(抵抗のルールとコンデンサのルールの逆転)を混同してしまう
・誘電体を挿入したことで「距離が半分になった」というコンデンサ単体としての容量アップ効果(2倍)を計算に入れ忘れる
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、単純な平均計算よりも先に「根本となる『誘電体の層が分かれる=直列回路として合成する』という等価回路の作成」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いや誤答の原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「平行挿入=層になる=直列接続の等価回路」であることを整理し、図を描く。
2. 次に、C = εS / d の式に基づき、上の層(真空)と下の層(誘電体)それぞれの容量を元の C0 を基準に算出する(それぞれ 2・C0 と 4・C0)。
3. コンデンサの直列合成公式「和分の積」を用いて、(2×4)/(2+4) を計算する。
4. 最後に、単純平均の 1.5倍 などの選択肢が「直列の物理法則を無視した引っかけ」であることを確認し、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、どんな厚みや比誘電率の組み合わせが出題されても、論理的に正解へたどり着くことができる。
問15
極板の面積が S [m^2]、極板間隔が d [m] の平行平板コンデンサ(内部は真空)がある。この極板間の右半分(面積 S/2 の部分)を比誘電率が 3 の誘電体で満たし、左半分(面積 S/2 の部分)は真空のままとした。全体の静電容量は、全体が真空であった時の何倍になるか。
- 1.5倍
- 2倍
- 3倍(正解)
- 4倍
- 6倍
解説
【正解】
(2)
【設問の意図】
この問題は、公式の丸暗記ではなく、「面積を分割するように誘電体を挿入する」という行為が、回路的に「2つのコンデンサが並列に接続された状態」を作り出すという物理的モデリングの根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「面積の分割(並列)」であり、ここを起点に並列合成容量の計算を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、計算結果が元の 2倍 となるため、(2)が最も適切である。
そもそもコンデンサにおける面積の分割とは、「電気を貯める駐車場が、真空の駐車場と誘電体の駐車場の2つに横並びに分かれた状態(並列接続)」という物理現象に基づいている。
本問の条件下では、極板面積の半分(S/2)が真空、残り半分(S/2)が比誘電率3の物質に置き換わることが明示されているため、これを2つの並列コンデンサとして足し合わせることを最優先で判断する必要がある。
元の容量を C0 = ε0・S / d とする。
真空部分(左半分)の容量 C1 は、面積が S/2 なので C1 = ε0・(S/2) / d = 0.5・C0 となる。
誘電体部分(右半分)の容量 C2 は、面積が S/2 で比誘電率が 3 なので C2 = 3・ε0・(S/2) / d = 1.5・C0 となる。
並列接続の合成容量 C は、単なる足し算であるため C = C1 + C2 = 0.5・C0 + 1.5・C0 = 2.0・C0 と計算できる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、2倍 と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「直列の時と同じように、和分の積などの複雑な計算が必要だろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・誘電体の挿入方向(極板に平行か、垂直か)によって、等価回路が「直列」になるか「並列」になるかの見極めができない
・コンデンサの並列合成が「単なる足し算」であること(抵抗の直列と同じ)を、試験の緊張で忘れてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、計算に飛びつくよりも先に「根本となる『駐車場が横に並んだだけ=並列=足し算』という構造の把握」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「極板間の右半分と左半分=面積の分割=並列接続の等価回路」であることを整理し、簡単な図を描く。
2. 次に、C = εS / d の式に基づき、左(真空)と右(誘電体)それぞれの容量を計算する(それぞれ元の 0.5倍 と 1.5倍)。
3. コンデンサの並列合成は単純な足し算であるという基本ルールに従い、0.5 + 1.5 = 2 を導く。
4. 最後に、直列の計算をしてしまった場合の引っかけ選択肢を確定させ、誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、複雑に見える複合誘電体の問題も、論理的に正解へたどり着くことができる。
問16
真空中において、外半径が a [m] の導体球(内球)と、それを取り囲む内半径が b [m] の中空導体球殻(外球)からなる同心球コンデンサがある。このコンデンサの静電容量 C [F] を表す式として、正しいものを選べ。ただし、真空の誘電率を ε0 [F/m] とする。
- 4πε0・(b - a)
- 4πε0・a・b / (b - a)
- 4πε0・(b - a) / (a・b)(正解)
- 2πε0・a・b / (b - a)
- 2πε0 / (b - a)
解説
【正解】
(2)
【設問の意図】
この問題は、同心球の公式の単なる丸暗記ではなく、「コンデンサの容量とは、2つの導体間の電位差(電圧)に対してどれだけ電荷が貯まるか」という電磁気学の根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「内球と外球の間隔によって生じる電位差」であり、ここを起点に積分の結果(逆数の差)を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電位差が (1/a - 1/b) に比例する形から逆算されるため、(2)が最も適切である。
そもそも同心球コンデンサの静電容量とは、「内球に +Q の電気を与えたとき、外球までの間にどれだけ電気的な落差(電位差 V)が生じるか」という物理現象に基づいている。
点電荷(または球)が作る電位は、距離 r に反比例する(1/r)。内球表面の電位は 1/a に比例し、外球内面の電位は 1/b に比例する。その間の電位差 V は、Q/(4πε0) × (1/a - 1/b) となる。
これを静電容量の定義 C = Q / V に代入すると、分母に (1/a - 1/b) が来る。
これを数学的に整理(通分)すると、(b - a) / (a・b) となり、その逆数を取るため分子に a・b が、分母に (b - a) が配置される形になる。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、4πε0・a・b / (b - a) と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「平行平板の公式(面積÷距離)と同じように、単に距離 (b - a) で割ればいいだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・電位が「1/r の差」として表される積分のプロセスを無視してしまう
・通分した後の分母分子が逆転する数学的処理(C = Q / V だから V の式が逆になること)をド忘れしてしまう
・球の公式の 4π と、円柱の公式の 2π を混同してしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の暗記よりも先に「根本となる『電位の差は 1/a - 1/b から生まれる』という物理モデル」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、ケアレスミスの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「同心球」のコンデンサであることを確認し、電位が 1/r で変化することを整理する。
2. 次に、電位差 V が (1/a - 1/b) = (b - a)/(ab) という形になることを思い出す。
3. C = Q / V なので、式の上下が逆転し、分母に (b - a) が、分子に ab がくる選択肢を探す。
4. 最後に、同心球は空間全体(4πステラジアン)に広がるため係数が 4π であることを確認し、2π の引っかけ選択肢を誤答として除外する。
この流れでアプローチすれば、公式の暗記に頼らずとも、論理的に正解へたどり着くことができる。
問17
真空中において、半径 r [m] の内部導体(芯線)と、内半径 R [m] の外部導体からなる無限に長い同軸円筒コンデンサ(同軸ケーブル)がある。このケーブルの長さ 1 [m] 当たりの静電容量 [F/m] を表す式として、正しいものを選べ。ただし、真空の誘電率を ε0 [F/m]、自然対数を ln で表す。
- 2πε0 / ln(R / r)
- 2πε0 / ln(r / R)(正解)
- πε0 / ln(R / r)
- 4πε0 / ln(R / r)
- 2πε0・ln(R / r)
解説
【正解】
(1)
【設問の意図】
この問題は、ケーブルの静電容量公式の丸暗記ではなく、「直線状の電荷が作る電界は距離に反比例し、それを積分すると対数(ln)が現れる」という電磁気学の数学的・物理的な根本を理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「円筒(同軸)」と「自然対数 ln」であり、ここを起点に物理的な意味を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、電界の積分から生じる電位差が ln(R/r) に比例するため、(1)が最も適切である。
そもそも同軸ケーブルの静電容量とは、「芯線に電気を持たせたとき、円柱状に広がる電界の斜面を下って外部導体に至るまでに、どれだけの電位差(落差)が生じるか」という物理現象に基づいている。
点電荷の電界は距離の2乗に反比例するが、無限長の直線電荷の電界は、ガウスの定理により距離 x に反比例(E = λ / 2πε0x)する。
この 1/x の電界を距離 r から R まで積分(斜面を下る)すると、数学的に自然対数 ln(R) - ln(r) = ln(R/r) が現れる。
静電容量 C = Q / V であるため、分母に ln(R/r) が配置される。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、2πε0 / ln(R / r) と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「同心球と同じように R - r のような引き算になるだろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・点電荷(球)の電界と、直線電荷(円柱)の電界の広がり方の違いを理解していない
・対数の中身が R/r なのか r/R なのか(大きい方÷小さい方か、逆か)を丸暗記に頼って混乱してしまう
・球の係数 4π と、円柱の係数 2π を混同してしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式の形よりも先に「根本となる『円柱状に広がる電界は 1/x だから、電位は ln になる』というプロセス」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「同心球ではなく、同軸円筒(ケーブル)」であることを整理する。
2. 次に、円柱状のガウス面を思い浮かべ、側面積は 2πr だから係数は 4π ではなく 2π であることを確定させる。
3. 容量 C は正の値でなければならないため、対数の中身は1より大きい (R / r) でなければならない(ln(小さい数/大きい数)はマイナスになってしまう)と論理的に判断する。
4. 最後に、分母に ln(R/r) があり、係数が 2π である選択肢を探し、他の引っかけを除外する。
この流れでアプローチすれば、数学的な整合性を用いて論理的に正解へたどり着くことができる。
問18
静電容量が 2 マイクロファラド と 3 マイクロファラド のコンデンサを直列に接続し、その両端に 100 V の直流電圧を印加した。このとき、2 マイクロファラド のコンデンサの両端にかかる電圧 [V] として、最も近い値を選べ。
- 20
- 30
- 40
- 60
- 80(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、直列接続の公式の丸暗記ではなく、「直列回路では、どのコンデンサにも同じ量の電気(電荷 Q)が押し込まれる」という物理的な直列の根本ルールを理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「直列接続における電圧の分配比率」であり、ここを起点に C と V の反比例関係を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、容量が小さいコンデンサほど高い電圧を受け持つため、(4)が最も適切である。
そもそもコンデンサの直列接続とは、「回路に電流が流れた瞬間、途中に枝分かれがないため、直列につながれた全てのコンデンサに『全く同じ量の電荷 Q』が貯まる」という物理現象に基づいている。
基本公式 Q = C・V を変形すると、電圧 V = Q / C となる。つまり、同じ量の水(電荷 Q)を押し込むとき、バケツの底面積(静電容量 C)が小さいほど、水位(電圧 V)は高く跳ね上がるという関係(反比例)にある。
本問の条件下では、容量の比が 2 : 3 であることが明示されている。電圧 V はその逆比で分配されるため、電圧の比は 3 : 2 となる。
100 V を 3 : 2 に分けると、2 マイクロファラド(小さい方)にかかる電圧は 100 × [3 / (2 + 3)] = 100 × (3/5) = 60 V となる。
したがって、物理的根拠に照らし合わせて、60 V と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「容量が 2 と 3 だから、電圧も 2 : 3 に分かれて 40 V と 60 V になるだろう。2 の方には 40 V だろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・抵抗の直列接続(抵抗が大きいほど電圧も大きい=正比例)と完全に混同してしまう
・Q = C・V の公式を覚えているだけで、直列回路で「何が一定なのか(Qが一定)」を意識していない
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、比率計算の前に「根本となる『容量が小さい(狭い)ほど、無理やり電気を押し込むのに高い電圧(圧力)が必要になる』という反比例モデル」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、非常によくある誤答の原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「直列接続」であることを整理し、「直列は電荷 Q が一定」というルールを思い出す。
2. 次に、Q = C・V より V = Q/C となるため、「C が小さいほど V が大きい(反比例)」という原則を確認する。
3. 全体電圧 100 V を、容量 2 と 3 の逆比(つまり 3 : 2)で按分する計算式を立てる。
4. 容量 2 の方に高い電圧(60 V)が、容量 3 の方に低い電圧(40 V)がかかることを確定させ、正比例の引っかけ(40 V)を除外する。
この流れでアプローチすれば、抵抗の計算と混同することなく、論理的に正解へたどり着くことができる。
問19
静電容量が 1 マイクロファラド と 4 マイクロファラド のコンデンサを並列に接続し、全体に直流電圧を印加して 10 マイクロクーロン の電荷を蓄えた。このとき、4 マイクロファラド のコンデンサに蓄えられている電荷 [マイクロクーロン] の値として、正しいものを選べ。
- 2
- 4
- 5
- 8
- 10(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、並列接続の公式の丸暗記ではなく、「並列回路では、全てのコンデンサに同じ電気的な高さ(電圧 V)が加わる」という回路の根本ルールを理解しているかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「全体の電荷量の分配比率」であり、ここを起点に C と Q の比例関係を論理的に組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、容量が大きいコンデンサほど多くの電荷を蓄えるため、(4)が最も適切である。
そもそもコンデンサの並列接続とは、「水道管が並列に分かれているのと同じで、両端に加わる水圧(電圧 V)がどのコンデンサにも等しく加わる」という物理現象に基づいている。
基本公式 Q = C・V において、並列回路では V が一定である。つまり、同じ水圧をかけた場合、底面積の大きいバケツ(静電容量 C が大きい)ほど、たくさん水(電荷 Q)が入るという比例関係にある。
本問の条件下では、容量の比が 1 : 4 であることが明示されている。電圧 V が同じであるため、蓄えられる電荷 Q もそのまま 1 : 4 の比率で分配される。
全体の電荷 10 マイクロクーロンを 1 : 4 に分けると、4 マイクロファラド(大きい方)に蓄えられる電荷は 10 × [4 / (1 + 4)] = 10 × (4/5) = 8 マイクロクーロンとなる。
したがって、物理的根拠に照らし合わせて、8 と結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「直列の時に反比例(逆比)だったから、並列の時も逆比だろう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・直列接続における電圧の分配(逆比)と、並列接続における電荷の分配(正比例)を混同してしまう
・「電流の分流(抵抗の逆比)」のイメージに引きずられて、容量の小さい方に多く流れると勘違いしてしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、公式をこねくり回すよりも先に「根本となる『並列は電圧が同じ。電圧が同じなら、デカい器(大容量)の方にいっぱい貯まる』という常識的な物理モデル」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、問題文から「並列接続」であることを整理し、「並列は電圧 V が一定」というルールを思い出す。
2. 次に、Q = C・V より Vが一定なら「C が大きいほど Q も大きい(正比例)」という原則を確認する。
3. 全体電荷 10 を、容量 1 と 4 の比(そのまま 1 : 4)で按分する計算式を立てる。
4. 容量 4 の方に多くの電荷(8)が、容量 1 の方に少ない電荷(2)が入ることを確定させ、逆比の引っかけ(2)を除外する。
この流れでアプローチすれば、抵抗の分流計算と混同することなく、論理的に正解へたどり着くことができる。
問20
静電容量がすべて等しい C [F] のコンデンサが3個ある。これら3個のコンデンサの全て、または一部を組み合わせて得られる合成静電容量の値として、あり得ないものを選べ。
- 0.333…・C
- 0.666…・C
- 1.5・C
- 2.5・C
- 3・C(正解)
解説
【正解】
(4)
【設問の意図】
この問題は、複雑な回路計算の能力ではなく、「与えられた要素(3つのコンデンサ)をどう繋げばどんな値になるか」という、回路トポロジー(接続形態)の全パターンを漏れなく論理的に洗い出せるかを問う問題である。
問題文の条件において注目すべきポイントは「3個のコンデンサを用いる」ことであり、ここを起点に直列・並列の組み合わせパターンをシステマティックに組み立てられるかが分かれ目となる。
【正解の理由(なぜこれが正しいか)】
結論から言うと、3個の組み合わせで 2.5・C という値を作り出すことは物理的に不可能であるため、(4)が最も適切である。
そもそも複数コンデンサの合成とは、「並列なら足し算(増える)、直列なら和分の積(減る)」という回路の基本ルールに基づいている。
本問の条件下では、3つのコンデンサ(すべて容量 C)の接続パターンを全て検証し、該当しないものを最優先で判断する必要がある。考えられる主要なパターンは以下の4通りである。
[1] 3つすべて並列: C + C + C = 3・C (選択肢5に存在)
[2] 3つすべて直列: 1 / (1/C + 1/C + 1/C) = C / 3 = 0.333…・C (選択肢1に存在)
[3] 2つ並列に1つ直列: (C+C) と C の直列。和分の積より (2C・C) / (2C+C) = 2/3・C = 0.666…・C (選択肢2に存在)
[4] 2つ直列に1つ並列: (C/2) と C の並列。足し算より 0.5C + C = 1.5・C (選択肢3に存在)
これら以外の値である 2.5・C は、例えば「2つ並列したものに、0.5C のコンデンサを並列する」などの条件が必要だが、手元にあるのは C のコンデンサ3個のみであるため構成できない。
したがって、技術的根拠に照らし合わせて、あり得ないと結論づけられるこの選択肢が正解となる。
【初心者がここで迷う理由】
学習の初期段階では、多くの人は
「適当に数字を組み合わせてみて、出なかったものを勘で選ぼう」
と短絡的に考えてしまいがちである。
特に、
・「2並列・1直列」と「2直列・1並列」という複合的な接続パターンを思いつかない
・抵抗の直列並列ルールと混同して計算を間違え、あるはずの値を「ない」と誤認してしまう
といった思考に陥りやすい。
しかし本問では、適当な計算よりも先に「根本となる『3つの部品の繋ぎ方は何パターンあるか?』という全体像の整理」に立ち返って考えなければならない。この順序を飛ばしてしまうことが、迷いや時間切れの原因である。
【本番での判断フロー】
本番の試験では、次の順序で考えればブレずに解答できる。
1. まず、余白に3つの部品を用いた接続パターンの図を4つ(全並列、全直列、2並+1直、2直+1並)サッと描く。
2. 次に、コンデンサの合成ルール(並列は足す、直列は和分の積)を用いて、描いた4つの図の合成容量を順番に計算する。
3. 計算結果(3C、C/3、2C/3、1.5C)を選択肢と照らし合わせる。
4. 最後に、どの計算パターンにも合致しなかった「2.5・C」をあり得ない値として確定させる。
この流れでアプローチすれば、パズルのような問題でも取りこぼすことなく、論理的かつ迅速に正解へたどり着くことができる。